Pnishプロデュース『その鉄塔に男たちはいるという』、27日昼と30日夜の回を観てきました。

比較的重い設定のストレートプレイだったのですが笑いもあり、2時間弱の上演時間があっという間に感じる程密度の濃い内容で大満足です!

どんな話だったかというと、

鉄塔に4人の男が逃げてくる。
彼らは慰問に訪れたコメディショーのメンバー。
「あんな不本意なライブはやりたくない」
7日後の作戦が終わるまで、ここで過ごすことを決めた。
じりじりと日は過ぎていく。
しかし、ある日突然ひとりの脱走兵がやってきた。
駐屯地から逃げ出した5人。
彼らはどう過ごし、どうなってしまうのだろうか?

ってな感じです。

キャストがこのくらいの数だと関係を把握するのが楽で、のめり込んで観られるので終演後に満たされたな~としみじみ思いました。

以下ネタバレありなのでご注意あれ。












劇中のアリとキリギリスの例えが使われるシーンがあるのですが、キリギリス=お気楽すぎだと非難された人物がこう言います。
「キリギリスのダメな所はさ、冬になって歌うのをやめたことだよ。歌ってりゃ良かったんだ」
このあと、どうせならそういう大きいとこで見栄をはりたいよな!みたいな事を言うのですが、この台詞の前まで何なのコイツ!と思っていたのが全て吹っ飛びました。覚悟もなく逃げてきたように見えて一本筋が通っているというか、武士は喰わねど高楊枝的な意地の張り方がなんか愛しいというかそんなふうに思いました。

派手なことは何もないけど、うまく複線はってあったり、日替わりネタの笑いがあったり二回観ても内容にどっぷり入れ込める良作でした!
おおまかなあらすじを言うと、

戦国時代をテーマにした映画のロケに来た一行。監督がなぜか霊媒師の友人を連れてきて、とある武将を降ろしちゃったからさあ大変!?

と言うような話でした。


劇場が青山円形劇場という特殊な構造の舞台で客席か舞台を囲むような形のため、出来れば位置を変えて何度か見たかったなと思います。

ワタシ的見どころは、薙刀とか短刀で二刀流とか扇とかを使った殺陣でした。4人入り乱れての殺陣シーンもかっこよかった!
ただ、話の中身に対してキャストが多かったような気がします。このメンツを出すために役を割り振ったというか、なんかスカスカした感じ…。全員参加のシーンが最初と最後くらいしか無かったから、特にそう思うのかもしれません。皆さん忙しいから、場面ごとにバラして稽古しても大丈夫なようにしてあるのかなとか勘ぐってしまいました

武将が降りてるときの切り替えっぷりとか、近いからこそ良くわかる細かい表情とか凄く楽しかったです。
とりあえず、久々に保村さんが観られて幸せ。
全体としては、タイトルこそ違え『幕末狂刀伝』の再演だと思ったので、初演とどうしても比較してしまって私的評価は辛いです…

一番のツッコミどころは「ほとんどイエス関係ないじゃん!」というところじゃないでしょうか?
島国日本演劇祭で宗教というテーマを割り振られたから設定を無理やり後付けした感じ…。思わずアンケートに厳しめのコメント書いてだしてきちゃいました。

演者さんを個別にみればそれ程悪くないのに、不完全燃焼気味なのがもったいない。
武市と以蔵の思いが食い違い、すれ違うシーンの2人の表情とか、山南さんの切腹の所とか、勝海舟の所で地球儀の説明を受けながら溶暗するシーンとかは凄くよかったし、ラストは泣かされたんだけどな。