小説家志望
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『焦痕』 藤沢周

ウロボロスの蛇のように絡み合う連作短編集。
焼け焦げた記憶から立ち上る友人の不確かな死の謎を描く表題作をはじめ、登場人物の奇妙な連鎖を通じて、全11編がウロボロスの蛇のように絡み合う、気鋭の芥川賞作家が放った連作短編集。


女達は落ち度や隙を武器にして、知らない振りをしている。男達にはその根性が丸見えだが、女達にはそれでも見て喜んでいる男のスケベ心が丸見えだ。

『八月の路上に捨てる』 伊藤たかみ

暑い夏の一日。僕は30歳の誕生日を目前に離婚しようとしていた。愛していながらなぜずれてしまったのか。現代の若者の生活を覆う社会のひずみに目を向けながら、その生態を明るく軽やかに描く芥川賞受賞作!他一篇収録。


「何て言うかな。両方割り切ってやってるのは、セックスつきのお茶飲み友達みたいなもんでさ。セックスって言うから変だけど、そう、乾布摩擦の濡れてるようなもんじゃん。それで心が繋がって満足なら、まあいいんだよ」


父は、年齢と同じ数だけの千円札を持っていれば恥をかくことはないと、酔って上機嫌になるたびに話して聞かせた。



『あの空の下で』 吉田修一

ANA機内誌『翼の王国』に掲載された短編を書籍化。数々の文学賞を軒並み受賞した吉田修一、初の読みきり連載小説&エッセー集となる。
1編ごとに異なる主人公の些細な日常を、胸が詰まるほどリアルに表現した12の短編小説と、世界の旅エッセイ6編を収録。


誰か優しくない人に会ったら、「きっとこの人は誰かに優しくされていないんだな」と思え、そう思えば、腹立ちも紛れると教えてくれたのは誰だったか。

世界の中心で、僕はこう叫ぶ


小説家志望


日々、時間の経過、堆積、もしくは喪失を繰り返し、

僕たちは折り合いをつけながら生きている。


うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。

嬉しいこともあれば、哀しいこともある。

出会いがあれば、別れもある。

成功することもあれば、失敗することもある。


なんだってありなんだよ。


もちろん、そんなことを数値化し、可視化することではないし、そんなことする必要はない。

ロジックツリーなんて糞くらえだ。


僕たちは、折り合いをつけながら生きている。

でも、それは、決して諦めることでも、開き直ることでもない。


誰かがこんなことを言っている。

平凡な人生なんてない。

人生、山あり、谷あり、世は情け、渡る世間は鬼ばかり。

可愛い子には旅をさせろ。


だから、世界の中心で、僕はこう叫ぶ。

「僕たちは、ハードボイルドでワンダーランドな世界を旅している。光の射すほうへ突き進め!!」
















こんな夜に…

酒を飲むのに理由はない
なんてカッコいいかもしれないけど、そんなにスカさなくてもいいんじゃないと思う時もある。


嬉しい時、悲しい時…
僕はカウンターに立ち、君が来るのを待っている。
どんなことでも、精一杯、受け止めてあげたいと思う。


酒を飲むのに理由がなくても、あってもいいと思う。
それがどんなにカッコ悪いことでも…
きっと、そんな夜もあるはずだ。

だから、僕はカウンターに立ち、君が来るのを待っている…



曖昧な記憶の鍵


小説家志望

カフェでコーヒーを飲んでいる。
コーヒーの香りが鼻腔を突き抜けて心地いい。
しかし、なにかモヤモヤとしたした羊が頭の中を駆け巡る。
オレは、羊を数えていない。
今、曖昧な記憶の鍵が外れる音がした。

タルトケーキ


小説家志望


彼女の好きな食べ物はタルトケーキ。
彼女がタルトを食べ、僕はアイスクリームを食べる。
彼女の好きな食べ物はイチゴ。
彼女がイチゴを食べ、僕はキウイとオレンジを食べる。
僕が好きなのは彼女。それだけなのだ。


マスターと呼ばれたくないバーテンダー

パンチパーマと焼きうどんの発祥の地、北九州市は九州の北端に位置し、関門海峡を隔てて本州と接している。北九州市民は、「なんか、こら」「くらすぞ、きさん」と言いながら、うどんに焼きをいれている。

そんな北九州市のとある場所に『ブラックボックス』というバーがある。おんぼろな雑居ビルの非常階段を使い二階にあがるとその店はある。店名が表すように店は真っ黒の箱である。

この店のバーテンダーは、さらに黒く、暗闇を身にまとったような人で、奇抜な髪型にサングラスにタキシードという姿でカウンターに立っている。タモリさんとタキシード仮面をリスペクトしているらしい。

少し前まではモヒカンだった髪型は、今ではスーパーサイヤ人のようになっている。「オッス!オラ悟空!!」なんてもちろん言ってくれない。年齢、素顔、とにかくすべてが謎であるが、彼は常々ピーチ姫と結婚したいと言っているので、独り身であることに間違いはないようだ。

彼は、「同情するなら、金をくれ」と言うのが口癖で、客に酒をたかり、どこから仕入れているのかわからない怪しいバイアグラ入りオリジナルカクテルを高値で売りつけることでなんとか店の支払いを済ませているようである。

彼のことを庇う訳ではないが、お洒落な居心地のいい空間をつくる感性と、彼の才能、つまり彼の作る酒のうまいことは認めなければならない。

彼は言う。「バーは空気を売るところ。酒をつくるにはごちゃごちゃした御託はいらない。感性と才能が必要だ」と。

続けて彼は言う、「感性と才能を持ってしても、髭がカッコよくならないとマスターにはなれない」

彼のことをお客さんはマスターと呼んでいるが、本人は気に入らないらしい。

なぜなら、マスター=髭がある人だと彼は考えているからである。彼の髭は残念ながら非常に薄い。彼の髭はマスターには不向きなのである。

しかし、僕も彼のことをマスターと呼ぶことにする。だって、他に呼び名がないんだもの。

 僕は、ブラックボックスに通い、マスターとお客さん、時には僕も参加することになる物語を皆さんに伝えようと思う。


はじめに

十代ではマスをかき、

二十代では恥をかき、

三十代では文章を書き始める

四十代は四十肩でなければ、背中を掻くことができるだろう。

『ダンス・ダンス・ダンス』 村上春樹

踊るしかないんだよ。
それもとびっきり上手く踊るんだ。
みんなが感心するくらいに。
音楽が続く限り。
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