90s 名古屋公演往復バスの中 | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

Pファンク、一度、名古屋でパフォーマンスしたことあるんですよね、会場がどこだったかも覚えていませんが。その時、キャンプは大阪のホテルに滞在したまま、名古屋までバスで移動ということになりました。

 

BB:”早く行ってバスの席を確保したいよ、いい?”

 

もちろんです。集合時間に余裕を持って現れるのは、プロとして当然のことです。

 

30分ほど早めに行きましたが、さすが日本、バスはすでに待機してくれていました。マイルス・エレクトリック・バンドのブルース・フェスティバルとは大違いです。

 

 

とっとと乗り込もうとするブラックバードでしたが、当時はMiss.だったMrs.にストップがかかります。当たり前と言えば当たり前のことです、部外者なんですから。 

 

そこは地元の強み、名古屋だったら近鉄特急でするっと行けるから、向こうで合流しようねと提案するMrs.と、烈火のごとく怒り出すブラックバード、挙げ句の果てには、僕も近鉄特急とやらで行くと言い出す始末。皆さんもご存じのように、ブラックバード、筋金入りの頑固者になる時があります。仕方なく同乗を許可いただいたMrs.でしたが、当然ながら遠慮の塊。縮こまって大人しくしていたのに、通路を行脚していたジョージが我が家を見つけ、ブラックバードに写真を撮れと命令するではありませんか。

 

ええええ!私とかよ!なんで?それもよりによって、なんで今なんだ?と尻込みするMrs.と、乗車前の大騒動など知る由も無いジョージ。まぁ、知ってたとしても御大、お構いなしでしょうけれども・・・。その時の写真がこちら。

 

 

Mrs.のカラフルな服を見て、仲間だと思ったんでしょうか。ジョージ、髪の色から、服装から、手にしたペプシの缶まで、トータル・カラー・コーディネート。

 

遠い昔の話だから、ショーの事は全く思い出せないけど、確か、名古屋からの帰り道だと思う、長旅のお供にとビデオを流してくれていたの。美しい男性の2人組です。それは、X JAPANのYOSHIKI氏と小室哲哉氏のユニットでした。面々、すごく気に入って観ていたのですが、最後まで、彼らの事は女性だと思ってたみたいです。

 

我が家、夕方はブラックバードのマッサージ兼ストレッチタイム。先日、そのお供に観るものをサーチしていると、”We Are X”と言う映画がありました。サムネイルにはYOSHIKI氏が、X JAPAN関連のようです。

 

 Mrs. : ”あ、彼、X JAPANのリーダー、ほら、名古屋帰りのバスの中で見たやん。”

 

ブラックバード、もちろん覚えています。どうやらドキュメンタリー、ニューヨークで公演をされたときのもののようです。

 

出だしから重苦しい気持ちになる映画でした。激しいパフォーマンスで、体をあちこち痛めていると言う話は聞いたことがあるけれど、公演前にドクターのところに行って、ペイン・マネージメントだろうね、注射打ってもらってるの。その手の動かし方から、痛みが半端でないことはわかりました。その後、個人的なお出かけの際に、ファンの方たちがサインを求め、優しく応えているシーンがありました。手にはガチガチのサポーターをはめ、サインペンの持ち方から察するに、おそらく、力が入らないんだろうと思いました。なのに、待っている何人もの人たちにサインしてあげてるの。それを見てブラックバードが言いました。

 

BB : “彼さぁ、なんて言うのか、ファミリーだよね、みんなのことをそう思ってるよね。あんな具合悪いのに、みんなのためにパフォーマンスし続けてるんだ。”

 

ミュージシャンは体を酷使する商売です。健康的な生活を送るとか、食事に気をつけるとかならば、努力すればいくらでも実行することができます。でも、アスリートやミュージシャンの体にかかる負担と言うのは、パフォーマンスとの裏表です。セーブしながら長く続けていくか、先のことは考えず、一瞬一瞬全てをかけるか、それはもう、本人にしか決められません。YOSHIKI氏のパフォーマンスは、まさしく今の一瞬が全て、だから花火のように人の心に響くのかも。

 

ブラックバードも他のPファンクの面々も、半世紀以上パフォーマンスを続けていると、やっぱり、どこか具合の悪いところは出てきます。それは他のご職業の方たちでも同じでしょう。全てが嫌になっちゃうことだってありますよね。でも、こうやって、他の方たちの苦悩とそれを乗り越えて行く勇気を目にすると、やっぱり、自分たちは前に進んでいけばいいだけなんだなと思うことができます。たくさんのファンク・ファミリーが、愛とパワーを送り続けてくれる。そう、一瞬が繋がりあって、長いファンカティア人生となる。