ひまわり | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

今日、カイロの先生のオフィスへサプリメントを受け取りに行った。ロサンゼルスの街は、いつの間にかもう春が来ていたようで、家々の庭や街路樹にきれいな花が咲いていた。この時期は桜の一種なのかな、濃いピンクの花が咲く樹がずらりと並ぶ通りがある。ピンクの花が終わると、次はブラジル原産の紫の花。そして夏が来る頃には、名前も知らない黄色い花が咲き始める。普段は何の気なしに通り過ぎている風景でも、気持ちが沈んだ時には、ふと目に留まる。そして不思議と少しだけ元気になれたような気がする。

 

広大な土地に咲き乱れるひまわりの花が美しくも悲しい、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の映画ひまわり、戦争に翻弄された夫婦の物語。あまりにも悲しく、胸が引き裂かれそうになるようなこの映画。あの広大なひまわり畑のシーン、当時はソビエト連邦の一国だったウクライナはヘルソン州で撮影された。

 

映画『ひまわり』

(c) 1970 - Compagnia Cinematografica Champion (It) - Films Concordia (Fr) - Surf Film Srl - All rights reserved.

 

ヘンリー・マンシーニの名曲が涙を誘う。

 

 

ひまわりはウクライナの国花、そしてロシアの国花でもある。あの元気な大輪の花を見て、美しいと思う気持ちはみんな同じじゃないのか。時代は変わり、公開から半世紀も過ぎた今、同じ悲劇が、全く同じ場所で起きているなんて。

 

イタリア映画ひまわり、残酷なまでに悲しい映画なのに、なぜこんなに人を魅了するんだろうと考えてみた。それは多分、生まれた場所や時代といった抗うことのできない運命、その大きな力に押しつぶされそうになりながら、それでも立ち上がって前に進み続ける人間の勇気と強さを、そこに見ることができるからかもしれない。

 

エブリデー・ピープルはただ毎日元気に働き、子供たちが学校に行くのを見守り、友人や家族と音楽を聴き、公園でくつろぎ、一日の終わりにはおいしい食事と会話を楽しみたいだけ。今年も、来年も、これからもずっとひまわりの花は咲き続ける、人々に希望を与えながら。あの美しい土地に平穏な暮らしの戻る日が、一刻も早く訪れることを切に願う。