R.I.P. チック・コリア | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

なんて、悲しい日なんでしょう、チック・コリア氏が逝去されるなんて。

 

去年の終わり頃だったかな、ブラックバード、ウェブで彼の写真を見て、元気にしてるのかな、大丈夫かなと言っていたのを思い出しました。その頃にはもう、具合が良くなかったのかも知れません。

 

コリア氏の作品の中から一つを選ぶなんて事、とても出来ませんが、今夜、ブラックバードが選んだのはこの曲。

 

 

アヴァンギャルドで、自由奔放で、どこまでも、どこまでも、駆け抜けて行く、それがチック・コリア。彼の曲を聴いたが最後、フュージョンって言葉を、気軽に使えなくなってしまう。最高峰。

 

チック・コリアと言うと、ブラックバードが教えてくれたエピソードが忘れられません。今日は彼の優しいお人柄の垣間見える、このエピソードをご紹介しましょう。ブラックバードがマイルス・ディビスのバンドでブレイしていた時の事、チック・コリアがライブを観に来てくれたそうです。ライブ終了後、ブラックバードの元にやって来た彼、

 

CC:”いやー、君、いい演奏するね。”

 

巨匠のコリア氏に褒められたわけですから、ブラックバード、当然、お礼を言います。コリア氏は続けます。

 

CC:”ねぇ、僕と一緒にプレイしない?”

 

これはヘッドハントと言うやつではないでしょうか。あのチック・コリアに誘われるなんて、凄いです。でも、ブラックバードって、やっぱりブラックバード。

 

BB:”チック・コリアは大好きさ。だけど、あの頃の僕は超生意気だっただろ?まともに取り合ってなかったんだ。”

 

それでも、二度三度と誘ってくれたコリア氏。当時も今も、やっぱりファンクが大好きなブラックバード、ジャズの世界に戻ることはありませんでしたが、忘れられない、素敵な思い出です。

 

チック・コリア氏の公式ウェブサイトに、彼からのメッセージが掲載されていました。

 

”It is my hope that those who have an inkling to play, write, perform or otherwise, do so. If not for yourself then for the rest of us. It’s not only that the world needs more artists, it’s also just a lot of fun.”

 

(楽器を弾きたい、曲を作りたい、演奏したい、他なんだっていいんだ、何かをやりたいと思う人には、やって欲しいと思う。もしも君自身の為じゃなかったとしたら、他のみんなの為にな。アーティストが必要だからと言う理由だけじゃない。とても楽しいことだからなんだ。)

 

"Or otherwise"と言うところが彼らしいです。自分の可能性を限定しない。何が出来上がるかわからないから面白い。”Do so”、自分にも何かができるような気持ちになれるから不思議。

 

”My mission has always been to bring the joy of creating anywhere I could, and to have done so with all the artiests that I admire so dearly - This has been the richness of my life."
 
(僕の使命はいつだって創作の楽しさを、自分に出来得る限り届けることだった。それも自分が心から賞賛するアーティスト達と一緒に。これこそが僕の人生を豊かなものにしてくれたんだ。”
 
<日本語訳:Mrs. McKnight>

 

 

ええ、チック・コリアは聴く側の私達の人生をも、豊かで美しいものにしてくれた。もっと、もっと、届けて欲しかったのに、もっと、もっと、あっと驚く音楽に触れたかったのに。悲しみも人生を豊かにしてくれる物の一つと言うことを、教えてくれているのかな。粋に振り返って、片手を上げるチック・コリアの姿が、まるでそこにあるような気がした。

 

ありがとう、チック・コリア。これからもあなたの音楽を聴き続けて、その度に、まるで初めて聴いた時のように感動し続けます。あなたの使命は、天国に行っても終わらない。