哀悼 オーティス・ラッシュ | Music and others

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私にとって、最も敬愛するシカゴ・ブルーズのレジェンド、オーティス・ラッシュ(Otis Rush)が、先週の土曜日、9月29日に旅立ったことを知りました。84歳でしたけれど、心残りなことは沢山あったと思います。 
 
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奇しくも、27日に亡くなったマーティ・バリン(Marty Balin)に関するブログを書きかけていたところでした。 自身の年齢を含め、そういう時期に来ていること、痛感せざるを得ません(合掌)。
 
 
□ Otis Rush   "It's My Own Fault" from 『Ain't Enough Comin' In』 in 94 ; 

 

 

 
 
ところで、オーティス・ラッシュは、2004年に脳梗塞で倒れてしまい、その後遺症からギターを弾くことは出来なくなり活動停止を余儀なくされていたからです。
 
 
 
 
つい先日も、当時のことを思い返してブログに綴ったばかりでした(そのブログはこちらです↓↑)  オーティス・ラッシュ ”Double Trouble"
 
 
ウェストサイド・サウンドと呼ばれる斬新なサウンドで、シカゴ・ブルーズをバディ・ガイ(Buddy Guy)、マジック・サム(Magic Sam)と共に牽引した左利きの演奏スタイル、たった一度きりですがライヴを経験できたこと、誇りに思いたいですね。
 
エリック・クラプトン(Eric Clapton)を通して知ったわけですが、すぐには本当の良さを理解できませんでした。 ギター弾きではなかったせいか、どうしても楽曲の構成だったり、テクニカルな巧さの方に目がいきがちでした。演奏に込められたパッションだったり、生き抜いてきた境遇とかにはなかなか注目するには至りませんでした。
 
あの”Double Trouble”を何となくウィスキー吞みながら聴いていた時に、自分の思い通りにならないキャリアを重ねて初めてシンクロできたと思います。
 
やはり、彼のソウルフルなヴォーカルがあったからこそ、ギターとのコンビネーションが生きたのだと思います。本来は左利きですが、右利き用のギターを逆さに持って演奏するスタイルがトレードマークでした。 アルバート・キング(Albert King)と同じスタイルですね。 独特なチョーキングとビブラートは、ギターの弦が反対に貼られているからこそ、産み出されたのでしょうね。
 
 
大の親日家であり、現在の奥方は日本人のMasaki Rushさんです。
 
レコーディングの機会には恵まれなかったため、それほど多くの作品は残っていません。私にとって想い出深いのは、94年、16年振りにリリースされた『Ain't Enough Comin' In』です。当時は何度なく聴きました、オーティスの想いの丈が詰まっている様に感じたからです。全12曲の中でも、最後の曲、”As the Years Go Passing By”は渾身のプレイ振りが際立っています。
 
この曲、オリジナルは1959年にフェントン・ロビンソン(Fenton Robinson)がレコーディングしており、それ以降では、アルバート・キング(名盤と言われる、『Born Under A Bad Sign』に収録)、エルヴィン・ビショップ(Elvin Bishop)、ガリー・ムーア(Gary MooreStill Got the Blues』に収録)
 
□ Otis Rush   "As the Years Go Passing By" from 『Ain't Enough Comin' In』 in 94 ; 

 

 

 
 
 
□ Ain't Enough Comin' Inreleased in 1994  *****
1. Don't Burn Down the Bridge     Albert King
2. That Will Never Do     Bob Lyons / Little Milton
3. Somebody Have Mercy     Sam Cooke
4. A Fool for You     Ray Charles
5. Homework      Al Perkins / Otis Rush
6. My Jug and I      Percy Mayfield
7. She's a Good 'Un     Percy Mayfield / Arthur White
8. It's My Own Fault     B.B. King / Jules Taub
9. Ain't Enough Comin' In     Otis Rush
10. If I Had Any Sense I'd Go Back Home     Rose Marie McCoy
11. Ain't That Good News    Sam Cooke
12. As the Years Go Passing By     Deadric Malone
 
このアルバムでは、アルバート・キングやB.B.キングに敬意を表して彼らの曲を取り上げていました。 真に気心を通わせられるプロダクションをジョン・ポーター(John Porter)が行い、ビル・ペイン(Bill Payne)などの素晴らしいサポートを得て納得できる内容だと思います。
 
 
向こうの世界で、彼等と一緒にセッションを繰り広げていると思います。
 
どうか安らかに、Rest in Peace, Otis Rush
 
 
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