そろそろ、メガヒットをレーベル側からも期待(要求)される立場になってしまった、ジョン・メイヤー(John Mayer)が”売れ線??”ど真ん中を狙って制作した7枚目のアルバム、『The Search for Everything』になります。
2007年にリリースした『Battle Studies』が最後のプラチナ・アルバムになってからは、セールス的には今一つ振るわない結果となっていました。 それ以降と言えば、ゴシップ誌を賑わすモテモテ男として、あるいは、プレイボーイ誌のインターヴューでの舌禍事件(女性に向けられた、差別的、且つ、侮蔑的発言)により、Twitterは炎上するに至り、ついには時の人となってしまいました。 その影響を受けてからは、とても内省的なアルバム2枚を作ってきた筈ですから・・・・。
本アルバムは、2013年8月リリースの前作となる『Paradise Valley』以来、4年振りのアルバムとなり、『Born and Raised』(ブログでの紹介は↓↑)と合わせて2作品ほど続いたカントリー・ロック(アメリカーナ)路線に別れを告げて、従来のポップな路線に復帰したように云われています。 本人曰くは、「過去にやってきたことと同じようなことはしたくないし、興味が湧かない!」と云うことだが、どうでしょうか・・・・?!
全12曲で、従来の彼らしいメローなバラッドやロッキン・ソウルな曲が聴けます。 しかしながら、試行錯誤があったようで、本アルバムのリリース前には、今回収録されている楽曲を”小出し”にしたかのようなEP盤を1月と2月に連続して発表しています (Wave One& Wave Two) 。 どういった意図があったのかは不明ですが、結果的に12曲中8曲が重複する形での変則的なリリースとなりました。 ファンに飢餓感を与えるような”小出し”作戦のようで、少し”あざとい”気がしてしまいます。
いずれにしても、2015、16年はデッド&カンパニー(Dead & Company)でのツアーに注力しており、長いブランクとなってしまっている。 このバンドは、元グレイトフル・デッド(Grateful Dead)のメンバー3人と組んだもので、ボブ・ウェア(Bob Weir)、ミッキー・ハート(Mickey Hart)、ビル・クルーツマン(Bill Kreutzmann)が参加しており、とても興味深い組み合わせとなっている。ベースは、残念ながらフィル・レッシュ(Phil Resh)ではありません。
彼らのライヴ音源は、デッドの専用サイトにおいて様々なデータ形式にて用意に入手できる。 個人的には、こちらの方に遥かに魅力を感じてしまうのは”歳のせい”かな??
何か原点回帰というよりは、非常に内省的な内容のアルバムになっていると言うのが、第一印象です。 察するに、ケイティ・ペリー(Katy Perry)との恋愛関係が破綻したことが相当にショックであり、未だに忘れられない、その気持ちが多くの曲の歌詞に表れています。
なお、本アルバムはセルフ・プロデュース作品となっていますが、サウンド面では結構緻密に創り上げられたという感じを持ちました。 単純な言い方をすれば、あの『Continuum』の頃のサウンドに戻ろうとしているかのような印象を受けます。
□ Track listing *****;
※) All music composed by John Mayer
1. "Still Feel Like Your Man" - on "Wave Two"
2. "Emoji of a Wave" - on "Wave Two"
3. "Helpless" - on "Wave Two"
4. "Love on the Weekend" - on "Wave One"
5. "In the Blood"
6. "Changing" - on ”Wave One”
7. "Theme from "The Search for Everything"
8. "Moving On and Getting Over" - on ”Wave One”
9. "Never on the Day You Leave"
10. "Rosie"
11. "Roll It on Home" - on "Wave Two"
12. "You're Gonna Live Forever in Me" - on ”Wave One”
□ Personnel;
Musicians
- John Mayer vocals, guitars
- Steve Jordan drums, percussion
- Pino Palladino bass guitar
- Larry Goldings keyboards
- Al Jardine vocals (on "Emoji of a Wave")
- Matt Jardine vocals (on "Emoji of a Wave")
- Aaron Sterling drums (on "Roll It on Home") and percussion (on "Still Feel Like Your Man" & "Roll It on Home")
- James Fauntleroy keyboards (on "Still Feel Like Your Man")
- Sheryl Crow vocals (on "In the Blood")
- Tiffany Palmer vocals (on "Helpless")
Production
- Steve Jordan ; executive producer
- Chad Franscoviak ; producer, engineering
- John Mayer ; producer
冒頭の1曲目、“Still Feel Like Your Man ”は、正にあのケイティ・ペリー(Katy Perry)とのラヴ・ロマンスを歌っているとしか思えない内容の歌詞ですね。 かつてのように、実名を出してペラペラと喋ることはなくなりましたが、いかにもな内容で少々ゲンナリしそうです。
冒頭の1曲目、“Still Feel Like Your Man ”は、正にあのケイティ・ペリー(Katy Perry)とのラヴ・ロマンスを歌っているとしか思えない内容の歌詞ですね。 かつてのように、実名を出してペラペラと喋ることはなくなりましたが、いかにもな内容で少々ゲンナリしそうです。
「君のシャンプーをまだ置いてあるんだ。
また、いつでも来て髪を洗えるように・・・・」
そして、この曲のMVですが、誤ったオリエンタリズムを醸しだす映像で、全く意味不明な笑える内容です。 ”かぶりもの”のパンダ2匹と訳の分からないカンフーダンス、おふざけが過ぎるようなもので、洒落(パロディ)としても笑えませんね。 曲自体はとても洗練されたソウル風味溢れる70年代のAORを再構築したようなニュアンスを感じました。 また、ファルセットでの歌い方は、若手のSSWであるジェイムス・ブレイク(James Blake)かと錯覚を起こしそうです。
2曲目以降については、”その弐”の続編にて触れてみたいと思います。(乞うご期待)