それからしばらく

また父の部屋への足が遠のき

なかなか会いに行ってなかった。

 

 

そろそろ顔出さなきゃなと思っていた日

病院へ向かいながら

「たまにはあんた達も

会いに行ってあげたら?」

と母が子供たちに言っていたので

その日、会いに行く事に

 

 

しばらく父の熱が続いていたこともあり

抗生剤も効かず、熱も下がらず...で

行くタイミングを逃していたこともあったけど

(その後どうも院内感染じゃないの?と

思い当たる節が...)

 

2.3日前に母を迎えに行くと

「どうも心臓も弱くなってきてるみたいだよ」

と言っていた。

 

その日も

このまま病院に泊まろうかなと

思ってたみたいだけど

「仕事あるからムリ」と

連れて帰ったんだけど。

 

 

そして父の部屋にいくと

時々目を開けるも、ほとんど寝てた父。

 

お昼に下の子が

お腹すいたとうるさくなったので

母をおいて帰ることにした。

「また夜仕事だし

いつもの時間に迎えの電話してね」

と、渋る母に伝え

部屋を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>>>>つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのあとは

母を病院へ送迎するも

父の部屋にはいかなかった。

 

自分の誕生日に

父の顔を見に行った。

(その時はもう個室)

 

「無事に〇歳になれました

ありがとうございます」

と伝えると

 

不思議そうな顔

「〇歳~???

□歳じゃなかったか~???」

 

もう記憶障害もひどくなっていた。

 

色々会話もしていたんだけど

(父・筆談)

それでも父の頭の中は

仕事のことばかりのようで

少しほっとする。

記憶はおかしいんだけど。

 

 

一生懸命

母の名前を書いていたメモを見つけた

 

嫁 〇〇

妻 ○○

家内 〇〇

 

自分の名前もあやしくなってるのに

(わたしの名前はなぜか大丈夫

妹の名前は出てこない...)

 

恋女房ってやつですかね...

 

忘れないように

必死だったのかな???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>>>>つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰れるときは帰りましょう」

 

ある日、外泊許可が出る。

 

 

昼頃母と迎えに行き

実家へ。

 

「どこへ行く?」

と筆談の父

(紙ではなく、手のひらに)

 

「家に帰るんだよ」

(そうか...)

 

また数分後

「どこへいく?」

 

「おうちで~す」

(そうか...)

 

 

何度繰り返しても

不思議そうな顔をする父。

 

 

 

家ではそこまで

記憶障害がひどくは感じず

過ごすことができたと思う。

 

トイレの場所を

忘れたりとかはあったみたいだけど。

 

 

次の日に病院へ送る時も

「どこへいく?」

 

病院で~す

とりあえず点滴受けるんだよ~

 

不安にさせないように

そう言ったと思う

 

これも数回繰り返す

 

時折まともで

時折記憶障害

 

 

 

病院への支度をし

着替えてる父に

ふと目をやると

年齢のわりに

筋肉質だった身体は

みごとに

骨ばっていて

切なくなった...

 

 

 

 

入院する時

病院のすぐそばに

「ここが次の現場らしいんだ」

と、連れてこられた場所がある。

 

 

病院へ帰る前に

ちょっと寄ってみた。

 

「ここは?」

 

入院前に

現場だっていってたところだよ

 

「???」

ここじゃない的な反応w

 

もっとあっちだ、こっちだと

あちこち回る

 

「でもね~

おとん、ここだって言って

あたし連れてこられたんだけどw」

 

納得しないままの父を

病院へお連れする

(時間も時間だったし)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

>>>>つづく