櫛木理宇さんの新刊。
「鳥越恭一郎」シリーズは、前作を読んだことがあります。
イケメンで、弟に関して暗い過去を背負っていて、カラスと意思疎通ができるという特殊能力を持っている刑事、鳥越が凶悪な事件を捜査するお話。
登場するのは、「十雪会」という名の新興宗教団体です。
その団体は小規模ながら、口が立つカリスマ的な教祖を中心に、近代文明を否定し、西洋医学を否定し、農耕による自給自足を行い、集団で子育てをするの特殊なもの。生まれた子どもは戸籍に入れないので就学もできず、世間から隔絶されて育つ。
この団体がひっそりと暮らす田舎の村で起こった幼女誘拐事件を捜査するというストーリーでした。
人間は自然に回帰するべき、みたいなことを主張する過激派環境保護団体ってよくあるけど、大体突き詰めていくと胡散臭いんですよね・・・今の世の中でそんな簡単に集団生活を維持することなんてできないから、アコギな商売もしてるし、高確率で教祖様の権力欲やコンプレックスが動機となっている。
胸くそ悪い話だなあ、と思いながら読んでいました。
この物語は、登場人物がたいへん多いです。しかも愛憎関係がドロドロしているので、誰と誰がどういう関係で過去何があって、など覚えるのに苦労しました。
事件そのものは、別作品で櫛木さんが描くような猟奇的事件とは違ってマイルドな方だったかなと。
きっと、大人のエゴで犠牲になり一生を棒にふる子どもたちの不憫さを世に知らしめたかったのではないかな。
鳥越刑事はカラスと意思疎通ができるのがかなりスペシャルな能力なはずなんだけど、カラスさん達は意外と控えめね。カラスって賢いし戦闘能力もあるし、人間の世界に介入すれば瞬く間に主導権を取れると思うんだけどね。
面白さとしては、まあまあ、、、かなあ。
〜おまけ〜
この映画が11月に公開っていうニュースが流れてきた。
戊辰戦争時の新発田藩を描くらしい。
そりゃまた物議を醸しそうなテーマだこと。
新発田藩で繰り広げられた歴史的事件、奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11人の罪人たちが「決死隊」として砦を守る任に就く。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉の通り、勝った方が正しく、勝敗によって善悪が決まるのが当たり前の時代に“はたして勝つことだけが正義なのか?”と一石を投じるべく、憎き藩のために命をかけて砦を守らなければならない罪人たちの葛藤を構想した。
憎き藩のために命をかけて砦を守る罪人・・・?
賊・・・?
ちょっと何言ってるかわからなかったんだけど、新政府側視点なのか?同盟側視点なのか?
どっちなんだい
いずれにしても夫(長岡人)の心をザラザラと逆撫でしそうな映画である。