五十六 ISOROKU 異聞・真珠湾攻撃 | あだちたろうのパラノイアな本棚

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読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

 

 

Wikiを見てみると、「真珠湾攻撃」と「真珠湾攻撃陰謀説」ってのがありますな。

この本はおそらく真珠湾攻撃陰謀説を前提に書かれた物語でしょう。あくまで「異聞」だし!

 

まあとんでもないお話でした。

 

山本五十六のことが読みたくて入手した本なのですがね。

五十六さん、これじゃアメリカの手先じゃないですかぁ!

いやアメリカというより、「友愛結社」の同朋のため、つまりフリーメイソンだからという理由でとった行動:それが真珠湾攻撃だという。そんなバナナ。(←古い)

 

いったいフリーメイソンというのは何なのでしょう。たまに本読んでると出てくる名称ですけど、こいつが出てくると人々の行動規範がさっぱりわかりません。ちゃんとわかってる人はわかってるんだろうな。

 

ちなみにこの本では、フランクリン・ルーズベルト大統領やチャーチル首相もその仲間ということになっています。これは真実なのかもしれない。

 

 

ルーズベルトはムカつきますねもやもや

ポリオにかかっていて身体不自由であっても外見がハンサムで民衆を熱狂させる魅力の持ち主、それで絶大な権力を持つ人物です。そしてレイシストで、有色人種に対するあからさまな侮蔑を隠しもしない。

 

日本人のことを

「頭蓋骨が我々よりも2000年発達が遅れている奴ら」

と言っていつも罵ってます。このフレーズ10回くらい言ってなかったか?うるさい聞き飽きたよ、もう言うなあ!ムカムカ

 

ルーズベルトが何回も何回も同じフレーズを何とかの一つ覚えみたいに言ってるのは、それはそれで作中の揶揄なのかもしれませんが。

 

チャーチルはイギリスがナチスドイツの攻撃を受けて、困り果てています。アメリカに参戦して欲しいのですけど、アメリカはモンロー主義で他国の戦争には介入しない方針。議会が黙っちゃいないし。

でも、もしもアメリカが他国から攻撃を受ければ、自国の戦争として全く正統な参戦となるので、その口実がいるというわけです。

 

ルーズベルトとチャーチルの極秘対話の中で名前が上がったのが、山本五十六です。

 

だいじょうぶだ。日本にはあの”ISOROKU”がいる。

彼は必ず、ハワイを攻撃するだろう。

 

いやーーー!五十六さん、何をやろうとしてるの?!

 

ここから真珠湾攻撃に向けて、歴史が回り始めるのです。

 

 

余談ですが、五十六というお名前は、父親が56歳の時に生まれた子供だったから、という由来があるのは初めて知ったわ。(安易すぎるのだけどそうなのか?)

 

山本五十六も海軍で、悩みに悩み抜いていました。

何度となく、故郷の英雄、河井継之助に思いを馳せるシーンがあって胸がジンときちゃう。

「もし河井ならば、いまこの窮地をどのようにして切り抜けたことだろう」と。

 

五十六も河井継之助と同じように戦場で左足を負傷しており、自身と河井を重ね合わせて、越後の山々の姿を思い出しているのです。感動するなあ〜

 

 

真珠湾攻撃は咄嗟に出た作戦ではなく、何年も前から構想としてあったものなんですね。しかも、やるぞと決まってからも1年くらいかけて入念に準備しており、ふつうそんな時間があったら周りに漏れません?

物語の中でも、上海の酒場で「日本がハワイ攻撃するらしい」などとヨタ話として噂されていたりして、そこまで行ったらアメリカ国民とかにもバレてるんじゃ・・・真顔

 

そこはルーズベルトの命令で手を回して、側近以外には計画が絶対に漏れないようにしているのですけど。

 

ルーズベルトの思惑としては、空母は避難させ、老朽艦を中心にハワイに集結させ、傍受した日本の電信は上層部で握り潰し(パープルコードというが、日本が打ってる電信は全部解読されてバレバレでした。つら泣)さあどうぞとばかりに真珠湾攻撃させるんだそうです。

もちろんそれで犠牲になる兵士はいますが、「それぐらいの命なら安いもの」だそうで。(←ルーズベルトは徹底的に悪役である)

 

五十六さんは話に乗ったは乗ったが、単に言いなりになってるわけではないのですね。アメリカの度肝を抜くために、日本軍の意地を見せます。

作戦のことは細かく説明され、描写されているので、不謹慎ながら「おおすげえ」と思ってしまった。けっこう超絶技巧をするんですよ、飛行機乗りの兵士らが。

 

 

そもそもの開戦責任者は、松岡洋右と近衛文麿のような気がする・・・

あとは中国の蒋介石がひでえ奴だと思いました・・・

 

※あくまでフィクションですので!

 

 

〜おまけ〜

 

長岡出身の駐米大使・齋藤博と山本五十六のエピソードも描かれていました。

 

 

 

 

このお話も作品の中に盛り込まれており、興味深かったです。

(観光パンフレット「まんがふるさと長岡の先人」より)