平家物語アニメ 感想 | あだちたろうのパラノイアな本棚

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読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

最近お気に入りで見ていた、平家物語。
 
ふ〜
今日未明に最終回を迎えてしまった。
 
心にぽっかり穴が空いたようだ。これがロスってやつか。
 
諸行無常・・・
 
ちょっとご説明しますと、本来このアニメ、来年1月からフジテレビで放送するのだそうです。
が、FODで先行配信していたので、待ちきれなくてネットで観ておりました。
良かった。すごく良かった。
映像も綺麗だし、何より音楽が素晴らしい。
もともとの平家物語の筋は変えずに、登場人物たちの心情が細やかに描かれながら、合戦のシーンも迫力ある。
 
古典らしく作画は和風なんだけどちょっと遊び心もあって、髪型とかアクセサリーとか、モダンな感じに仕上げてあったりしてオシャレです。
 
ほんとにこれは良かった。おすすめだわ。
 
予告

 

 

感想を書きますが、何せ原作が800年も前の有名な古典のため、本筋に関してはネタバレが含まれます。

この長い長い物語を、よくコンパクトにまとめてあることよ。

 

「平家にあらずんば人にあらず」

こんな戯言が交わされるような、平清盛率いる平家一門の権力絶頂の時から、物語は始まります。

 
 
琵琶を弾いて語る「びわ」という名の少女が、架空のキャラとして全体の語り手になります。
びわには不思議な能力があり、未来が見える瞳を持っている。
 
 
前半の中心人物となるのが、平清盛の長男、重盛です。
CV櫻井孝宏さんだけど、雰囲気がわたしの大好きな『モノノ怪』っぽくてそれも良かったな。
(個人的に、櫻井さんの最高傑作はモノノ怪だと思っている)
 
実は重盛も不思議な瞳を持ち、尋常ならざるモノが見えるので、びわと心を通わせます。
 
しっかり者なんだけど超真面目で世渡り下手の重盛は、父・清盛入道と後白河法皇の板挟みになって、苦労の連続です。
 
重盛に感情移入し、可哀想…頑張って…などと思うのです、、
 
がっ!!
 
重盛〜〜!!
 
ああそうだった、この人は父よりも早く退場なさるのでした。
 
主役級の櫻井さん!
もういなくなっちまうのか。
 
なんてアッサリしているんだ〜
春の世の夢の如し!!
 
遺された重盛の子供たちにもそれぞれに焦点があてられます。
気弱な長男・維盛も可哀想だったけど、一番印象に残ったのは、素直な三男・清経。CV花江夏樹さん。
笛を愛する元気いっぱいの純粋な子なんですけど、平家が衰退し辛い経験をたくさんする中で、ちょっと鬱っぽくなって…
何とも悲しい道を進む。
泣く。ここ泣く。
 
そして、清経と仲の良かった敦盛の最期。
ここも泣く。
 
平家物語の中でも有名なシーンですよね。
そしてのちの時代に幸若舞になって織田信長が舞ったやつよね〜
 
 
 
あああ、
敦盛〜!!
(なんて映像が美しい)
 
 
そして、壇ノ浦の戦にて終焉。
 
終わった今、本当にボーッとしています。
 
わたしはもともと祇王と仏御前のエピソードも好きなので、それもしっかり描いてあるのが嬉しかったな。
ここに出てくる女たちは、凛として美しくもたくましい。
徳子もそうだし、祇王も仏御前も静御前も、二位尼も。
波の下にも都のさぶらふぞ・・・(ウッここも泣く)
 
 
たくましい女といえば。
 
敵方なのでちょっとしか出てきませんが、源頼朝と北条政子。
優柔不断で疑り深く、ちょっと頼りない頼朝をドヤしつける政子の関係。これは面白かった。
 
 
(グジグジしている頼朝に、アータ早くしなさいよという感じで政子がいつもけしかけています)
 
源義経は、CV梶裕貴さんでした。
梶さんの義経カッコいいなあ。
 
 
良き作品でございました。