港区汐留イタリア街の社労士の挑戦(社労士法人ビークライン) -19ページ目

港区汐留イタリア街の社労士の挑戦(社労士法人ビークライン)

社会保険労務士法人ビークラインの社労士橋爪亮が、様々な困難?に立ち向かっていく奮闘記!?です。

今日は雇用保険の手続きについて、お話をさせて頂きたいと思います~。


雇用保険の資格取得手続きは、建前上、資格を取得する日の属する月の

翌月10日が、手続きの期限となっております。

しかし、何かの理由で、雇用保険の資格取得手続きを失念していた場合、

過去に遡って、資格取得手続きをすることができます。


従来は、MAXで2年までしか遡れなかったのですが、

賃金台帳や給与明細等で、雇用保険料が天引きされていたことが

確認できれば、2年を超えての遡及加入も可能となりました。


具体的な手続き方法ですが、通常の手続き書類、添付書類に加えて、

「6ヶ月以上」遡る場合には、「遅延理由書」というものが必要となります。


●賃金台帳

●出勤簿

遅延理由書


ここでやっかいなのは、遡及で加入をする際に、年度をまたぐケースです。ガーン


労働保険料というのは、4/1~翌3/31迄の保険料を昨年度の賃金総額を元に

概算で前払いし、来年、3/31迄の賃金総額が確定してから、

概算保険料と確定した保険料を精算をするようなシステムになっています。

ですので、例えば現在(10/26)から今年の4/1迄遡る場合には、

来年、遡及分を賃金総額に含めて保険料の計算が出来る為、

特に保険料の追加納付等の手続きは必要ありません。


しかし、4/1より前に遡る場合には、昨年の4/1から今年の3/31迄分の

保険料は、今年の年度更新で精算済の為、遡及分の保険料を

支払っていないことになります。


例えばですが、現在(10/26)から今年の1/1迄遡って加入させる場合、

遡及して加入をさせる方の1/1~3/31迄に支払われた賃金を

雇用保険料の算定基礎賃金に含めて、保険料を再計算します。


具体的には、昨年度分の概算・確定保険料申告書の「確定」部分を

書き直した申告書を新規に作成し、申告書に「再確定申告」と朱書します。


併せて、「再確定申告理由書」という書類と、既に申告済の申告書写し、

確定保険料集計表(再確定分・誤申告分)、遡及して加入をさせた方の

賃金台帳、雇用保険資格取得確認通知書等を添付します。


そして、差額の保険料を納める形になります。

 

結論から申しますと、年度をまたいで雇用保険に遡及加入させるのは、

手続き的に大変面倒くさいショック!ので、忘れないように手続きをして下さいねビックリマーク






今日は退職後の就業制限について、お話をさせて頂きます。

よく就業規則に、下記のような規定がなされておりますが・・・。


第○条 退職後○年以内に会社の業務区域において、同種ないし類似の

      業務を行い、または同業他社に就業してはならない旨の特約を

      締結した者については、この特約により退職後の就業を制限する

      ことがある。


ポイントとなる部分を赤字にしてみましたが、皆さんご存知のとおり、

憲法において「職業選択の自由」が保障されているため、

その自由を制限することは、容易なことではありません。


まず、「○年」、「会社の業務区域」が赤字になっておりますが、

競業を禁止する期間や地域が限定されている必要があります。ひらめき電球

(不当に長い期間はNG)


「特約を締結」とありますが、就業規則に規定するだけでなく、

個別に念書や誓約書などを取り交わしておく必要があります。ひらめき電球


その他にも、その社員が立場上、会社のノウハウや技術等を

知りえた立場にあり、会社にも守るべき利益があることが要件となります。

ということは、会社内で、それなりの地位にあったことが必要となります。


最後の大きな関門ですが、判例等で、「代償措置の有無」が、

大きな要素となっています。

例えば、秘密保持手当が支給されている、退職金の割増等


もし競合避止義務に違反した場合には、退職金の減額、

損害賠償の請求、競業行為の差し止め請求等が可能ですが、

仮に上記の要件をすべて満たしていなくても、悪質と判断されれば、

十分に上記のような措置が可能であると考えられますので、

就業規則に退職後の就業制限について規定をしておくことを

お勧めいたします~。


就業規則についてはまたの機会に順次、

お話をさせて頂きたいと思いますビックリマーク






1年は早いもので、いよいよ年末調整の時期が近づいてまいりました・・・。メラメラ


今日は退職金の税額計算について、お話をさせて頂きたいと思います。

税額計算にあたり、「退職所得」を算出しますが、支給金額とイコールと

いうわけではありません(退職金は税制上、とても優遇されています)。


勤続年数に応じて、退職所得控除金額を算出し、その金額を退職金支給額から

差し引いたものをさらに1/2したものが、退職所得になります。


●退職所得控除

・勤続年数20年以下⇒40万円×勤続年数

・勤続年数20年超  ⇒800万円+{70万円×(勤続年数-20年)}


※1年未満の端数があるときは、1年に切り上げて勤続年数を計算します。


【所得税の税率】

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm (国税庁HPより)


【住民税の税率】

区市町村民税額=退職所得金額×6%×0.9
都道府県民税額=退職所得金額×4%×0.9


それでは、質問です。例えば退職金制度が、その会社に勤務している途中で

新設された場合で、退職金の計算根拠となる勤続年数が

退職金制度が創設された時からカウントされている場合、

退職所得控除の計算根拠となる勤続年数のカウントは、


退職金制度が創設された時からはてなマークそれとも入社日(=勤務開始日)からはてなマーク


答えは、入社日(=勤務開始日)からです。ひらめき電球(所基通30-6)


というわけで、退職金計算の根拠となる勤続年数と、退職所得控除を

算出する際の勤続年数とは、必ずしもイコールとはなりません。


例えばですが、育児休職や傷病休職期間を、退職金額を算出する際の

勤続年数から、規程等で定めることにより除外することは可能ですが、

退職所得控除を算出する為の勤続年数には、含めてカウントすることが

できますので、本人には有利となります。(所基通30-7)


退職金を支払った際の手続きに関しては、またの機会に~。