クルンテープの裏庭で 3 | クルンテープの裏庭で 2

クルンテープの裏庭で 2

バンコクやパタヤの裏庭で遊び歩いて考えたことを自分勝手に…

もう朝とは言えない時間になっていた


今日は、ボクを連れて行きたいところがある

とノックが言うので

タクシーに乗って移動することにした

シーロム通りからトールウエイにのって郊外に向かう


しばらくして目的地に着いた

「チケット売り場では、しゃべっちゃダメだよ
僕がチケットを買うから」
ノックは100バーツをよこせと言い
チケットを買いに行った

「ナツは、タイ人に似ているから大丈夫さ」
ノックはニヤニヤと首を竦め、オレの手を引く

わざわざ外人料金で入ることもないか
チケットもぎりのおばさんと、二言三言話してから
オレに笑いかけて、前を進んでいく


「あれに乗ろうよ」

池のボート乗り場に連れて行かれた
ノックは、とにかく元気だ
どうして、そんなにはしゃぐことができるのか
もう20歳なのに、とても子供っぽい

しかも、こんなとこに来て白鳥さんかい
男二人で・・・
暑さの中、さんざん歩き回りぐったりしたオレは
能動的に何かをするという状態ではなかった


「オレだけにペダルを漕がせるなよ」
「ナツは大人でしょ」
「オレは、疲れてるんだよ」
「スマイル、スマイル」

オレの足を揉むしぐさをしながら、ノックが笑う


「もっと奥に行くとステージもあるんだ」

ぼくは、そのステージで歌ってたんだよ」
「へぇ~。本当?」
「歌手になりたかったんだ

だから大学に行かなかった
でも、給料安くって・・・
だから、あのバーで働き始めたんだ」

「家に帰れば良かったじゃないか
金持ちなんだろ

大学に行けるだろ」
「親とケンカして家出した」
「謝れば、今からでもいいだろ」

「父さんは、ぼくがゲイなのが嫌なんだ
だから、ケンカした」


知らなければ、知らないでいいこともある
何もできないなら、知らない方がいいのかもしれない



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