かつて書店の児童書コーナーで息子が「テンテンゴー、テンテンゴー」とハイテンションで手放さなかった絵本で、仕方なく購入。しかし、読んでみると、ある有名なマザーグースのパロディになっており大人でも楽しめた。
本書には小さなかわいらしいてんとう虫のおもちゃが10匹くっついており、触ることができる。しかし、このかわいらしいてんとう虫がページをめくるごとに減っていくのである。
てんとうむし 10ぴき おきだしてくると、
ちょうちょがやってきて 1ぴき きえた・・・・・・。
てんとうむし 9ひき はっぱを たべていると、
いもむしが やってきて 1ぴき きえた・・・・・・。
てんとうむし 8ひき あそんでいると、
ことりが やってきて 1ぴき きえた・・・・・・。
こどもにはこの感触が楽しいみたいで、飽きずに触りまくる。一匹一匹減っていくてんとう虫にサスペンスを感じるようになるにはもう少し時間がいるようだ。
英タイトルTen little ladybugs。つまり、Ten little Indiansのパロディになっている。ミステリ読みにとっては大変有名なマザーグースの一編なので、我が子ながら本選びにセンスの良さを感じた(親バカ)。
てんとう虫は日本でも海外でも縁起のいい虫として扱われている。英語のladyは聖母マリアのことを指し「聖母の虫」という意味をもっているようだ。小さく弱い昆虫なのに自然界では天敵がほとんどいない。理由は超不味いから。
危険を感じたてんとう虫は、関節から有毒のアルカロイドを含む苦い汁をだす。鳥や爬虫類は、それを経験上知っている。だから、不味いてんとう虫をわざわざ食べることはしない。てんとう虫は「不味い虫がここにいるよ」とあえてアピールすることで、食べられないようにしているらしい。
ということは、10匹のてんとうむしは? そーいうことです。安心してください。