次のアニバーサリーへ、その次のアニバーサリーへ | 読んだらすぐに忘れる

読んだらすぐに忘れる

とりとめもない感想を備忘記録的に書いています。



週刊文春連載の全66篇のエッセイがまとまると結構な分量だ。思っていた以上に厚いので、驚いた。(そういえば、クンデラがお亡くなりなったそうですね)



小学生の頃「エロティカ・セブン」を聞いて、ファンになった。ライブも行けるなら行くようにしている。特に5年毎のアニバーサリーは30周年から欠かさないようにしている。サザンや桑田佳祐のファンでよかったなと思うのは、色々なジャンルの音楽を知るきっかけになったこと。桑田佳祐が好きだという昔の歌謡曲やフォークソング、ロックやジャズは、聴くうちに好きになった。音楽寅さん、夷撫悶汰のレイト・ショー、ひとり紅白歌合戦なんかはたまに録画やDVDを見返したりする。美空ひばり「車屋さん」、尾崎紀世彦「また逢う日まで」、浅川マキ「かもめ」、丸山明宏「ヨイトマケの唄」、ちあきなおみ「喝采」のような名曲も桑田さんを通して知った。今、10代、20代で昭和歌謡が流行っているようだが、分かる気がする。いいものは何度も復活する。「やさしい夜遊び」のオープニングのジングルは昔ピンク・フロイドの「原子心母」だったことから有名どころのプログレも聞いたりした。社会人になってからオジサンたちとカラオケに行っても困ることがなかったというオマケもあった。


サザンや桑田佳祐のライブを行ったこと、観たことある人なら知っていると思うが、この人は本当に「ありがとう」と感謝の言葉を連発する。ファン、スタッフ、メンバーへとにかく感謝しまくる。いまや大御所の域に入っているのに、自分はただ周りに支えられ、運良くここまで来る事ができたと語る人柄の良さが多くの人を惹き付けるのだろう。このエッセイでも感謝の言葉が頻繁にでてくる。


当時御年64歳のミュージシャンは「頭もアソコも元気なうちに、言いたい事を言っておきたい!」と週刊文春に心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくる。語り口や()の中の独り言、合いの手、ツッコミは土曜日の夜に流れる「やさしい夜遊び」を聴く感覚だ。実際に「やさしい夜遊び」で語った内容も含まれている。いい話や真面目な話のあとに「マンピーヅラ」をつけたライブ写真載っけるあたりも桑田さんらしい。
子供時代の音楽の思い出、作詞作曲の秘密、趣味のボーリング、家族や友人たちとの一コマ、内側からみた芸能史、音楽史が面白い。最終回の生涯現役宣言は嬉しい限り。



いままでファンクラブに入らずにいたが、あと何回この人たちのパフォーマンスが見れるのか、わからないので、満を持してSASファンクラブに入会。

そして今日、家族でここにいます。


中秋の名月はすぎたけれど、月も綺麗で最高の空間だった。次の、さらに次のアニバーサリーでまたお会いしましょう。