第48回衆院選雑感 | 独立直観 BJ24649のブログ

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 愛知3区、池田佳隆氏(自民党)が小選挙区で破れた。

 比例復活したものの、残念だった。

 当選した近藤昭一(立憲民主党)との票差は約22000(http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/kaihyou/ya23.html#k003)。

 前回の総選挙では、共産党が約22000票を取っていた(http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/kaihyou/ya23/)。

 今回の総選挙では共産党は候補者を出さなかった。

 単純に見れば、共産票22000が近藤に転がり込み、民共共闘が功を奏した格好だ。

 ただし、次世代の党が候補者を立てた前回と異なり、今回は保守の票割れはあまり起きなかっただろう。

 また、余語冴耶香氏(希望の党)は、保守票を池田氏と食い合うというより、反自民票を近藤と食い合ったのではないかと思う(根拠は特にない。)。

 池田氏は保守票を集め、他方で近藤は票割れを起こしていたにもかかわらず勝ったと考えると、なかなか厳しい結果だったように思う。

 

 

 

 定数が10削減された中、自民党は議席を維持した。

 自民党で単独過半数、自公合わせて「3分の2」超え。

 そして国政選挙5連勝。

 自民党の圧勝と言ってよいのだろう。

 

 

 

「自民284議席獲得 選挙前に並ぶ」 NHKニュースウェブ2017年10月23日

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171023/k10011194391000.html

 

「衆議院選挙の沖縄4区は、台風21号の影響で、23日、選挙区内の南城市の開票作業が行われ、自民党の前議員、西銘恒三郎氏の5回目の当選が確実になりました。これによって、自民党の獲得議席は、選挙前の284議席にならびました。


今回の衆議院選挙は、465議席のうち、これまでに461議席が決まっていますが、台風21号の影響で、開票作業ができなかった自治体が選挙区にある沖縄4区と佐賀2区、それに、比例代表九州ブロックの2議席のあわせて4議席は確定していません。

このうち、沖縄4区では、23日に延期された選挙区内の南城市の開票作業が行われた結果、自民党の前議員、西銘恒三郎氏の5回目の当選が確実になりました。

これによって、自民党の獲得議席は、追加公認した3人を含め、小選挙区で218議席、比例代表で66議席の合わせて284議席となり、選挙前の議席に並びました。」

 

「自民圧勝、与党310超…立憲民主が野党第1党」 読売オンライン2017年10月23日

http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/news/20171022-OYT1T50050.html

 

今回、衆院の総定数は前回より10減り、戦後最少の465(小選挙区選289、比例選176)で行われた。

 

https://twitter.com/matsuda0726/status/922667421441208321


 

 

 

 ここまでの自民党圧勝は予想外ではあった。

 リブログ元の記事では、二階俊博自民党幹事長の「緊急通達」が指摘されている(https://ameblo.jp/akiran1969/entry-12322456686.html)。

 また、マスメディアでも指摘されているように、希望の党の失速は大きかった。

 希望の党は、都議選で圧勝した都民ファーストの会と比べると、公明党・連合の支援を失った上に、無党派層からも見放されたため、失速したのではないか。

 もともと公明党は国政では自民党と連携する意志であったところ、小池百合子代表としては自公切り崩しを図ったのだろうが、「首班指名は山口那津男」発言が裏目に出て、かえって自公の結束を強めてしまったのではないかと思う(http://www.sankei.com/politics/news/170926/plt1709260083-n1.html)。

 また、小池代表は民進党の丸呑みを避け、「左派排除」発言が出た(http://www.sankei.com/politics/news/171022/plt1710220088-n1.html)。小池代表は独自候補を立てることに拘り、連合と候補者の調整も付かなかった(https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101801259&g=pol)。連合への根回しを怠り、連合の支援も失っていったのだろう。

 小池代表は自らの失策で希望の党を劣勢にしてしまった。政権奪取の勝ち目がなくなり、小池代表は自らの立候補を断念したのだろう。すると、小池代表になんとなく期待感を持っていた人も、「なんだよ小池さん。期待させておいて選挙に出ないのかよ」と、冷めてしまっただろう。小池代表は「もり・かけ」と反安倍を叫んでみたものの、その路線では立憲民主党の方に分があり、支持の拡大には繋がらなかったのではないかと思う(http://www.sankei.com/politics/news/171024/plt1710240004-n1.html)。

 選挙は候補者がいても票がなくては勝てない。

 組織票も浮動票も逃し、希望の党は、政権奪取どころか、選挙前よりも議席を減らす結果となったのだと思う。

 

 

 

 反安倍野党やマスメディアは森友学園問題や加計学園問題で政権不信を煽ったが、選挙結果にはその効果は特に現れなかった(これがなければ与党がもっと大勝していたかもしれないが)。

 結局、「もり・かけ」と騒げば反安倍野党やマスメディアは商売になって旨い蕎麦を食えるけど、庶民はそんなことで騒いでも暮らしぶりはよくならず旨い蕎麦を食えない、といった具合に、反安倍野党・マスメディアと民意との間に乖離が起きているのではないか。

 他方で安倍政権は雇用・賃金を改善し、より広く庶民の口に旨い蕎麦が入るように政権運営している。安倍政権の方が民意に近いところにいる。

 「野党が酷すぎる」という視聴者の声に対して田原総一朗が激怒したが、これは象徴的だと思う(http://www.sankei.com/politics/news/171024/plt1710240028-n1.html)。

 

 

 

 かつて、占領統治において、「憲法よりも米だ」「憲法よりメシだ」と言われた。

 戦争の傷が癒えず、庶民が食うにも困る有様では、憲法論議どころではなかった。

 翻って、今、どうだろう。

 憲法改正をしたい安倍政権が長期デフレ不況で苦しむ「憲法より米・メシ」の国民の声を聞き、憲法改正に反対する反安倍野党・マスメディアがデフレ脱却の問題意識を欠いて「米・メシより憲法」になってしまっているのではないか。

 憲法改正阻止のために安倍を倒して「米・メシ」抜きの生活に耐えろと言わんばかりの観念的な護憲論者が、果たして庶民の支持を得られるのか。年金生活者など、固定収入のある者くらいしか支持できないのではないか。そして、この世代はかつて安保闘争をしていた世代と重なる。実際に立憲民主党は高齢層の支持率が高い(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22561000S7A021C1EA2000/)。

 第一次内閣では、安倍総理大臣も「戦後レジームからの脱却」「美しい国」といった観念的な側面が強かったが、第二次内閣以降は修正し、「憲法より米・メシ」の国民の声に応え、憲法改正への下地を作っているように思う。

 

 

 

倉山満 「誰が殺した?日本国憲法!」(講談社、2011年) 131ページ

 

「 かなり誤解されているのですが、日本国憲法は日本国民の投票によって制定されたのではありません。大日本帝国憲法の改正手続きによって制定されたのです。

 天皇が内閣の輔弼により発議し、衆議院と貴族院で審議し、天皇臨席の枢密院で承認されて、昭和二一年(一九四六年)一一月三日に交付、翌年五月三日に施行されました。

 結果的に国民が審判を下す機会は昭和二一年四月の総選挙だけでした。その時のスローガンは「憲法よりも米」でした。敗戦直後の混乱と飢餓の中では、生活に追われる国民には憲法はほとんど話題になりませんでした。そして、誤植も含めて一字一句変えずに、今に至っています。明らかな誤植というのは、憲法第七条第四項の「国会議員の総選挙」です。衆参同日選挙になっても、参議院議員の半数は必ず残るので、「総」選挙はありえないのです。」

 

 

 

衆議院憲法審査会事務局 「「日本国憲法の制定過程」に関する資料 平成28年11月」

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/shukenshi090.pdf/$File/shukenshi090.pdf[6ページ脚注10]

 

「 この総選挙は国民が憲法改正問題(3 月 6 日に公表された「憲法改正草案要綱」)に関する国民の意思を表明する機会であると期待されていたのであったが、この総選挙が現実にこのような期待にこたえるものであったかどうかに関しては、「当時、国民の第一の関心は当面の生活問題であり(「憲法よりメシだ」ということばが、当時、いわば流行語として唱えられていた)、少なくとも総選挙の題目としては、憲法改正問題は大きく取り上げられてはいなかった」とされる。
この総選挙における選挙公報においてどの程度に憲法改正問題が取り上げられていたかについて、内閣の憲法調査会が行った調査の結果は以下のとおりである(この調査は、一定の抽出基準により北海道第 1区、福島県、茨城県、静岡県、大阪府第 1 区、広島県、愛媛県及び福岡県第 1 区の立候補者のうち、選挙公報の現存する 535 人の公報所載の政見について調査したもの)。
1 憲法改正草案要綱に触れているもの…17.4%(内訳:イ「要綱」支持 12.3%、ロ 「要綱」反対 1.0%、ハ 支持・反対の明らかでないもの 4.1%)
2 憲法改正草案要綱に触れていないもの…82.6%(内訳:イ 要綱に触れていないが、憲法改正には触れているもの 16.1%、ロ 要綱にも憲法改正にも触れていないもの 66.5%)
佐藤達夫著・佐藤功補訂『日本国憲法成立史 第 3 巻』(有斐閣、1994 年)361-362 頁。」

 

 

 

 反安倍野党・マスメディアは、今後も森友学園問題・加計学園問題を追及するのだろうか。

 確かに、この追及で内閣支持率を下げることはできる。

 しかし、追及する彼らの支持率もまた上がらない。

 反安倍野党・マスメディアを尻目に、安倍政権は国難への対応を着々と進める(http://www.sankei.com/politics/news/171023/plt1710230105-n1.htmlhttps://twitter.com/usembassytokyo/status/922998957323649024)。

 今回の総選挙の結果を受け、安倍総理大臣の自民党総裁3選はかなり固くなっただろう。

 消費税再増税を巡ってもう一悶着ありそうだが、そこを乗り越えて、憲法改正への道筋をつけてほしい(https://ameblo.jp/tokyo-kouhatsu-bando/entry-12313034830.html)。