心の教え | ビバークラジオ

ビバークラジオ

心の曠野で開局する小さな放送局です。
日常の些事の中に
日々溢れ出る話題の中に
MAXIM(名言・金言・箴言・格言・処世術)の中に
映画や小説、音楽や1枚の写真の中に

この局が、暗夜を照らす一燈の役割を
少しでも果たすことが出来れば幸いです。合掌

ごきげんよう

 

数日前のことです。

相棒(雌のボーダーコリー)といつものように墓地庭園を散歩している時に
突然思い出したのです。



彼とは随分とながく親しい友人でした ・ ・ ・




共通の趣味であったツーリングとテント内での宴会。


何より敗北文学を愛する読書の傾倒までもがわたしと似ていました。



何度も鉄馬(わたしの愛馬は1,972年製の1,340CCビンテージ、ハーレーFLH
彼はYAMAHAのXJ750Aのカスタム)を駆り、名もない原野にオートバイを停め
テントを張る。
そして、即席の居酒屋を作って酒を酌み交わす。



我々のツーリングのスタイルは決して一緒に走らないこと。

現地集合、現地解散これが掟です。


独りでは寂しく、二人だと人数オーバーなのです。




お互いに酔いが回ると話しに熱中し、湯煎する動作も惜しみ
ステンレスの鍋に直接酒を注ぎ、愛着のあるホエーブスのコンロ(No.625)で
温めて呑んだことが本当に懐かしい。



彼と疎遠になったのは、残念なことに彼が某宗教団体へ
加入してしまったことでした。


残念 ・ ・ ・ と私は記した。


勿論、其れはわたし側の勝手な言い分であり
彼にとっては芥川龍之介氏の「蜘蛛の糸」に違いありません。





彼の入信の動機は単純なものだったのです。


当時、彼が勤める企業のオーナーの逆鱗に触れ突然の解雇。

彼はオーナーの人権を軽視した暴挙を許せなかったのです。

堂々と諫言したという訳です。


此処までは素晴らしい。

 

自分の信念を曲げてまで服従しなければならない価値など
此の世の仮想空間には存在しない。


其の後、1年以上も無職による貧乏という辛酸を味わったことで
彼は、彼が歩んできた道を替えた。

其れは決して悪いことじゃない。

「強いものが生き残ったんじゃない。

 環境に適応したものが生き残ったのだ」

 
と説いたダーウィンの名著「進化論」を彼は実践したまでのことです。





彼の生活に逼迫した惨状に手を差し伸べた者があったのです。


某宗教団体の幹部であり、某政党所属の地方議員。


当時無職だった彼に「入信したなら、就職を斡旋してやる」と撒き餌をしたのです。


 就職先がなく生活に窮する彼は、方便としてその餌に飛び付いた。


当初は、それだけのことだった。




宗教の宗の字には、心という意味があるそうです。

宗教とはつまり、心の教えということでしょう。

心が追い詰められた時、宗教に関わることで救われるのであれば

それは素晴らしいことです。


でも其の一方で、甘美な言葉の羅列に洗脳され人生の根幹そのものを
狂わされるケースが如何に多いことか。

わたしが認識する新興宗教の危険性は次の3つです。


1)詭弁を弄した理屈と組織的監視で他の選択肢と比較検討する道

   つまり考える行為を奪うこと。
  
  
  日々の行動を細かく提示指示し、文字や映像や言葉を浴びせることで

  考える余地を与えない。

  
  しかし、その挙句に弱視の方や認知症を患っている方へも書物を提示したところで
  一体何になるのか ・ ・ ・ 最終的には金。

   
2)踏み絵の意味を込めて、細かな戒律を提示し服従の形を作ること。

    理想としては高額な資産や金を寄付、入会金との名目で一括請求するか
  出版物の購読など毎月経費を計上させ、後戻りのできない域に一気に
  引き込むこと。
  


  あの経文は唱えてはならない ・ ・ ・

  合掌してはならない ・ ・ ・

  そうして、夜伽にまで戒律に従わせる教団も在るとは狂気の沙汰です。

 

  滑稽です。



  排他的であることは、自身の弱さの証明でしかありません。

 
3)全く土俵の違う政治の世界へ引き込み、人を捨て駒として利用すること。
   


  宗教と政治

 

  同一世界で論じられないことが何故分からないのか ・ ・ ・



人はそれぞれに、自身の信念に基づいて生きていく。
他者が立ち入ってよい部分ではないのは承知しています。


 わたしは彼に二点だけお願いをしました。


わたしに対して宗教団体への勧誘を絶対に行わないこと。

総選挙時、私に対して投票の懇願や其れに準ずる著名等の
要求は絶対しないこと。


 だが、その後会う度に豹変していく彼の姿に
 宗教の恐ろしさと人間の弱さを実感した次第です。




顔つき表情の変化


使う語彙の変貌


従順という軽薄 ・ ・ ・

     



行き着いた言葉は次の二つです。




「人間は最も恐ろしい猛獣であり

 しかも、同じ種族を組織的に餌食にする

 唯一の猛獣である           」


        ウィリアム・ジェームズ

                                                  

「崇高な魂には、伝染はおこらない。

 高い思想や感情は、其れが存在すること自体において

 既に孤立している                」


           オスカー・ワイルド 


それではまた、お会いしましょう

 

ごきげんよう

   

 

ホームセンターから180円で購入したエアープランツが

20年の歳月をかけて花を咲かせてくれました。

 

タネも沢山作ってくれたのです。

 

その一つ一つの命を大切に育んで

彼らが思春期を迎えた頃に

他の草花と同じように知人へ分けてあげたいと考えています。