羊の皮を被った羊 | ビバークラジオ

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少しでも果たすことが出来れば幸いです。合掌

ごきげんよう

 

愛用のシステム手帖を整理していたら

数年前に書いた手記を見つけました。

 

これは大阪で棲息していた時の話しです。

 

懐かしさと自身への戒めの意味を込めて転記します。

 

 

 

友人である高名な女流作家M女史と画家であるご主人と三人で
食事をする機会を得ました。

 

そこで大変興味深いお話しを聞かせていただきました。

 

人間は詰まるところ4つの生き物に分類されるのではないか
というのです。

 

一つめの生き物は人間で、群れ(他の生き物)を治め
管理する立場の者。

結局、この人間が歴史を創り、動かし、他の生き物の
生命、思想、財貨までをも握っている。

 

二つめの生き物は犬で、人間の命令には絶対服従で忠実。

人間の命令にただ服従している身に過ぎないのに
自身は主体的な生き方をしているんだと自負している。

 

三つめの生き物は羊で、忠実な犬(番犬)の威嚇に右だ左だと
束ねられている集団。

この種の構成比が一番多いにもかかわらずに、間接的に人間に
搾取され時には命懸けの運命を負わせられたりします。

 

小生、このくだりをお聞きしマキャベリの語録を思い出しました。

 

「民衆の持つ本来の性質が

 良いものであるか

 または悪いものであるかを議論することは

 たいして重要なことではない」

 

「民衆への対処の仕方は

 寛大な態度でのぞむか

 それとも強圧的に対するかの

 どちらかでなくてはならない」

 

四つめの生き物は狼です。
小さなコロニーを作ったりしますが、基本的には一匹であることを
その生き方のポリシーとしている。

群れない ・ ・ ・ 頼らない ・ ・ ・ 同化しない ・ ・ ・

 

確か「群れない、慣れない、頼らない」と語ったのは
画家の堀 文子女史であったな ・ ・ ・

 

わたしは心の中で、自分は羊の皮を被った狼だな、などと
酔いに任せて歴代の名車「スカイライン」のコピーが
浮かんだ矢先、画家のM氏がわたしの方をちらりと一瞥してから
ピシャリと言い放った。

 

「大多数の人は、自分は羊の皮を被って演技していると
 考えるんだけれども」

 

そして、グラスの赤ワインを一気に飲み干してから話しを締めた。

 

羊の皮を脱いでも、結局は羊なんだよ。

 

 気付いていないのは自分だけということなんだな ・ ・ ・」

 

 

それではまた、お会いしましょう

 

ごきげんよう

 

 

     

 

     いつも訪れる墓地庭園の夕刻の空です。

 

 

     フェニックスだっ!!

 

     寿命を迎えると燃え上がる炎に自ら飛び込んで死に、再び蘇る

 

     不死鳥 ・ ・ ・ 火の鳥 ・ ・ ・

 

 

     空を見上げながら考えたのですが

 

     この不死鳥の行為は蟹や海老や蛇などが行う

     脱皮と同じことなのではないか?

 

     エジプトの人たちがピラミッドの壁画に表したのは

     不死身を切望したのではなく、定期的に古い躯(むくろ、考え方)を

     脱ぎ棄て、人は常に成長し続け、結果として新しい考え方や生き様を

     得続けなければならないという、理想とする生き方の象徴としたのでは

     ないでしょうか?

     (これは勝手なわたしの解釈であり歴史的な背景や文献を参考にしたものではないことをお断りしておきます)