宇宙刑事ギャバン | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

連投3つめ!今日はこれが最後。そして最長(笑)


繰り返し書くようだけど、僕は根っからの東映ヒーローファンであり、「宇宙刑事」はともに(勝手に)青春を駆け抜けたヒーローだった。


その憧憬から「時空刑事」なるヒーローを創り、その際に(なぜか)東映本社にご挨拶にまで行った。

Sさんに「お互い頑張りましょう」と言われた事を今も忘れない。

そしてその言葉に縋り、今も「時空刑事」を創っている。


「宇宙刑事ギャバン」が去年「ゴーカイジャー」のゲストとして銀幕に復活(というか初登場)!当時はその事実だけに胸躍らせた。

当時の記事にも書いたけど、ギャバンの…烈ちゃんのちょっとした行動や微妙に違う演出のタイミングの違いが妙に気になった…ぐらいで、自分の中でも喝采を持って受け入れられた。


そして先日、満を持して公開された「宇宙刑事ギャバンthe movie」

すみません。

試写を観せてもらった立場上、基本提灯記事しか書いてはいけない(ということ自体が問題発言?)んですが、一応、イチファンとして思った事書いておきます。


あ!ねたバレ注意!でもあります。


これは監督のはしくれの畑澤某ではなく、30年前彼ら(宇宙刑事たち)に救われた少年の挫言です。


少年が30年後再会した「宇宙刑事ギャバン」は別の人だった。

2代目が出てくるから…という訳ではなく。

これが感想。


今回の映画のテーマ?は大人向けらしく(苦笑)「恋愛」である。

宇宙刑事シリーズにはいちばん不似合いなテーマだとまず感じる。


新ギャバン(に既になっている青年)は「俺は大切な人(女)を守りたくて宇宙刑事になった!」と旧ギャバン(?)に断言する。

旧ギャバン(?)はそんな彼を叱咤する。

「そんな事でいいのか?個人の感情は捨てて、地球のために、宇宙のために戦うのが宇宙刑事だ!」…と叱咤してくれるんだと(勝手に)思い込んでいたが

「女ひとり守れなくて、何が宇宙刑事だ!」と叱咤するのである。


かつて「宇宙刑事」の原作者と言える上原正三さんが「宇宙刑事は道端に咲く花一輪に命をかける」と語っておられた。

若かった僕はその意味がわからず、もしかしたら「好きな女を守るために命をかける」方に素直に感情移入できたかもしれない。


でも、宇宙最強の力をその責任と共に託された個人である宇宙刑事は、見知らぬ人や、花や木でも災難に合っているいるものは助ける!ものなのだ。


自分自身と周辺の人たちのために戦う最近の仮面ライダーや、そもそも正義のための戦いができない時空刑事とは違うのだ。


そして…前も書いたけど「ギャバン」はお父さんが息子につけた「本名」なんだから。しかも本人は現役で活躍中なのに名前を譲っちゃイカンでしょ?


こんな風に感じてしまったのは僕だけかもしれない。

音楽のアレンジやアクション、演出が違うのとかは、もはやどうでもいい(気にならない)。

伊賀電や沢村大がいなかった事になっている(シャリバン、シャイダーが二代目だという説明は劇中に一切ない)事も、本作そのものには関係ない(当事者の気持ちを考えると遺憾ではあるけど)…というか作劇上二人とも出る必要はまったくない。


それより!


「仮面ライダー」が昭和の放映本数をはるかに越え、もはや別のキャラクターとして生きている(そしてそれはそれとして面白いと思って観ている)のに比べ、「宇宙刑事」はかつての主役をそのままの役(名)で引っ張り出し、そのままの姿で「復活」させたのだから…

キャラクターが持っていたスピリッツもちゃんと継承して欲しかった…と思います。


「そうさ誰より強くやさしい♪スーパーヒーローぼくらのギャバン!」を!


十分継承してたじゃないか!?という意見も多いでしょう。

願わくば僕も続編…テレビシリーズと続いて欲しいと思います。


でも、(今の)「仮面ライダー」と違うヒーローにしないと、もはや見た目はメタルヒーローも仮面ライダーも同じなんだから(笑)。意味無いと思いますよ。


僕も微力ながら作品を発表している立場だし、あまり余所の作品の評価的な事は書きたくないんだけど、

今回ばかりは書かずにいられませんでした。

関係者の方(は読んでないと思うけど)、ファンの方、気を悪くされたらごめんなさい。


でも、俺はこの映画を観て「頑張らなきゃ!」と思ったよ。

「ジャンパーソン」観て、「頑張らなきゃ!」と思ったように(笑)。