「上演時間が長くなるのでダメです!」
「印刷台本通りにお願いします!」
…というプロデューサー諸氏の当然の意見をねじ伏せて(笑)作った日替わりゲスト脚本。
基本、アリスインフォーマットでは「同じ役を違う(有名)有名タレントが演じてもらい、演じ分けを楽しむ」ものらしい。
お客さんにも毎回同じレギュレーションのものをお見せする、というのが演劇の基本…だというのもわかる。
照明、音響も合わせて変えなきゃいけないし、当然絡む役者の負担も増える。
でも、稽古開始後、中国で
完成台本を何度も読み直してみて、まだまだ新キャラ、新主役である「チームプレアード」の描写が弱いと思った。
それで、「付け足した」のがゲスト台本です。
完全日替わりに出来なくて残念。僕の中では「リタ専用」そして「コルネイユ専用』台本もあったんだけど。
すべてそれぞれのヴェッカーの過去にだけ存在する。
演劇で回想シーンをやるのはこれまたタブーだという。
だからやってみた(笑)
自分の中でのタブーも破った。ヴェッカー役は違う役者には演らせない、という。
時空刑事アルシオーネ。合計3人が同じ役を演じた。
奈津子&亜希子さん
時空刑事アルシオーネ(本名星川茉莉依)。かつてのプレアとリタの同僚。
女の子戦隊的には主人公カラーであるピンクを与え、本来なら主人公だったアルシオーネ。
プレアデス星団でいちばん輝く星、だしね。
ヴェッカーの基本テーマのおさらい(初めて見る人にはこういう話だとわかってもらう)エピソード。
優秀な時空刑事でありながら、目の前で大勢の子供たちが死ぬのを見て、それを止められない、止めてはならない時空刑事の任務に疑問を感じ、「そんな事わかってて時空刑事になったはずでしょ?」と問うプレアに「教えられて知っているのと自分で知るのは違うんだよ!」と答え、子供たちを救おうと時空犯罪を犯す…という役柄。
最終的にはプレアのクロノブラスターをアレスト(逮捕)モードから殺傷モードに密かに切り替え、親友プレアに「背中から撃たれて」死ぬ。
この難しく濃密(冒頭にアクションもある!)な役柄を、3人それぞれの解釈で演じてくれました。
森田さんは「シンケンジャー」のイメージがこのブログ読者さんには強いと思うけど、もともと「本編の」主人公ヴェッカーにしようとしていた方。(リタ役ではないよ)
現在撮影中の(情報解禁されたら奇跡のコラボ!と思わせるハズの)映画撮影ともろ被りのスケジュールだった為、完全に諦めていた(ので、リタ主人公の現在のチームになりました)んだけど、「ゲスト出演ならなんとか」という事で撮影の合間をぬって出てもらった。
もちろんお会いするのは初めてだったけど、台詞を覚えるより、役を理解する、役を掴む方が大事、と思っていたようで、自分の中でかなり試行錯誤していたよう。
ホントに短い稽古時間にも関わらず、アクションもソツなくこなしてました。
彼女なりの空気感で不思議な雰囲気をまとったアルシオーネになったと思う。
亜希子&奈津子さんは元SDN48の双子アイドル。
「長い夏、短い秋」と覚えてください、と本人たち談の通り、長い髪の方が奈津子、短い髪の方が亜希子。
それぐらいそっくり同じ顔のお二人。
でも、稽古してみたら、二人でまったくお芝居が違う!
別人(お二人も別人ですが)である森田さんが演るより違っていた。
元気で明るく、自信満々な亜希子さん、しっとりして、感情表現が細やかな奈津子さん。
同じ台詞を言ってるのに、動きが全然違う。
合わせて絡むリタとプレアの動きも変わった。
これが同じ役を複数でやる面白さか!と初めてわかった(笑)。
しかし本番直前に「風疹」にかかり、お二人とも出演が絶望的になった。
本番当日、奈津子さんだけがなんとか舞台に立てるぐらいに回復し、「妹の分まで頑張ります!」とふらふらしながらも立派に難しいアルシオーネを演じてくれた。
二人ともレギュラーのみんなと同等に、いやそれ以上に役を愛してくれていた。
亜希子さんの悔しさを思うと、今でも泣けてくる。
舞台に立つ奈津子さんは、まるで亜希子さんと融合したかのように、細やかで繊細でありながら大胆で買活発なお芝居を見せてくれた。
プレア、リタもものすごく熱の入ったお芝居をしてくれた。
全編の中でも思い出深い、いいシーンになったと思います。
奈津子さんが演じるアルシオーネも、いつか見られますよう。