久しぶりに「時空警察ハイペリオンthemovie」観ました。
あまり自作を観直す事はないのですが、先日お伝えした通りサンライズさんと作品を創らせてもらうにあたり、あらためて「監督」としての畑澤の力量をみるために、一応最新作・代表作である「ハイペリオン」をプロデューサーさんたちが「客観的に」ご覧になった訳です。
前にも一度観ているそうなんですが(ちゃんとDVDを「購入」して頂いてます)、今回はプロとして、作り手として、真剣に再見して頂きました。それで自分も観た訳ですね。
はい。針の筵でした(^_^;)
主に演出面ではアングルだとかカメラワークに関して。文芸面でも不要な説明台詞の多さやキャラクター描写のちぐはぐさなど…
もう、「これでもか!」というぐらいの指摘をされました。
「言い訳」をするならば、ほとんどのご指摘は「予算=時間」で解決出来た事でした。
「時空警察ハイペリオン」という映画の制作にあたっての目標は「完成させる事」でしたから。…そんな当たり前のことを!?と奇異に思われるかもですが、きめられた条件、限られた予算、変えられないスケジュール…そんな「条件」の中で、なんとかギリギリ形には出来た……それが「現実」でした。
もともと予定していた劇場版「時空警察ヴェッカー」が制作出来なくなり、自主制作でもいいから、何か続編的なものをカタチにしたい!…という一心だけで「完成」させた作品でしたからね。
でもまぁ、そんなのは観客(ココの読者の一部?の方は共感して頂ける方もいるかもですが)には関係ない事です。
自主制作映画の上映会ではなく、ちゃんとした劇場で(カネをとって)公開した「劇場作品」だった訳ですから…
いろいろ猛省しました。
「ハイペリオン」の一番の「ウリ」であった声優諸氏の起用やアニメ的台詞まわしやなんかも、それが「本業」のみなさんさんから見ると違和感が大きいらしく、否定的でした。
むしろ(別に観てもらった)「ヴェッカーシグナ」の少女たちの拙くも一所懸命な演技の方が好感が持てたようです。
ただプロの、「監督」の仕事の第1条件は(予算内、期限内に)「完成させる事」でもある訳です。
その点ででは「評価」して頂けました。
何か、もっと描きたかったもの、表現したかったものが遠くにあって、それを目指そうとしていた片鱗は見える、とも言われました。
そのほとんどがそのまま『仮面ライダーW』に結実しているのではないか?とも言われましたが(笑)。
最後に言われたのは「もっとわがままになってください」という事。
監督の最初の仕事は「ビジョンを示す事」
それを実現させるためにプロデューサーやスタッフはいるのだから最初に「これは出来ないだろう、無理だろう」は考えないでくれ、という事でした。
サンライズさんは(アニメ)業界にも珍しく、「企画室」があり、オリジナル作品の企画・開発をもっとも大事にされている会社です。
僕が提出した企画は最近見ない”サンライズらしい”企画だと評価して頂けました。
これから、その「開発」(キャラクターやメカデザイン、設定制作など)に入ります。
これまで、「企画・開発」にあたる部分はほとんど全部ひとりでやってました。
企画段階からセッションしながら作品を作っていける環境を与えられるのは初めてです。
どこまで「わがままになれる」か!
いよいよ「はやぶさ」も帰って来ます!これからが本当の始まりだ!