新書野郎 -54ページ目

マイクロソフト戦記

マイクロソフト戦記—世界標準の作られ方 (新潮新書)マイクロソフト戦記—世界標準の作られ方 (新潮新書)

新潮社 2009-01
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著者は13歳で渡英し、英語も日本語も中途半端になってしまった人らしい。英国の大学を出ても就職できるあてはなく、起業したものの失敗し、日本のコンピューター事情のリポートを専門誌に売り込んでから、マイクロソフト入社へと至ったらしい。当時はウィンドウズ開発プロジェクトの最中であったが、日本での展開を日本語化から携わった様で、西和彦、孫正義、中島聡、成毛真といった当時の関係者との折衝がメイン。後にホリエモンの後釜になる平松庚三(当時ソニー)も登場。ビル・ゲイツの部下として交渉の席にいた訳だが、ゲイツについては作られたカリスマのイメージとは違った描写。ゲイツが焦り、怒って、劣勢を挽回せんと奮闘する姿ばかりが書かれる。まあ実際はそんな日々であったあろう。西和彦とゲイツの大ゲンガは知られている通りだが、これもナマナマしい。ただ、トロンに関してはゲイツもマイクロソフトも一切圧力をかけたことなどなく、逆にアメリカ通商部とはウィンドウズがライセンスされた日本製PCの米国への輸入規制をめぐって対立していたとのこと。マイクロソフト圧力説を「都市伝説」とまで言い切っているが、こういったところからも、MS帝国のイメージを打ち消し、ゲイツ共々「普通の人間の普通の会社」であることPRせんとしている様な感じがする。なお、スティーブ・ジョブズについては他社の人間なのに不自然にカリスマ化している。日本語もだいぶ上達した様だが、新潮新書なら楽勝か。
★★

大麻ヒステリー

大麻ヒステリー (光文社新書)大麻ヒステリー (光文社新書)

光文社 2009-06-17
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大麻に関しては同感。
★★

表現する仕事がしたい!

表現する仕事がしたい! (岩波ジュニア新書)表現する仕事がしたい! (岩波ジュニア新書)
岩波書店編集部

岩波書店 2009-06
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横尾の娘は知らんかった。

ルポ雇用劣化不況

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岩波書店 2009-04
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朝日社員が「貧困ジャーナリズム大賞」ねえ。
編集委員の年収はどんなもんなのかな。
朝日の販売店店員が朝日社長に手紙を書いたらどうなるんだろう。
それにしても、独自取材というものがほとんどないな。

政治のしくみがわかる本

政治のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)政治のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)

岩波書店 2009-07
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講談社のに比べて、やはり岩波カラーが鮮明だね。

地団駄は島根で踏め

地団駄は島根で踏め (光文社新書)地団駄は島根で踏め (光文社新書)

光文社 2009-03-17
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なんか理由がないと旅も出来んな。
★★

選挙報道

選挙報道—メディアが支持政党を明らかにする日 (中公新書ラクレ)選挙報道—メディアが支持政党を明らかにする日 (中公新書ラクレ)

中央公論新社 2009-06
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著者は日テレの「きょうの出来事」のキャスターをしていた人らしい。この時間は読書かブログが常なので、局記者キャスターなど名前を覚えることはないのだが、退社後フルブライトで米院研究所と、これもキャリアップ系。今度の次辺りの選挙にでも出るのかもしれんが、いずれにしても名刺代わりの一新書であろう。読売系だし。「きょうの出来事」キャスター出身というと桜井よしこさんなのだが、著者にはそこまでの色(政治的意味でね)はなさそう。どちらかというと民主支持っぽい。アメリカの選挙報道は各社、支持政党が明確なのに、なぜ日本はそうでないのという、まあそのキャリアからいってオーソドックス過ぎる研究テーマ。それで日本は「不偏不党」の報道規定があってと当たり前の結論。ただ、実際は各社(産経は違うだろうが)民主支持の基本ラインは変わらないんではないかな。ホントに330議席いったら、マスコミキャンペーンの勝利と言っても良い。青木愛が受かって丸川珠代が落ちるなんてことになったら、著者は民主からも自民からもお呼びがかからないかもね。

西洋美術史から日本が見える

西洋美術史から日本が見える (PHP新書)西洋美術史から日本が見える (PHP新書)

PHP研究所 2009-07-16
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久々に読んでムカムカする本だった。西洋美術史というより、「欧米」の常識がない日本人をこき下ろす内容で、「ここは日本だ」という理屈は通用しないのだという。前読んだ「英国崇拝」オヤジの本でもそうだったが、この手の自分は他の日本人とは違う西欧のマナーを身につけた人間という自負がある連中に限って、「西洋かぶれ」とか言われることをものすごく気にするらしく。この著者も例によって、自分は「愛国者」であると主張している。問題はこの人たちが愛すると言う日本があくまで、西洋が評価した日本の美点や、コンプレックスの裏返しとしての愛国心でしか過ぎないことで、欧米の価値観と対極にある空気を読むとか、集団の和を大切にするといった日本人の自然感情には得てして否定的である。自分は執筆依頼が殺到しているが、仕方ないのでPHPにも書いてやったみたいな言い草は、ある意味日本人離れしているのだろうが、日本を相対的にみるというより、与えられた仕事を尊重するという日本人の美学とは無縁のところにある様な気がした。ブログでの悪口は一切読まないとか、著者が絶対的権力者として自身の主張を行使できる著作でわざわざ宣言するのも、その実かなり気にしているからなのかな。これは英国崇拝の人と全く同じパターン。

「厚顔」のススメ

「厚顔」のススメ (小学館101新書)「厚顔」のススメ (小学館101新書)

小学館 2009-08-03
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ビジネス界を引退後、すっかり「ご意見番」の位置をゲットした著者。たしかに既存の中国人論客とは違った路線だと感じていたのだが、一冊の本に仕上げるとなると、やはり中国古典ネタを引っ張りだすか。本人も認めている通り、文革にも引っかかった世代だから、あまり古典には通じていなかった様だが、日本のビジネスマンが中国古典を有り難がっているとみて、自分でも手を出したのだろう。ビジネスの現場にいただけあってその辺は抜かりがないのだが、相手の嫌がることは言わないということを信条としているのかな。つまり、中国人なら誰しも日本人相手に手を出したくなる「歴史認識」という「果実」には触れない。もっとも、それが印籠の如く働き、道徳的優位を保てる時代は過ぎ、むしろ反発を受ける可能性も高いから、古典とか漢字の様な「歴史認識」から離れた精神的優位を保てるネタで勝負するのが無難か。日本人が中国語の日本語由来の単語を持ち出すこと批判し、中国人も漢字の起源を誇ってはいけないなどと言ってるが、ただの弁明に聞こえる。ならば、漢字ネタで説教するのは矛盾してないか。ギョーザや民族問題でも、控えめにそれとなく反論しているのも、計算っぽくて嫌な感じ。もっともその辺は編集の腕だとは思うが。中国人は「中国語」は使わないというのは、それが日本語の単語であるからで、「中文」は使うだろう。山東の方では使わんのかもしれんが。

「大日本帝国」崩壊

「大日本帝国」崩壊—東アジアの1945年 (中公新書)「大日本帝国」崩壊—東アジアの1945年 (中公新書)

中央公論新社 2009-07
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今年の終戦商戦も各社出揃ったところだが、新書のトップリーダーはこれかな。佐藤卓己は今年は参戦していないみたいだし。「満鉄全史」の時に、これが初の単著としていたのだが、これで2冊目の単著か。中公新書の勝負球としては伏兵であるが、従来の商品が持っていた戦争の悲惨や平和の尊さを訴えるとか、日本の侵略を暴くといった陳腐なものからの立脚もようやく形になってきたという観がある。戦争の影が消えてきた時代を「もはや戦後ではない」とするなら、出版商戦も「もはや終戦ではない」といったところであろう。「終戦=大日本帝国崩壊」であることは「敗戦=解放」で断絶していた日本と「東アジア」の「歴史認識」を互いに歩み寄らせる可能性のある視点かとも思う。「あの戦争」が終わった後の悲劇を両者が共有できる日が遠いことは、最近の「ヨーコ騒動」とか、「大地の子」を巡る確執でも思い知らされるのだが、そうした「個人の物語」ではなく、政治の動きに何があったかについては「共通の歴史認識」の可能性はまだあるのかもしれない。ポツダム宣言が如何にいい加減な経緯で蒋介石が受諾させられたかについて書かれているのだが、東アジアの政治状況が今でもそのいい加減さの上に成り立っていることは、ある意味滑稽でもあり、したたかさの表れでもある。
★★★