アンべードカルの生涯
- 著者: ダナンジャイ・キール, 山際 素男
- タイトル: アンベードカルの生涯
- アンベードカルは生涯を不可触民の権利運動に捧げたインドの偉人。インドではガンジーと対立した。何十万の不可触民とともにヒンドゥーから仏教に改宗した
という2点から、その功績に未だに暗い影を残しているらしい。この伝記は2種類の伝記を一つにまとめ翻訳したもの。2段組の300ページを越える新書でか
なり読みごたえがある一冊。不可触民の子として人間扱いを受けなかった少年時代から、猛烈な勉強を経て、インドを代表する政治家となる立身記だが、詳しく
描かれるのは、ラジカルな立場を崩さず、新旧勢力と徹底的に闘った不可触民の権利獲得運動。不可触民をハリジャン(神の子)として遇するとしたガンジー
を、それは詭弁であると徹底批判し、最後は現状を変えるにはヴァルナ(カースト)制度を維持しているヒンドゥーを棄てるしかないと決意し、仏教に光を見い
だす。アンベードカルのその闘争は、法律上の権利としては結果が実ったものの、その死後五十年近くになっても、現実的には、彼が夢みた不可触民の解放への
道は未だ茨の道である。



ヒンドゥー教巡礼
- 著者: 立川 武蔵
- タイトル: ヒンドゥー教巡礼
ヒ ンドゥー教は元々、バラモン教であった事からも分かる様に、ヴァルナ(カースト)制度を持つ所でないと存続できない。信者数では世界有数の宗教であるが、 隣国ネパールと、奇跡的に生き残ったバリ島を除けば、殆どインド社会と一体化した宗教である。よってイスラーム、仏教、キリスト教の様な普遍性はなく、外 国人が簡単に改宗できるものではない。仏教伝来の歴史的経緯を見れば、当然なのかもしれないが、万物に神が宿るとか、男根崇拝とか、清めの水とか、人生の 区分である四住期とか、現在我々が日本の伝統文化と思っている事と類似点が多い。ヒンドゥー教は全く神秘の宗教ではなく、かなりシステマティックである。
まあ、この程度の理解では著者の様に、神が肉体に舞い降りる経験はできそうもない。ちなみに著者はバンコクのドムアン空港の近くの中国寺院で金母(媽祖)が降臨したとの事、今度バンコクに行ったら試してみたいが、やはり無宗教の人間には無理かな。


こころをさなき世界のために
例のオウム映画以降、すっかりメジャーな文化人に収まった著者。本人が無宗教だといっても、親鸞についての延々とした対談があったり、宗教くさい説教本。メジャーになれば口述筆記の新書が出る。
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