新書野郎 -184ページ目

ドイツの犬はなぜ吠えない? 




福田 直子
ドイツの犬はなぜ吠えない?

ドイツ在住の著者はこれまでドイツの労働環境などをテーマにしてきたのだが、今回のテーマはドイツの犬。私は基本的にペットは飼わない主義(というかそんな気になったことは生まれてこのかた一度もない)なので、好きな人はとことん好きであろうこの世界については全くの不案内だし、興味も無い。シェパードがドイツ犬だということも初めて知ったくらいだ。とはいえ、新潮社で編集をしていたという著者はセンセーショナルな書き方が得意なので、今回もドイツという国の徹底さがよく伝わる。犬を飼うのに免許がいるというのも、如何にもかの国らしいが、ゴルフをするのに免許がいるとはこれ如何に。またナチスのトラウマがどこにでも顔を出すのがドイツであって、過激で知られる動物愛護団体もその例外ではない様だ。この「エコ・テロリスト」については、その本家のグリーン・ピースに日本も標的にされているのだが、動物愛護団体のそれはまたすさまじいものである様だ。我々からみれば狩猟民族どもが何を言ってんだということになるのだが、菜食主義も体系化されて、理論と実践を兼ね備え、政界に進出する勢力もあるらしい。ヒトラーの犬好き、動物好きの側面を必死で否定するのも、ヒトラーを肯定してはならないというのが不文律であるというところによるものであろう。ヒトラーのベジタリアン説も虚構とされている。犬やクジラを食うのがダメで牛は良いということを文化的観念で捉えると、当然ながら西洋人の身勝手にしか映らないのだが、市場的合理性で捉えれば、牛とか鳥などシステム化された肉だけを食う方が理に叶っているのかもしれない。犬の養殖は中国や韓国で行われている様だが、クジラの養殖が実現できれば、グリーン・ピースの魔の手から日本を守ることができるのかもしれない。
★★

大学病院でなぜ心臓は止まったのか




読売新聞社会部
大学病院でなぜ心臓は止まったのか

他人事ではないのだが恐い。
★★

教育で平和をつくる 




小松 太郎
教育で平和をつくる―国際教育協力のしごと結構チェックしている岩波ジュニア。国際協力ものは定番なのだが、こちらはユネスコや国連で教育行政担当官というものをしていた人の指南書。現場は主にコゾボ、ボスニアだが、アフガニスタン、パキスタン、そしてなぜか沖縄(平和教育のモデルとなると評価しているらしい)もチラリ。青少年がこういう本を読んで国際協力の現場を目指すとなれば、それは結構なことなのだけど、私の様な不逞の輩が読んでしまうと、どうもアラ探しになってしまう。延々と続くコソボの話は、現場の日々をありのまま伝えたのかもしれないが、人間関係のゴタゴタばかりで、ちょっと退屈。それほど緊張感がないということなのかもしれないが、腐ってもヨーロッパの彼の地では、やはりEUのナワバリであることを感じる。日本人に期待されるのは明石さんでもそうだったが、中立的立場というものであろう。なんでも国連職員が英語を使用するのは、アルバニア語やセルビア語を使うと、どちらかの側に立っているものと見なされるからなのだとか。最近、国連暫定統治機構がコソボの独立を推進したなんて報道があったが、元々、ロシア以外は皆、思いっきりコソボ寄りなんだけどね。ただ、「中立」を期待される著者は「少数民族」に転落したセルビア側にもかなり同情しているあとも窺える。その点ではホンマモンの「少数派」であるコソボのボスニア人だとかロマにも言及しているのはさすが。ユーゴスラビアに郷愁を抱く人たちも登場するが、やはりこうなってみればユーゴという国の偉大さと危うしさは紙一重だったのだと感じずにはいられない。この本を読む青少年たちは、もはやユーゴ崩壊後に生まれたのかもしれない。当然、ソ連に対する仇花であったことも知らないのだろう。ただ、困っている人たちを助けようという理想が、「国際協力」の仕事へと導くのかもしれない。「沖縄」とか「ヒロシマ」といった日本が世界に誇る「平和教育」が、空想的現実の上に成り立っていることも考えておく必要があるのではなかろうか。

「国語」の近代史




安田 敏朗
「国語」の近代史―帝国日本と国語学者たち

よくありそうな研究だが、たまにはお勉強も。
★★

熟年恋愛革命




小林 照幸
熟年恋愛革命―恋こそ最高の健康法

昭和枯れすすきじゃないのか。
★★

古城ホテルに泊まるドイツ




谷 克二
古城ホテルに泊まるドイツ―歴史と世界遺産探訪
角川oneテーマ21のカラー版。カラー版は中公新書とか岩波新書もたまにやるが、非常にカネがかかるらしく、ホントに少ない。角川の方紀行系をカラーシリーズ化ているのだが、中公とかと比べ物にならないくらいの紙質。ただのカラーコピーみたいなものだし、間にまとめて挟んでいるだけ。まあ、ドイツの古城ホテルなんざ、一生泊まることはないだろうから、別にそんなことはどうでもいいのだが、著者は「作家」なので、文章で勝負ということなのだろう。しかし、表紙に著者名の後、小文字で「作家」と記されているのも変な感じ。角川は肩書きをカバーに付ける習慣があるらしく、「xx大学教授」とかなんかはよくあるのだが、イキナリ谷克二「作家」と言われても、『バンコク楽宮ホテル』の人だったかなと思ってしまう。直木賞候補にもなった人らしいので、世間では谷恒生よりは有名なのかもしれないが、どうもこの、西欧の社交としての「ウィットに富んだ会話」が飛び交う世界は、非現実的に感じる。なんでも、当地では日本人の団体観光客が、いっせいに立ち上がり、完璧なドイツ語で「ローレライ」とか、シラーとかゲーテを歌いだすことがよくあるのだという。たしかに第九とかドイツ語で歌うことに懸命な人たちの話は聞いたことがあるが、ほんとにそんなマンガみたいなことが頻発しているのか。まさか旧制高校のオンケル連中の慰安旅行ではなかろうが、ドイツ人にしてみれば、ドイツ語が全くできないチビメガネカメラの連中がいきなり、ドイツ語の歌を全員で歌いだしたら仰天ものだろう。台湾のじいさん、ばあさんが、「ウサギ追いし、かーのやま」とかみんなで歌いだした時は、別に驚かなかったけど、バスから降りてきたドイツの年寄り連中が、いきなり「ユウヤーケ、コヤケー」とか歌いだしたらビックリだよね。

地域再生の条件




本間 義人
地域再生の条件

大学の先生とか新聞記者の提言が、どれだけ役に立つのか。

ミサイル不拡散




松本 太
ミサイル不拡散

丸っきり解説書だった。
★★

プレイバック1980年代




村田 晃嗣
プレイバック1980年代

そのまんまの内容だけど、80年代を生きた者には楽しめた。でも、アーミテージの初来日は海兵時代ではなかったか?
★★

創造するアントレプレナー




米倉 誠一郎
BBT ビジネス・セレクト3 創造するアントレプレナー

成功伝説はもうたくさん。