ルポ貧困大国アメリカ
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今年上半期の新書では上位を争うヒットとなったヤツだが、ようやく読めた。別に川田龍平との結婚でご祝儀商品となった訳ではなかろうが、この著者がこんな形でブレイクするとうは思わなかった。たしかに前著の「自分探し」みたいな本よりはよくまとまってる。これも岩波の編集の力がなせる業かと思うが、その分、岩波色はかなり色濃い。それでも「わたし色」よりはまだマシではあるのだが、これからは「格差系」として自立していくことだろう。その意味では現在の状況は著者にとって追い風以外のなにものではない。アメリカの格差社会がかくも悲惨なことは『アメリカ合州国』の時代から知られていたことだし、今や「アメリカ帝国論」は完全に「アメリカン・ドリーム」を凌駕しているのが現実だろう。著者がいみじくも前著のタイトルに付けた通り、支配勢力と対抗勢力としてのリベラルとの共通認識になっている「アメリカン・ドリーム」が崩れた時に、アメリカという帝国が革命によって崩壊するという可能性が現実になるのかもしれない。その革命は是非世界同時進行で行ってほしい。格差社会が著しい国から順番にしてドミノを引き起こしたらどうなんだろう。岩波さん。
★★
自分探しが止まらない
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これはなるへそ。
★★★
アラブの大富豪
![]() | アラブの大富豪 (新潮新書 251) 前田 高行 新潮社 2008-02 売り上げランキング : 10219 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者はアラ石OBで、ジェトロのリヤド事務所長も務めた人らしい。なんでも退職後に、アラブ関係のブログを始め、毎日更新を義務付けたところ、雑誌の取材も受け、新潮社の目にも留まって、新書デビューということになったらしい。今では4本もブログを抱えるというのだが、そんなに毎日更新できるものなのか。私も3つあるが、ここ以外の感想は一行。まあ誰でも出来る読書とかではなく、アラビア事情ともなれば、それなりに専門性も要求されるのだろう。アラ石やジェトロで十年近くサウジにいたとなれば、その気になれば、コンサルや口銭屋でもして、もう一稼ぎできそうなものなのだが、現在は悠々自適にアラブ・ニュースを翻訳してアップする毎日なのだという。ドバイのムハンマド首長や、「アラビアのバフェット」アルワリード王子など、文字通りのアラブの大富豪について書かれているものなのだが、組織人として生きた著者にとって、その存在は眩しく映る一方、自分の生きる道を再確認させたものなのかもしれない。
★★
おみくじの原価は1円!
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宝島にしても、内容浅すぎ。
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崖っぷちに立つあまたへ
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レモンちゃんの父親とされる元参議院議員って誰?
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知床・北方四島
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動物の為に北方領土問題解決はいいけど、問題の所在はドコにあんのかね。
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評伝 川島芳子
![]() | 評伝川島芳子―男装のエトランゼ (文春新書 625) 寺尾 紗穂 文藝春秋 2008-03 売り上げランキング : 122747 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
シンガーソングライターの東大修論というと、イロモノっぽい感じもするのだが、ダテに文春が新書でデビューさせた訳ではなかろう。同時期に「タブホテル進化論」の金益見もあったが、こちらの方はかなりサマになっていたので驚いた。女子学生が川島芳子に興味をそそられるというのはありがちな話だとは思うが、小説から、映画演劇ミュージカル、評伝、聞き書きまでありとあらゆるものが出てるので、史料は不足どころか、持て余してしまうテーマなのだが、それらを通俗にまとめなかっただけでも大したものであろう。中でも村松梢風の小説と、上坂冬子の評伝は一つのフォーマットとして今日の川島芳子像の大部分を形成しているのだが、著者もそれらに依拠し、あえて批判的に捉えずにしたのだという。芳子が銃殺となった裁判でも村松梢風の小説が証拠とされて処刑されたのだから、国民党の裁判の杜撰性もさることながら、文字通り川島芳子の運命を決定づけてしまったのが『男装の麗人』ということなのだろう。上坂のはその名誉回復の意味もあったのだと思うが、著者は川島芳子の人間像というより、そうした作られた川島芳子イメージを研究対象としている様に感じた。中国での川島芳子イメージについてが最後になって触れられるのも、日本と中国のイメージ・ギャップの効果を狙ったものであろう。ただ、北京のおばさんだけで、そのイメージを一般化することはできないかもしれない。香港の男とかだと、ポルノをイメージするだろう。日本人でも強姦疑惑について、真相を知りたいと思うのは男だけかもしれないし、女性は「男装」の方により興味があるのかと思う。李香蘭がそうである様に、川島芳子も例え生きていたとしても、真相は墓場まで持っていく腹の据わった女であったことは間違いない。
★★
北京
![]() | 北京―都市の記憶 (岩波新書 新赤版 1126) 春名 徹 岩波書店 2008-04 売り上げランキング : 19215 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
中公新書はもう去年の夏には出していたというのに、岩波の「北京商戦」は今頃か。タイトルもそのまんまで、中身も似たようなモノというのも捻りがないが、最近のジャガイモといい、岩波が中公をパクッってんのか、期に乗じて中公がフライングしてるのかよく分からん。で、これも北京歴史散歩みたいなヤツなのだが、著者はあの元祖「紫禁城の黄昏」の訳者だという。岩波版は渡部昇一が糾弾して、ちょっと前に新訳を出したのだけど、中共史観に従い、都合の悪い箇所をカットしたというのがこの人なのか。岩波は新書で、これまた中共派みたいな人の「溥儀伝」を出して、その答えとしたみたいだが、いよいよ真打ち登場ということで、さりげなく、中共史観を挿入していて、愉しめる。故宮の宝物が台湾と大陸に分散してしまったのも、日本の侵略のせいだとか、抗日記念館は反日的色彩はないとか、靖国の遊就館はイカンが、中国の軍事革命博物館には興味をそそられ二時間も見物していたとか、まあそんな感じ。北京にはチベット仏教寺院やモスクが多いとことさら強調する(その現実的背景については何も言及なし)のも、何か意図的な感じもする。78年に初北京というから、まあ「老北京」なんだろうが、どうも、その時の「案内」が雛形となっている様にも見受けられる。私は87年北京デビューだが、それでも今行けば浦島太郎状態だろう。前門のケンタは無くなったのか。天安門広場で熊猫アイス売ってたオバちゃんは、皆監視役だったんだね。6.4以降は御用済みになったみたいだけど。
★★









