新書野郎 -107ページ目

大衆音楽史 

大衆音楽史―ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで (中公新書 1962)大衆音楽史―ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで (中公新書 1962)
森 正人

中央公論新社 2008-08
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大衆音楽史とはまた広いジャンルだが、新書なので、ポピュラー・ミュージックの発祥から、ジャズ、ロック、パンク、レゲエ、モータウン、ヒップホップに絞ってる。レゲエのジャマイカを除けば、米英のみで、大衆音楽とは英語音楽であることは自明の様だ。とはいえ、著者の専門は日本文化の方で、英国の大学に研究員で出た時に、資料集めして書き上げたものらしい。かなりスピード出世している人みたいだが、畑違いの研究でも短期間で成果を出してくるところをみるとマメな性格なのだろう。実際に著者がこれらの音楽を聴きこんだのか、単に文献を漁っただけなのかは分からぬが、歴史研究としての音楽史は下手に音源を聴かない方が結果が出る様な気もする。音楽は読書以上に主観で勝負する訳だが、「作者の正しいメッセージを読み取る」ことを是とする評論家の仕事というのも大変なものだ。著者はBOOWYとか尾崎の世代だそうだが、大学の軽音楽部に入って、そこが軍隊式の上下関係に厳しい組織だったことに違和感を覚えたそうだ。パンクやロック、ラップが抵抗の音楽であるというのも、世間のあらゆる芸能の例に漏れず「お約束」の世界なのかもしれない。歌詞の内容もコスプレの一つであって、そこにある「メッセージ」が普遍的価値を持つことには、アーティストもファンも反対するのではなかろうか。
★★

プロ野球名選手列伝

プロ野球名選手列伝―驚きの記録を残したツワモノたち (ソニー・マガジンズ新書 16)プロ野球名選手列伝―驚きの記録を残したツワモノたち (ソニー・マガジンズ新書 16)
吉野 秀

ソニー・マガジンズ 2008-06
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本職じゃない人が書いたのか。

ポリティカル・セックスアピール

ポリティカル・セックスアピール―米大統領とハリウッド (新潮新書 274)ポリティカル・セックスアピール―米大統領とハリウッド (新潮新書 274)
井上 篤夫

新潮社 2008-07
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副題は「米大統領選とハリウッド」となっていて、まあ時局ものではあるのだが、「赤狩り」とかの話ではなく、あくまで「主役」は政治の方。ゲフェンという男については、ジョン・レノンとの絡みくらいしかよく知らなかったのだが、クリントン政権を誕生させ、今またオバマ大統領を実現せんとしているのが、この全米№1の映画プロデューサーなのだという。大統領選まで演出してしまうプロデューサーには系譜があり、ニクソンを演出したのがエヴァンズ、カーターを大統領にしたのもワッサーマンという大物プロデューサーだという。その後にレーガンという本物のハリウッド俳優が大統領になってしまったのも、そうした流れによるものであろう。ケネディがニクソンに勝利した要因として、伝説的に語られるのが、テレビ討論でのメイクであるのだが、それがビジュアル時代の幕開けという訳ではなくとも、より直視的なセックスアピールというものが、米大統領選の大きな鍵を握る契機になったことは間違いないだろう。オバマにしてもマケインにしても、黒人や老人といったハンデを克服しているのはセックスアピールであり、頭が良い、エリート、二世といったものは大統領選に勝つ上で、マイナスにこそなれど、プラスになるものではない。ブッシュジュニアのイメージ戦略もそうした「マイナス要因」を否定することにあったのではないかという気がする。その意味では「ブッシュはバカ」などと世間が言うことは思う壺なのであろう。憲法改正があればシュワルツネッガーが近い将来に大統領になるであろうと、著者は指摘しているのだが、ヒル・ハーパーもその候補の一人としている。こうしてみると、タレント性をカリスマ性を併せ持った者が大統領選を制すということになるのだが、今回の自民党五人組をみても、何が日本の首相の条件なのかさっぱり見えない。麻生なんかになったら、それこそ年功序列なのだが(そのアリバイの為に与謝野を出したのかもしれない)、アメリカみたいな国では候補者も分かりやすくなくてはならんのだろう。小池とかでもなく、そのまんま東とかでもダメで、アメリカ式だったら、室伏広治辺りが担ぎ出されるのではないか。
★★

「教育七五三」の現場から

「教育七五三」の現場から-高校で7割・中学で5割・小学校で3割が落ちこぼれ (祥伝社新書 116)「教育七五三」の現場から-高校で7割・中学で5割・小学校で3割が落ちこぼれ (祥伝社新書 116)
瀧井 宏臣

祥伝社 2008-06-26
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原因が早寝早起き朝食じゃないからって。もう「脳」はやめてくれ。

カレーライスの謎

カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書 40)カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書 40)
水野 仁輔

角川・エス・エス・コミュニケーションズ 2008-05
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東京カリ~番長ねえ。

気骨の判決

気骨の判決―東條英機と闘った裁判官 (新潮新書 275)気骨の判決―東條英機と闘った裁判官 (新潮新書 275)
清永 聡

新潮社 2008-08
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8月商戦も年々ネタが減る一方だね。
★★

悲恋の詩人ダウスン 

悲恋の詩人ダウスン (集英社新書 445F) (集英社新書 445F)悲恋の詩人ダウスン (集英社新書 445F) (集英社新書 445F)
南條 竹則

集英社 2008-05-16
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例によって、悲恋の詩人ダウスンは名前すら知らなかったのだが、この著者には読み覚えがあった。やはり集英社新書で中華ものを読んだ記憶があるのだが、この人は英文学者だったのか。本職(かどうか分からんが)は作家で、日本ファンタジーノベル大賞も受賞しているとのこと。ラノベとかはよく聞くが、ファノベってヤツはどんなもんなのだろうか。という訳で、これが専門(かどうか分からんが)の英詩人の評伝。なんでもこのダウスンという人は「風と共に去りぬ」という言葉を作った人で、「酒と薔薇の日々」というのもそうだという。もちろん後の映画の原作は別の人なのだが、後世に残るフレーズの作者という意味ではエリオットが言うところの「過少評価されている」詩人の一人なのかもしれない。で、その遺した言葉通り、デカダンの人だった様で、酒と女に溺れ結核で早世したとのこと。ちなみに夏目漱石と同い年らしい。その悲恋、酔いどれ、黄昏っぷりを紹介しているのだが、まあ「詩人」のイメージ通りの人という感じもする。その作品については、こちらに鑑賞能力がないので何とも言えんのだが、最終章は「日本に於けるダウスンの紹介」で、日本で最初にダウスンを紹介したのは森鴎外という説があるらしい。鴎外がロンドンに留学していた時にダウスンは酒場で詩を書いていた様だが、漱石と同じくダウスンと同年の南方熊楠も、その頃、大英図書館に通っていたとのこと。もっとも、その当時、鴎外も熊楠もこんな小詩人の名前は知らなかった様だ。漱石がロンドンに到着するのはもうちょっと後で、詩人が死去した年と同じ1900年。この章には日本でダウスンに傾倒した人物として郁達夫を挙げている。郁の中文訳も掲載されているのだが、この辺が著者の守備範囲の広さなのであろう。
★★

インド細密画への招待

インド細密画への招待 (PHP新書 539)インド細密画への招待 (PHP新書 539)
浅原 昌明

PHP研究所 2008-08-19
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PHP新書のカラー版。カラー版がある新書が名門という訳でもないんだろうが、カラーをやってるのは岩波、中公、集英社、PHP、角川、洋泉社辺りか。ここ数年の新規参入組は見当たらないけど、やはりコストがかかる分、体力があるトコしか出してこないのかな。PHPのは森まゆみさんの食モノくらいしか思いつかないのだが、これはPHPにしては変わった題材。著者は「インド・ペルシャ細密画研究者」という肩書きの人だけど、元松下社員なのだそうだ。その関係でPHPなのだろうけど、故新風舎から上下巻本を出した報いが叶ったというか。何でもインドの子会社に出向した時にインド細密画に魅せられ、定年退職後は市井の研究者としてインド細密画の啓蒙に努めているのだとか。松下は昔からインドで白物とか電池を作って、経済鎖国時代のインドにおいても、スズキと並んでインド人に親しまれていたのだけど、こういう人が赴任していたからこそ成し得たものなのかもしれない。正直、絵のことはよく分からんのだが、収録画像のほとんどがインドの博物館所蔵のもの。巻末にそのリストと博物館の写真が並べられている。ずっと博物館案行脚を続けているらしいが、掲載の許諾を取るだけでインドでは大仕事だったのではなかろうか。
★★

金田一京助と日本語の近代

金田一京助と日本語の近代 (平凡社新書 432)金田一京助と日本語の近代 (平凡社新書 432)
安田 敏朗

平凡社 2008-08
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金田一ってその筋では別に神格化されてる訳ではないんだな。
★★

空爆の歴史

空爆の歴史―終わらない大量虐殺 (岩波新書 新赤版 1144)空爆の歴史―終わらない大量虐殺 (岩波新書 新赤版 1144)
荒井 信一

岩波書店 2008-08
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1926年生まれか。今年の岩波新書8月商戦は控えめだな。
★★