大衆音楽史
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大衆音楽史とはまた広いジャンルだが、新書なので、ポピュラー・ミュージックの発祥から、ジャズ、ロック、パンク、レゲエ、モータウン、ヒップホップに絞ってる。レゲエのジャマイカを除けば、米英のみで、大衆音楽とは英語音楽であることは自明の様だ。とはいえ、著者の専門は日本文化の方で、英国の大学に研究員で出た時に、資料集めして書き上げたものらしい。かなりスピード出世している人みたいだが、畑違いの研究でも短期間で成果を出してくるところをみるとマメな性格なのだろう。実際に著者がこれらの音楽を聴きこんだのか、単に文献を漁っただけなのかは分からぬが、歴史研究としての音楽史は下手に音源を聴かない方が結果が出る様な気もする。音楽は読書以上に主観で勝負する訳だが、「作者の正しいメッセージを読み取る」ことを是とする評論家の仕事というのも大変なものだ。著者はBOOWYとか尾崎の世代だそうだが、大学の軽音楽部に入って、そこが軍隊式の上下関係に厳しい組織だったことに違和感を覚えたそうだ。パンクやロック、ラップが抵抗の音楽であるというのも、世間のあらゆる芸能の例に漏れず「お約束」の世界なのかもしれない。歌詞の内容もコスプレの一つであって、そこにある「メッセージ」が普遍的価値を持つことには、アーティストもファンも反対するのではなかろうか。
★★
