もう3月も後半に突入しましたね。
今日のリクエストは目線、顔の向きについてです。
偶然、2つ同じような質問が続いたのでまとめてお答えします。
シェネやピケのまわりもののとき、進むとき、作品でも
「行く方ちゃんと見て!」と言われることはないでしょうか。
「自分では見ているつもりなのになぜ?」
そして、目をしっかり開けているつもりなのに
「目開けて!」「しっかり見て!」と言われてしまう。
ちょっと2つは違うようですが目線や顔の向きって
ちょっとしたコツを知っていると激変しますので
ご紹介します。
漫画にもあるように
「見る」って視界に対象物が入っていたら
「見えている」ことになります。
横目とかもあるように顔を向けずとも
対象物を見ることができる場合があります。
しかし、バレエでは「見たい」ものがあるなら
「鼻をそちらに向ける」という暗黙の了解があります。
バレエは舞台のお芝居と一緒ですから
大げさなくらいやってちょうどよいのです。
鼻が向いていれば
実際見ていなくても見ているように見えます。
つまり、
先生には鼻(顔)が向いていないから見ているように見えないのです。
もちろん、シェネで行く方見るのはスポットをつける意味でも大事です。
でも、やっぱり顔ごとその方向に向いていないと回転が甘くなって
メリハリのあるシェネにならないなども出てきます。
バレリーナの目は鼻なのです!
そう考えると、同じ手の先見るにしても顔がいつもより上がりますよね?
目よりも低い位置の鼻が見ると思うといつもより
10%増しぐらいで顔が上がります。
それでちょうどよいくらいです。
鼻が目だと
鼻を向けてそちらを見ているように見せかける
というテクニックも使えるようになります(笑)
ほら、順番わかんなくなっちゃったときとか
鼻さえそっち向けとけば横目で隣の人見るとかも可能になるわけよ
ただ一瞬にしておきましょうね。
なぜなら、今度は目線の話になりますが
舞台やスタジオでは照明をいかに目に当てるかというのも大事なのです。
普通、近いものを見るとき目は伏し目がちになります。
鼻の前に出した指先を見ても
目の前のものを見ていると瞼はそんなに開きません。
その指先が床を指しているならなおさらです。
でも、指先と言われたらさらにその先
指先の延長線上にある何か・・・
漫画では天使になっていますが
そんなような
なんかきれいなものが見えているかのような空間を醸し出すことがポイントです。
(いやぁ・・・別に天井でもいいのよ)
指先を見たり、隣の人を見ると、そこで視線は終わってしまいます。
でもその先を見ることで
遠く、広く、空間を使うことができるようになるのです。
だから隣の人を見るにしても、その人をしっかり見ないで視界の中に入れるだけにするという高等テクニックもあります!
漫画の表現でよく目の中に星がキラキラしているのを見かけると思いますが
バレエでもそうしておきたいのです。
キラキラ。
一番簡単なキラキラ方法は照明を眼に映るようにすることです。
鼻を上に向けても目線が下がっていると瞼もあかないので
照明が写り込みません。
日本人は目が小さいので
ほかの人よりも頑張って目を開けて
頑張って光を取り込まないといけないのです。
海外のバレエ団などに入ると
「目開けて~!!」と叫ばれるというのは日本人あるあるだそうです。
目が小さいから仕方ないのでメイクでばっちり目を描くようになるといってました。
ちなみに、キラキラさせようとグリッターやパールの強いアイメイクをすると逆に
強い照明で飛んでしまって目がなくなります。
中国のサーカスでその事件を目の当たりにしましたよ。
まぁ物理的にキラキラもありますが、心も・・・大事であると思いたい。
「目が死んでいる」など冗談で言うことがありますが
本当に意思のない目は死んでいるように見えます。
誇張したぐらいで普通のバレエでは
弱い目線では死んだも同然です!
楽しんで踊っている人の目線は100倍楽しさが伝わります。
逆に順番のことを考えてたり、不安だったり、慌てたりというのは
目から100倍になって先生に伝わります。
そう思っていたとしても目から出さないのがプロですな。
バレエでは表情を作ることも大事です。
それはレッスンのときからそうしておく。
間違えちゃった!わかんなくなっちゃった!という顔をしないのよ。
平常心で目線でも演技できるようになったら上級者です。
「目は口程に物を言う」
のは口を使わないバレエでは100倍増しなのです。
私がバレエしてる時、何を見ているかと言われたら
本当に夢ですよ。
お城とかドレスとか王子様とか!!??
夢が見えてます・・・(40歳)
そりゃ目もキラキラするわ。
スタジオでは鏡があるので超現実を突き付けられますが
それでも顔に出さないよ。
つくづく演技力って大事です!