天照大神は御子である天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)を葦原中つ国に降らせる時、
宝鏡(たからのかがみ)を授けて、
「我が子よ、この宝鏡を見ることは、私を目の当たりに見るのと同じであると心得なさい。この鏡と床を同じくし、御殿を一緒にして斎(いわい)の鏡としなさい。」とおっしゃいました。
※宝鏡奉斎の神勅(ほうきょうほうさいのしんちょく)です。
この宝鏡は八咫鏡(やたのかがみ)とも言い、天照大神が天岩戸に隠れてしまわれ暗闇に覆われた時に、岩戸の前に天の香具山から榊を根こそぎ持ってきて、榊に祀ったもので、現在も伊勢神宮でお祀りされているそうです。
その話について書いたブログ記事は、こちら
また、天児屋根命と太玉命には
「あなたたちも、ともに御殿に侍(さぶら)って、皇孫をお守りしなさい」と命じられました。
※侍殿防護の神勅(じでんぼうごのしんちょく)
さらに、
「私が高天原で耕作していた清浄な『斎庭(ゆにわ)の穂(いなほ)』を我が子に授けます。」とおっしゃいました。
※斎庭の穂の神勅(ゆにわのいなほのしんちょく)といいます。
そして高皇産霊命(たかみむすひのみこと)の娘の万幡姫(よろずはたひめ)を娶(めあ)わせて妃とし、天下らせました。
しかし、まだ大空におられるうちに御子がお生まれになったのです。
そこで天照大神は天津彦火瓊瓊杵尊(あまつひこほのににぎのみこと)と名付けられたこの皇孫を、
父神に代えて天下らせようと思われ、天児屋根命と太玉命及び諸々の神々をことごとく皇孫に授けられ、
またその装いもすべて父神と同じに授けられました。
その後、天忍穂耳命は天上へと還られました。
(つづく)
【三大神勅】
天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅
宝鏡奉斎の神勅
斎庭の穂の神勅を合わせて三大神勅と言います。
天壌無窮の神勅についての記事は、こちら
【五大神勅】
この他、高皇産霊神が天児屋根命と太玉命に前回の話で神籬(ひもろぎ)という神様の依り代を持って行き祀りなさいと命じた
神籬磐境の神勅(ひもろぎいわさかのしんちょく)と
天照大神が二神に皇孫を守るように命じた
侍殿防護の神勅
も合わせ五大神勅とも言います。