TomixからKATOへ線路システム変更を検討する | 美里山倶楽部

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大型のレイアウト美郷山鉄道の進捗、レイアウト制作に役立ちそうな話題、車両の小加工、などなどを模型歴半世紀以上、オートバイ歴45年のライダーが書いていきます。
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 昨日の帰りに久し振りの飯田線写真。 

 踏切待ちのガラス越しなので色再現がイマイチでした。

 

 さて、今回ショールームに作るレイアウトの線路を慣れ親しんだTomixでいくか、モジュールレイアウトで使っているKATOにするか、実は迷ってました。

 

 線路システムとしては圧倒的にTomixの方がレイアウトを作りやすいです。

 

 しかしながら最近いくつかの記事を拝見するとTomixの特にポイントが直ぐにダメになるとの記述もあって、そこのところの信頼性を品質保証的な見方で調べてみることにしました。 

 

 で美里山倶楽部のショールームで検討するならKATOの場合複線間隔33mmが作りやすい4番ポイントを使うことになります。

 モジュールレイアウトは6番ポイントを使ってますが、4番ポイントは今回が初めて!

 

 そんな目論見で美里山倶楽部が大汗アセアセアセアセアセアセかきながら比較試験してみました。

 

 ただ、何分個人の見識にも限界がありますので、「ここは違うんじゃない?」ということがありましたら、良識ある範囲でコメントください。

 

●Tomix標準ポイントとKATO4番ポイントの比較

 

1.「通電性能」と「切り替え性能」

 KATOもTomixも選択式ですので、ポイントを切り替える度に通電したり切ったりさせてます。

 

「通電性能」

 ポイントを切り替えた回数に応じてどれだけ電気抵抗が増えるかを調べれば優劣が分かる。

 

「切り替え性能」

 切り替えが出来なくなる(2回までの切り替え直しは可※)までの切り替え回数を調べる。

(※厳しければ1回でもミスれば終わりであるが、通常運転時、美里山倶楽部は3回くらいまではやり直しを許容している)

 

 動作モードは同じなので、この二つの性能試験は同時に評価できます。

 

 ただ試験となるといくつかの設定を決めておかなければならないので、ここ決め手になります。

 

・試験環境

 ショールームで使うならその環境でもあうのですが、今後のことやレイアウトは何故か屋根裏で作られることが多いので、美里山倶楽部の住まいの中でも劣悪な倉庫二階で行いました。

 

 当日環境 摂氏38.1℃、湿度31%(かなり悪い環境です)

 

・試験方法 

 Tomixの標準ポイントとKATO4番ポイント両者在庫の新品での比較。 

 各ポイントはメーカー純正のパワーパックから出ている接続端子から出ている電力を純正のポイントコントローラーを用いて切り替える。

KATO HYPER DX

Tomix TCSワイヤレスパワーパックN-WL10-CL

    (リモコンでなく通常のスイッチボックスを使う)

 

 5秒/回のペースでポイントを切り替える。

 最初に通電側の抵抗値を記録、5秒/回のペースで切り替える。
 1分で6往復するので2,3,4,5,10,20,30,40,50,60分、最大360往復まで各時間ごとに再度抵抗値を記録して大幅に抵抗値が上がるか、切り替えが出来なくなった時点で終了とする。

 

 テスターは信頼のおける「SANWA PC773」で行いました。

 ちなみにKATOの線路で抵抗値を測定したら0.12Ωだった。

 

 参考までにいくつかの金属の電気抵抗を見てみると、この表から洋白はそれほど電気を流すのには優れた素材でないことが分かりますので、レールの抵抗値も妥当な値。

 メリットは色味と錆びにくさ。

 

 ステンレスはもっと錆びにくいが、電気抵抗は洋白の1.8倍くらいになり、一方黄銅や銅は電気抵抗は優れてますが錆びが発生しやすいし、色味もレールには向かない。

 

・試験結果

 KATO

  4番ポイント抵抗の初期値がO.L.(抵抗無限大) で初期不良。

 つまり致命的な欠陥を抱えていた。

 仕方なくもう一つの4番ポイントで行った。

 初期値はやや高いがその後安定して下がり、240往復ころから2Ω程度まで徐々に上がっていった。

 

 切り替え性能は全く問題なくバチッ、バチッっと小気味よく切り替わった。

 

   Tomix

 初期値から抵抗値は低かった。

 30往復から一カ所抵抗値があばれだし最後まで同じ状態が続いた。

 切り替え性能はKATOほどの小気味よさはないが、パシャ、パシャとソフトに切り替わり360往復まで2回切り替えミスがあったが、「3回までの切り替えは可」ルールにより一応合格とした。

 

・考察

 そもそも初期不良は、クレーム対象となるので二本目が安定していてもKATO優位とはならない。

 KATOの選択式は、外側レールが根元から分岐先端まで一体なため構造がシンプルで抵抗値については有利である。

 

 後半徐々に抵抗値が上がることから、故障モードとしては経時的劣化(少しずつ悪くなること)であるので正常な劣化状態と考えられる。

 

 Tomixは、いずれのレールも途中で下の基板を経由して戻ってくる完全選択式のため通電方法はKATOよりも複雑で不利に働く。

 今回は定位側の外側レールが30往復から抵抗値が安定しなくなった。従って通常の経時劣化とはならないが、発散的な不安定さ(どんどん抵抗値が増える)ではないのでこの状態で走行性能、つまりスピード変化が認められない範囲ならば使うことに支障は少ないと考える。

 

 

2.走行性能
 どのような車両が脱線しやすいかは経験的知識があるので車種を絞って行うことにした。
 課題は、同方向のポイントを2台繋いだ片渡り線として、超スロー、低速、中速の3種類を3回往復させて、全ての車輪が脱線しないかを試験した。
 
・D51+客車2両
 
・EF58+客車2両
 
・DD51+客車2両
 この試験はポイントの反位両方向を使いS字カーブ的な要素もあるのでポイントとしては過酷なつなぎ合わせである。
 
 また、先台車、中間台車など脱線しやすい機種を使用して往復させてみた。
 
・試験結果
 KATO、Tomixいずれのポイントも一度も脱線することなくスムーズに通過でき優劣はなかった。
 
 そこでおまけ課題でBig Boyをこの2種類のポイントで渡らせることにした。
 ここは動画で確認ください。

 
 
 
 結局Big boyもなんなく通過できたので走行性能での優劣はないと判断した。
 
3.抵抗値による速度差の確認
 
 Tomixのポイントは直線側の抵抗値が安定しないので、その状態で速度が変化するかを確認した。
 C59+客車2両で直線を超スロー運転を繰り返しポイントを切り替えて通してみたが、はっきりと分かる速度低下は見られなかった。
 
・考察
 最近の所領のモータ性能の向上と、PWM制御のコントローラのためか少々の抵抗値の変化が受けにくいのかもしれないが、当該分野の技術レベルは持ってないので深掘りしない。
 
4.結論
 各試験結果から美里山倶楽部はこのレイアウトはTomixの線路システムを使用することとした。
 
5.理由
 あくまでも個人の見解であるが、KATOの初期不良は実は今回が初めてでなく2度目であることが大きな要因。
 
 おそらくメーカーは全数のチェックをしてから出荷していると推定する。
 と言うことは流通時に問題が発生して不導通が発生する可能性が高く、その原因は絶縁被膜つまりサビのようなものが発生しているのではないかと考える。
 これは長時間動かさないレイアウトでも発生することも考えられる。
 今回の初期不良品は、数十回のポイント操作と徹底的に線路を磨いて抵抗値が4Ωまでさがり使用可能となったが、接点に錆びやすい金属を使っている可能性があるのなら使うのには躊躇がある。
 Tomixも万全でないことは、抵抗値を見ると明らかだし、切り替え性能も美里山倶楽部独自のお助けルールで切り抜けている。
 ただ切り替え性能は下記のコンデンサ切り替えでかなりの延命効果が期待できる。 

 このため今回のレイアウトでも致命的な問題に至る可能性はKATOと少なくとも同程度以下と考えられ、線路システムで考えれば、道床高さ、ジョインナー抵抗値の激変、差し間違えの発生の問題、バラスト散布の課題などを考えればあえてKATOを採用する必要はない。

 

6.余談 

 理由の後半については、以前にパラパラ断片的に書いてますが、今回の試験結果も含めていずれ「永久保存版KATOとTomixの線路システムの比較」とでも題してまとめてみましょう。

 

 一昨日はとても暑く38℃の中で試験を行うなんてのは無理過ぎました。

 60分で打ち切りましたが、実際は抵抗を計ったりその値を書いたりして2時間以上あの環境でやったので熱中症対策をしたとはいえあれ以上は体が持ちませんね。

 

 余計なことしたおかげでレイアウト作りが1日分遅れてしまいました。

 

今日は健康診断

なるようになるでしょ

帰ってきたら

レイアウト作り再開

 

「夏の夜店」まで

残された時間は

あと10日

 

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