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古着が地球を綺麗にする?繊維からバイオエタバイオエタノールを作る技術を東京の企業が確立


地球温暖化対策として日本が大きな目標を打ち立てたことでメディアがにぎわって
いますが、ここに来て新しい技術がその目標達成に貢献しそうです。

バイオエタノール原料として、穀類ではなく繊維(綿繊維)を使う技術を東京の
環境技術コンサルタント会社が確立しました。

理論的には原料の重量に対してのエタノール精製効率が他法と比べて高く、
また、今まで有効な利用方法の無かった古繊維を利用できること、さらに食料
としての穀物需要とバッティングしないなどの優れたメリットを持つ技術として
脚光を浴びています。

日本環境設計株式会社のページはこちら
http://www.jeplan.co.jp/

新政権になり、鳩山首相のトップダウンで「2020年の時点で温室効果ガス排出量
を90年比べて25%削減」という大きな目標が掲げられましたが、各界からは賛否
両論様々な意見が噴出しています。

現状のままCO2の排出量の削減を目指すなら、エネルギー消費を抑える必要が
あり、結果的に経済活動を萎縮させる恐れがあるとして経済界は批判的です。

この目標を目指しつつ生活水準を維持するためには、大規模なエネルギー革命
が必要ですが、期待の星である穀類を用いたバイオエタノールについては食料
需要と競合するため、これまた日本及び国連の目標である世界の貧困・飢餓
対策と矛盾してしまいます。

これを解決するべく、藻類からの油脂の回収、植物繊維からのエタノール作成
などの技術が研究開発されていますが、それぞれ専用のプラントが必要であり、
作成効率が向上しないなどの課題が残されています。

今回大規模な古着回収・エタノール作成実証が行われる本法は、木綿繊維の
セルロースを分解して糖質に変え、それを発酵によってエタノールを作るという
ものです。

方法自体は既存の技術の改良であり特筆すべき点はありませんが(繊維の
分解効率の向上が成功の秘訣だが)、すばらしいのは着眼点だといえます。

繊維自体は糖質の連鎖から構成されており、しかも他のバイオエタノール用
資源と比べて精製度が廃棄物にもかかわらず十分に高いところも、有利な
ポイントだといえます。

他の資源(金属・ガラス・紙など)と比べて繊維のリサイクル率は低く、回収
された資源の内15%程度しか再利用されていません。また、再利用するに
しても資源として精製するコストも高く、総エネルギー効率でいうと優れた
リサイクルシステムとは呼べないのが現状です。

この方法が技術・コスト的に確立されれば、新たなる資源として繊維が脚光を
浴びることは間違いないでしょう。クローゼットの奥に死蔵されている衣服が、
タンス預金ならずタンス燃料として思わぬお小遣いとして化ける日もそう遠く
は無いかもしれませんね。

不況の影響か激安衣服が市場を席巻していますが、安いが故に安易に
廃棄される可能性も示唆されます。

頻繁な買い替えは短期的には安上がりでも、中長期的には環境対策費
としての税金が重くのしかかってくるかも知れません。

日本発のシンプル格安衣料品メーカーが世界に進出しているように、
安い→使い捨てではない「MOTTAINAI(もったいない)」精神も同時に
進出していって欲しいものです。

◆理研の技術基盤を活用して創薬研究を行う外部モニター利用者を募集
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理化学研究所は、「創薬基盤プロジェクト」を始動させます。
これまで培ってきた先端ライフサイエンス研究の基盤技術を、創薬研究に有用な
技術プラットフォームとして再構築し、創薬ベンチャーや学術機関などの創薬の
研究開発を強力にバックアップします。

創薬基盤のご利用に関心のある方を対象にして、「外部モニター利用者」
を本年10月末まで募集します。
詳細はこちら
http://www.riken.go.jp/r-world/info/info/2009/090918/index.html

■製品掲載
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・マイクロダイヤフラムポンプ
 http://www.bio-concierge.com/detail.php?id=7466
・マイクロダイヤフラムポンプ制御装置
 http://www.bio-concierge.com/detail.php?id=7467
・ダイヤフラムバルブ
 http://www.bio-concierge.com/list.php?id=900
・サニタリーホース
 http://www.bio-concierge.com/list.php?id=904

上記、製品掲載に伴い、
カテゴリに『プラント・設備』を増設しました。
 http://www.bio-concierge.com/category13.php

・アノテーション用ソフトウェア
 http://www.bio-concierge.com/detail.php?id=7485

■企業紹介
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株式会社あすみ技研
http://www.bio-concierge.com/info/company/993.php

株式会社あすみ技研では、ディップコーティング装置(ディップコーター)、
熱処理装置(乾燥炉)、UVオゾン洗浄表面処理装置の開発製造販売を行なって
おります。

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┃編┣━┫後┣━┓
┗━┫集┣━┫記┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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国交相が羽田空港のハブ化を提言しましたが、やっとかという感じです。
シンガポール、韓国にどんどん離されていく現実を直視し、早めに
着手してほしいです。

森田知事と国交相の会談もはたからみれば、うやむやな感じがありますが、
文句を言う前に、成田の空港使用料をなんとかすることをまずやればいいのでは?
と思ってしまいます。

11月から旅客からの空港使用料を値上げするようですが、航空保安にかかる費用
ということのようで、特に海外からの発着数を上げるためのようではないようです。

国民にとっては、利権うんぬんよりも、利便性が高くなり、様々な選択肢が得られる
ことが一番なのは変わりないと思いますが。
                             (鈴木)
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発行・編集 バイオ・コンシェルジェ株式会社
      バイオ・インフォメーション・ニュース編集部

購読中止・登録情報更新:http://www.bio-concierge.com/mailmaga/index.php
バックナンバー:http://www.bio-concierge.com/mailmaga/past_issue/index.php
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植物の「打たれ強さ」の理解に繋がる?ストレス応答に関わるホルモンの作用メカニズムが解明される


「植物の「打たれ強さ」の理解に繋がる?ストレス応答に関わるホルモンの作用
                                   メカニズムが解明される」

劣悪な環境(高温・乾燥・塩害)に対する防御応答を制御する植物ホルモンの一種、
アブシジン酸の作用メカニズムを、理化学研究所、東京大学、横浜市立大学、
慶應義塾大学からなる共同研究チームが解明しました。

アブシジン酸は前述の環境耐性のみならず、種子の発芽制御や病害虫への
抵抗性など、植物の様々な働きに関わることが知られています。

将来的にはアブシジン酸の応答をコントロールしこれらの働きを制御することが
期待されています。

本研究成果は、9月21日掲載の米国科学アカデミー紀要オンライン版に発表
されています。

理化学研究所植物科学研究センター機能開発研究チームのページはこちら
http://labs.psc.riken.jp/gdrt/index.html

植物には5大植物ホルモンと呼ばれる物質(オーキシン・ジベレリン・アブシジン酸
サイトカイニン・エチレン)が存在し、それぞれが複数の生理作用を制御しています。

今回解明されたアブシジン酸自体は1960年代に発見された物質で、その作用に
ついては前述のように植物の生育にとって非常に重要なものとなっています。

そのため、アブシジン酸の及ぼす効果については詳細に研究され、今では高校
の生物の教科書にも載っている有名な項目です。

しかし、そのアブシジン酸がどのようにシグナルとして作用するのかについては、
驚くべきことに解明が進んでいませんでした。
理由としてアブシジン酸などの植物ホルモンはきわめて微量で作用するため
制御が難しいこと、またアブシジン酸をはじめとした各種ホルモンは常に一定量
が相互作用しており、シグナル伝達の有無が単一の刺激に応答したものでは
ないことが挙げられます。

研究チームでは、アブシジン酸の働きを左右する、シグナル伝達を担っていると
推測されるタンパク質に対して、相互作用(複合体形成)した時のみに蛍光を
発するタンパク質を結合させました。

そして、実際にアブシジン酸の有無によって蛍光が変化する様子を捉えることで、
これらのタンパク質がアブシジン酸のシグナルを伝達していることを証明しました。

かねてからシグナル伝達を担っていたタンパク質に目をつけた点もすばらしいですが、
それを実証するため用いた実験手法の発展にも注目すべき内容だと思われます。

今後はこれらのシグナル伝達メカニズムをいかに制御するかが研究の流れになる
と思われます。アブシジン酸はストレス耐性に効果を発揮しますが、同時に
生長抑制も引き起こすため、アブシジン酸の過剰発現は本末転倒な結果を
生んでしまいます。

アブシジン酸は多くの植物種で共通する植物ホルモンであるため、その作用
メカニズムはかなり近似と推測されます。

本研究によって、適切な時期・タイミングでアブシジン酸の効果を発現できれば、
様々な作物で冷害や干ばつの年でも安定した収穫が可能となるかも知れません。


◆理研の技術基盤を活用して創薬研究を行う外部モニター利用者を募集
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理化学研究所は、「創薬基盤プロジェクト」を始動させます。
これまで培ってきた先端ライフサイエンス研究の基盤技術を、創薬研究に有用な
技術プラットフォームとして再構築し、創薬ベンチャーや学術機関などの創薬の
研究開発を強力にバックアップします。

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前回の編集後記で触れた補正予算についてですが、基本的に、事業の必要性が
低いところからということで、とりあえず1兆円を確保したとニュースになっていました。

駆け込みも多く行われたと思いますが、それ以前に、
緊急人材育成・就職支援基金(約7000億円)、農地集積加速化基金」(約3000億円)
「国立メディア芸術総合センター」(117億円)など、その場しのぎの予算や、
どう考えても、必要性がわからないものが凍結に。

補正予算の内訳って他業界に関してはほとんど見ていないので、こんなところに
こんな予算がついてたんだ!とびっくりします。
                             (鈴木)
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怠け者が多い組織が衰退するのは、社会でも人体でも同じ?異物を攻撃しないT細胞が発見される


「怠け者が多い組織が衰退するのは、社会でも人体でも同じ?
                          異物を攻撃しないT細胞が発見される」

免疫機能の司令塔となるT細胞の内、外敵への攻撃という任務を全うしないものが
存在することを、京都大学大学院医学研究科の湊長博教授らの研究チームが
発見しました。

このT細胞は加齢によって数が増えることから、免疫機能の老化の一因となって
いる可能性が示唆されます。
本研究成果は米科学アカデミー紀要(PNAS)で8日発表されます。

京都大学大学院医学研究科免疫細胞生物学講座の紹介はこちら
http://www.med.kyoto-u.ac.jp/J/grad_school/introduction/1205/

人体において最近やウイルス・ガン細胞などの「異物」に対処する免疫を司る
細胞の内、T細胞は直接異物を攻撃するものや、各種抗体の産生を促すもの
もあります。

T細胞が分泌する物質で重要なものに、細胞の炎症を司るサイトカインがあります。
細胞の炎症というと、ネガティブなイメージを持たれるかも知れませんが、適切な
炎症反応は疾病の進行を遅らせ、更なる免疫反応の強化を促すものとして必要
不可欠なものです。

今回マウスにおいて発見された「働かない」T細胞は、正常なT細胞には存在しない
膜タンパク質が発現しており、このタンパク質を持つ細胞は異物が存在する状態下
で必要な生理活性物質を産生しませんでした。

さらに、この異常なT細胞は本来の仕事を全うしないだけではなく、不必要な時期に
サイトカインを分泌することで余計な炎症を引き起こし、また、あろう事かガン細胞
の増殖を促進するような物質も分泌することがわかりました。

なぜ、このような異常なT細胞が発生するか、詳しいことは解明されていませんが、
体内における異常なT細胞の割合は加齢とともに増加することが確認されています。

予想としては、正常なT細胞を選別・育成する器官である胸腺の老化も、年齢ととも
に急速に進むことから、おそらく胸腺の機能低下による異常T細胞の排除が行われ
なくなったからだと推測されます。

胸腺の老化を防ぐことが出来れば、今回の異常T細胞の問題や、免疫能力の
低下を抑えられるかもしれませんが、残念ながらその足がかりはまだ見つかって
いません。

今のところ、この異常T細胞の膜タンパクの発現の仕組みを解明するほうが早い
かもしれません。

適切なチェック機関や教育機関がないと、決められた仕事をしないどころか、
むしろマイナスの影響を与えかねないところは、サイズの違いこそあれ人間社会
にも当てはまるのは何とも不思議なものです。

これも人間も細胞からなる生物だから・・・・というわけではないですよね(苦笑)。
もしれません。

■製品掲載
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・マイクロダイヤフラムポンプ
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・サニタリーホース
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■研究室紹介
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研究室名: 慶應義塾大学先端生命科学研究所
ホームページ: http://www.iab.keio.ac.jp

慶應大学鶴岡タウンキャンパス(山形県鶴岡市)に設置された本格的なバイオの
研究所です。

当研究所では、最先端のバイオテクノロジー(メタボローム、プロテオーム、
メタゲノム、ゲノム工学)を駆使して生体や微生物の細胞活動を網羅的に
計測・分析し、コンピュータで解析・シミュレーションして医療やバイオ燃料、
食品発酵などの分野に応用しています。

本研究所はこのように「統合システムバイオロジー」という新しい生命科学の
パイオニアとして、世界中から注目されています。

キーワード:システム生物学、バイオインフォマティクス、ゲノム、プロテオーム
        メタボローム、合成生物学

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┃編┣━┫後┣━┓
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民主党が政権をとったことにより、補正予算が凍結となりました。
バイオ業界でも様々な影響があるのではないでしょうか?

あるメーカーさんによると、それでも少しでも進んでしまっている案件は素早く
ごり押しでなんとか入れ込んでしまっているようですが、対応が遅くなると、
予算確保ができないなんてこともあるようです。

必要な予算はなるべく確保して研究に拍車をかけていただきたいところです。
                             (鈴木)
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発行・編集 バイオ・コンシェルジェ株式会社
      バイオ・インフォメーション・ニュース編集部

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