06月22日、東京都知事選から考える日本の多様性 | Cycling Wonder

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■2024年東京都知事選挙
現職の東京都知事である小池百合子知事の任期満了(期日:2024年7月30日)に伴い、次の東京都知事を選出するための地方選挙である。

告示日:2024年(令和6年)6月20日(選挙運動開始日)
執行日:2024年(令和6年)7月7日(投票と開票開始)

今選挙における立候補者の数は、歴代最多の56人。


■東京都の人口と有権者数
東京都の人口は、14,133,086人(1千4百13万3086人)(令和6年4月1日時点での推計)

東京都選挙管理委員会がまとめた有権者数は、1153万3132人(2024年6月19日時点)
内訳は、男性562万838人、女性591万2294人。 

なお現在の有権者年齢は、18歳以上です。
公職選挙法の改正により、都知事選では前々回(2016年)から適用されている。

総務省統計局のデータ(2022年)を参考に考える東京都の人口構成比率
・15歳未満が10.9%(中学生以下)
・15-64歳が66.3%(現役世代)
・65歳以上22.8%(年金生活者)

令和6年の人口、有権者数が分かっているので推計すると、
・15-17歳は7%
18歳未満は18%(選挙権がない者)⇒259万9954人
18歳以上は82%(有権者)1千153万3132人

18-64歳は59%(現役の有権者)831万0788人(有権者比率72%)
65歳以上22.8%(年金生活者)322万2344人(有権者比率28%)
18-22歳を7%と仮定すると105万9448人(有権者比率9%)
となります。

前回の年代別投票率を参考にすると
18-20歳の投票率は、51.3%
21-29歳の投票率は、40.5%
30-39歳の投票率は、50.1%
40-49歳の投票率は、56.4%
50-59歳の投票率は、60.3%
60-64歳の投票率は、62.5%
65以上の投票率は、65%(79歳まで)

65歳以上の投票数は、209万4523票。
全体の投票率を50%とすると、有効投票数は576万6566票になります。
65歳以上の占める割合は36%に上がる。
有権者数に占める現役世代の割合は72%、65歳以上は28%なのに、実際の投票行動では8%も上昇することになる。
割合なので平均より低い投票率の世代の影響とも言える。
20歳台が投票所に行かないというのがデータにも表れている。
30歳台が低いのは、投票日が日曜日と言うのも影響してるかも、子供が小さいので休日は遊びに行きたいのでしょうね。
子育てが落ち着く40歳台から投票率が上がり出す。

選挙結果に対して老人優遇の不満を言う人がいるが、20代30代の投票率が低い現状では、高齢者の影響度は無視出来ないのです。

ちなみにですが、東京都の年金世代(65歳以上)の人口である322万人は、全国都道府県別の総人口順位でいくと
10位静岡県(3633202)と11位茨城県(2867009)の間になります。
東京都は老人人口で、37の県の総人口より多いということです。
小さい面積でこの数字は異常だと思います。



■日本人は多様性に拒否反応を持つ民族なのか?
今回の都知事選で異変が起きている。

立候補者数が56人と異常に多いのである。
前回が22人だったので、倍以上となっている。
一体何が起きたのだろうか?

これはN党(NHKから国民を守る党)の党首である立花孝志さんの企みによるものです。
規則上立候補条件を満たしていれば誰でも立候補者になれます。
立候補者数の上限は決まっていない。

確定した立候補者の一覧をWikiから確認すると、N党は同党の所属候補として24人の立候補を届け出て、認められた。
これにより都知事選の立候補者数は56人と過去最高となりました。

選挙期間中は、都内約1万4000カ所に都知事選の候補者のポスターを掲示する「ポスター掲示板」が設置される。
立候補の届出順に枠が与えられる。
ポスターは候補者又は支援者がポスターを貼ることになっている。
当初選挙管理委員会が用意した掲示板では、最大48人分が用意されたのだが、追加が必要になった。

新聞の写真から見ると届け出順番25~48がN党と見られる。
N党はこの24枠を掲示板ごとに一括として扱い、立候補者とは関係ない人でも基準額以上を寄付した者にデザイン権を売るという作戦に出た。
当然立候補者も自分の意匠で作成したポスターを24倍に貼ることが可能と言う訳。

N党の企みはなにかと言うと、これまで何度も「ポスター掲示板は無駄だから止めよう」と叫んでも一向に見向きもされなかったが、実際に24枚の同じポスターが並ぶ掲示板を見れば、誰が見ても「異様(異質)」に感じる。


↓こんな感じ


※「表現の自由...」で肌を露出したポスターを貼り、警察から警告を受けた河合さんはN党とは関係ない。

都知事選を目立つために利用する人は毎回一定数いる。

みんな、何かしらの問題提起をしているとも解釈できる。

 

「規則に違反しないとは言え、こんな無意味で無駄な行為を許してはいけない」
と実感で分かれば、無駄な制度(ポスター掲示板)が変わるのではないかと言う問題提起にしたいのだろう。

「日本人は外圧がないと何も変えられない国(民族)」という話しは良く聞くことだが、その良い例かもしれない。
日本人は規則上違反ではないが、リアルな違和感には明確に拒否反応を示し、排除する方向に力を最大限行使するのである。
日本人は口では、「改革」「変革」を叫ぶが、自らに直接影響を感じないことには無関心なのだ。

都内1万4千カ所に異様なポスターが並んだ光景を見て、初めて、「我々はおかしなことに巻き込まれている」と実感するのだろう。
N党の企みは”つばさの党”並みに暴力的だが、停滞しきって無関心な現在の都民には良い気付きを与えたのではないだろうか。

過去最高の立候補者数56人だが、このうち「諸派」の24人は都知事とは無関係ということだ。

事実上、小池、蓮舫、田母神、石丸氏の4人が主な候補者ということになる。

発明家のドクター中松氏やタレントの清水国明氏も立候補を届けているけどね。
つばさの党の党首も立候補しているけど、こちらは選挙妨害がメインの行為なんですかね。


■自民党の体たらくは目を覆うばかり
「ここまで落ちぶれたのか」と思ったのは自民党の対応ですね。

自民党の本部は安倍派の裏金問題の尻ぬぐいがうまく出来ずに、ズルズルと国民からの信頼をなくしている。
安倍さんの暗殺、安倍派への森喜朗の院政を見て、私も自民党への信頼を急速になくしてしまった一人です。
岸田さんの対応を見ても、「自民党には、こんなにも人材がいないのか」と嘆きしか感じない。
ダメダメな岸田さんの代わりを誰も思いつかないのだ。
派閥のトップになっている人は既に過去に活躍した人で、新たな人材が現れていない。
河野太郎や小渕優子などはもってのほかだし、安倍派の五人衆と呼ばれた連中の小物感は哀れでしかない。

私は裏金疑惑でダンマリと存在感を消した萩生田光一を許せない。
安倍派五人衆は森喜朗院政の手先になった連中で、萩生田だけは責めを逃れた。
この萩生田が自民党東京都連の現会長なのだ。

自民党都連は、都知事選で独自候補を立てられなかった。
理由は、派閥(安倍派)の政治資金パーティー裏金事件を巡る混乱を受けたからと説明している。

代わりに取った策はというと、
「自民、公明両党は現職の小池百合子氏を”自主的”に支援する」そうだ。
立憲民主、共産、社民各党が立民の参院議員だった蓮舫氏を全面的に支援するのとは大違いである。

自民の「政治とカネ」の問題を受けて小池氏が政党色を出さない戦略を描いているため、表立った支援は控えることにしたためと言う。

かつては自民党都連と小池さんで反目したこともあったというのに、いくら「昔は同じ仲間だったから」と言われても、候補者も立てられないというのは酷すぎる。
しかも”党を挙げての明確な支援”ではなく、「自主投票」というのは、自民党として都知事選に関与しないというに等しい。
こんな無責任な政権与党が今まであっただろうか、情けないとは思わないのだろうか?

萩生田は都連会長を辞めたいと申し出て引き留められたので保留扱いである。

何もかもが中途半端な奴である。とても将来の首相候補などにはなれない男だ。

立民は、共産党との結びつきが強すぎる。(立憲共産党)
共産党が東京都政に影響を与えるべきではないと思うのが正常な心理だと思うと蓮舫氏の当選はあり得ない。
立民で一番人気があるとはいえ、共産党と手を組んだ奴らを東京都の代表者にしてはならない。
これが普通の考えだけど、東京都民は人気投票だからね...「まさか」ね...
普段から、「東京都民なんて、田舎もんの集まりじゃないか」と思っている私としては”都民の政治意識”なんて全然信じてない。
だから「まさか」が起きないとは断定できない。
(まぁ蓮舫氏が当選したら、完全に東京都民をバカにし続けるけどね)

田母神さんは保守の代わりと言ってますが、安全保障の色が濃すぎるので、難しいと思う。

石丸さんは安芸高田のような小さな自治体では成功したけど、東京都と言う巨大な自治体では勝手が違うのではないでしょうか。

都民が変な投票行動しなければ、小池さんの三選になるでしょう。

それにしても前回(4年前)とは、別人のように老いてしまった小池さん。
丸々と太り、全部が垂れ下がってしまったように見えるのですが、それでも選ばれてしまうんだろうね。
国政復帰の芽が絶たれた今では都知事を続ける以外にモチベーションがないんですね。
こちらも、あわれだね。


■神宮外苑の再開発について
神宮外苑の再開発で緑(樹木)の扱いで揉めている。
蓮舫氏は「一度立ち止まる」「これは争点になる」と言い、小池氏は「争点にはなりません、もう立ち止まっています」と応えた。

既に地元に認められた環境に手を入れる(再開発)と言うのは難しい案件である。
私には直接関係ないので勝手に言ってしまうと、有名な銀杏並木は手を入れず残すというし、伐採はするが代わりを植樹するというので再開発案件は進めるべきだと思う。
マスゴミの対応は、近所に長く住む住民を引っ張り出してその人の独り言として、今のままの環境を残してほしい(再開発を見直せ)と報じている。

どこでも当てはまると思うのだが、あまりに地元民の意見を尊重すると意外と失敗するケースが多いのではないかな。
ニュータウンの生涯を考えた時、ヨコハマなら青葉区辺り。
ニュータウンが出来て住み始める人たちは第1世代で、街の誕生を知っていて、自分の意志で引っ越してきた人たち。
そこで生れた又は引っ越した時赤ん坊だった連中を第2世代とすると、ニュータウンは自分の意志で住み始めたわけではないので不満に感じる事を見つける。
第2世代は、育ったところにこだわりがなく巣立っていくことに抵抗がない。
つまり、住んでいる街になにか魅力的な何かがない限りとどまらないのである。
ニュータウンは一気に作り上がられないで段階的な発展をすることがある。
こうした改訂行動に対して、住民が反対することが良くある。
第1世代は住環境を乱されるのを嫌い開発に消極的になる「街の景観を守れ」みたいな主張。
住民の反対があると参入する側としてはやる気が落ちる。
段々ニュータウンへの投資がなくなっていく。
第2世代は外に出ていくケースが圧倒的に多いのでニュータウンはじわじわと限界集落へ変わって行く。
これは例え人気がある場所でも変わらない。子供はいずれ家を出ていくのである。
生活基盤を他に移した第2世代は、第1世代が亡くなっても戻ってこないで家を処分してしまう。
街が変化し続けるのであれば、流入者は増える可能性があるが、街に変化がないのであれば街は老いていくだけである。

横浜市営地下鉄ブルーラインの終点は当初長後が考えられていたのだが、長後の商店街が反対したため湘南台に変わったそうだ。
結局長後はシャッター街になり、湘南台は発展し続けている。
地下鉄の終点が長後だったらもう少し違った未来があったと思うのだが、住民のその時だけの先を考えない意見に引っ張られて長後は衰退した。

ニュータウンとして開発された住宅街は大体同じような道を進んでいると思う。
変われるチャンスは、うまく活かすべきだと思うのだ、ノスタルジーに浸りたいという一部の感傷に対してどう対応するかで街の将来が大きく変わるのではないかと思う。

外苑の樹木伐採より、関わる事業者(三井不動産)に東京都庁から天下りが多いことの方が問題だと思うのですが...こちらは話題になりませんね。

と思ったけど、実は大きく関係しているのかもしれない。

神宮外苑の再開発は誰が望んだのか?、都民ではなく三井不動産が望んだとしたら、神宮球場の老朽化はただの理由付けに過ぎず、一不動産屋が好きなように東京をいじくりまわして利益を上げようとしていると映ったのかもしれない。

そうだとしたら大きな反発は理解できるし、何本木を切るんだで揉めてもおかしくない(抵抗運動の一つ)。

再開発は必要だが、都職員の天下りを多く受け入れた不動産屋が指名された案件だから問題なのかもね。



何かと話題を提供し続けてくれる東京都知事選挙、生温かく見守るのが良いでしょう。

ではでは( ̄ー ̄)ニヤリ