2024年GWの県外遠征をレポート中です。
今回は登った三つの山の一つ目です。
■見所
★二ツ箭山(ふたつやさん)
いわき市北部にある標高709mの岩山。
山名の由来は、山腹にある天を突くような2つの岩峰(男体山と女体山)が矢(箭)竹のようだというので「2つの矢(箭)の山」から「二ツ箭山」と呼ばれるようになった。
周辺漁民の守り神として信仰を集めてきた山で修験の山でもあった。登山道の途中にはその名残が今でも残されている。
二箭山の山頂には眺望がないが、女体山と男体山の岩上からは広い視界で周辺を望むことが出来、いわきの海が見える。
この山は全国区の山ではないが、雑誌「山と渓谷」の全国低山特集では度々取り上げられている。(小さいから読んでも気付かないかもね)
特長は男体山と女体山に付けられた長い鎖場と両山の鞍部に届く30mの鎖場で「奇岩に設けられた長い鎖場に挑戦する山」として紹介されている。
※ガイド情報

■マップ

■天気図
当日朝6時の天気図

↓出発前の予報


■本日のデータ
詳細データは以下の通り。

■実走報告
(01)自宅~駐車場
00:30、自宅を出発。
日付が5/2に変わってすぐ自宅を出発する。(ETCの深夜割引を使いたいから)
上矢部ICで横浜新道に合流。新保土ヶ谷ICで首都高狩場線(K3)に移る。横浜ベイブリッジで湾岸線(B)に移ったら葛西まで走る。
葛西JCTから中央環状線(C2)に移って小菅JCTで常磐道(E6)に進む。道はとてもシンプル。
恐らく翌日の深夜からGW後半が始まるので嵐の前の静けさなんだろう。
平日深夜の首都高はスムーズだった。
三郷JCT、三郷料金所は通過して初めての常磐道を北上する。
いわき中央ICで常磐道を下りた。常磐道の印象は走り易い道に思えた。
海岸線に通された道のためアップダウンが少なくて走る車みんなが速く感じた。
下道は学習済みのためナビの指示は確認するがほぼ見ないでも目的地の「二箭山入口駐車場」には行けた。
周りが明るくなるまで仮眠を取る。
↓車中泊スタイル

↓駐車場のトイレ

(02)二ツ箭山登山口



05:45、駐車場を出発する。広い駐車場に車は一台だけだった。

坂道を歩く途中にお地蔵さまが見えたので安全祈願をする。

05:50、登山口に到着。

06:03、月山分岐に到着。
右が月山方面、左が二箭山方面になる。左へ進む。

左が「尾根コース」、落石注意の看板の右側を回り込むように進むのが「沢コース」。ここは絶対沢コースがお薦めです。右へ進む。
↓尾根コース
(03)沢コースで〆張場へ
標識の右側から沢の左岸を進むと、しめ縄が張られた滝打ちの行場のような場所に出る。
剣や祠が右側にあり雰囲気はそのままだ。





滝が落ちる岩壁の左側に鎖が垂れ下がっており、ここから岩を乗り越える。


上がった先も岩壁斜面で、やはり鎖がある。




昨日の雨の影響なのか、岩がなにかヌルっとして滑りそうな感じ。
試しにシューズで擦ると滑る滑る。「まずい」、安物シューズでは油断すると滑りまくりそうだ。
ここからは斜めっている岩だったり、フリクションの利かなそうな岩が見えると慎重になった。
ゆっくり、確実に進むことを心掛けた。
↓これなんか簡単そうなんだけど、超慎重に通過したよ。斜めの岩場は恐怖だ。










楽しい沢歩きを続けると左上に道標が現れて、尾根コースと合流した。

ここから尾根・沢コースとも同じ道になるのだが、絶対「沢コース」が面白いと思う。



06:46、〆張場に到着。
(04)尾根コースで一般・岩場分岐へ

ここでも「尾根コース」と「沢コース」に分かれるが、ハイカーなら「尾根コース」を選択する。


↑ここは左へ曲がる、直進禁止。
↑ここで滑ったら怪我する
沢の源頭部と思われる急斜面を九十九折りで上り、大きく横切る道の先で尾根に取り付く。



07:14、急な尾根を上り続け、勾配が収まったところで岩の陰に分岐が現れる。



左が「岩場コース」、右が「一般コース」とあり、「一般コース」へ進む。
(岩場コースは大きな岩を越えた先で一般コースに合流するので余程岩が好きでない限り選ぶ必要がない)
(05)一般コースで鎖場へ
分岐直ぐの大石を越えると歩き易い道になり、直に分岐に到着する。




07:24、鎖場に到着。
ここの鎖を上ると男体山と女体山の間の鞍部に出る。
鎖の長さは30mと言われており、下から上部の到着点が見えない。
左に少しカーブするような、ほぼ垂直の岩場である。
いきなり始めないで少し間を開けた。
鎖とこぶありロープが一緒に垂れ下がっており、ロープを選択。
鎖場の上り方を知らなかったのでGWに入ってからYouTubeで勉強した。これは非常に良かった。
それまでの私は鎖は両手で持ち腕の力で上り足はバランスを取るものと思っていた(一般的に言う“ごぼうスタイル”)
しかし山のプロが言うには、鎖は“もしも”のために軽く持ち、残りの手と足で登るのが正しいと言っていた。
「へぇ~」と感心してしまった。
3本の手足ではどうにもならない時、鎖も使って乗り越えると言い基本的には両足で立つようにするのだそうだ。
この教えを頭に置いて実践してみた。
結果はその通りだった。鞍部に続く鎖は、確かに長いのだが岩場には沢山の突起があり足を掛けたり、手をフックする場所に困ることはなく、一歩の長さが長くならないよう注意すると、そんなに息を切らすようなこともなく上ることが出来た。









(07)鞍部
07:36、鞍部に到着。
上って来た下をのぞくが曲がっているので開始点は見えない。
いよいよ男体山の鎖場に挑戦する時が来た。
巻道を戻るように男体山を回り込めば鎖場は直ぐだろうと歩き出すも、ポイントを見逃してどんどん下ってしまう。
なんと「巻き道・鎖場」の分岐まで戻ってしまってビックリ。
流石にまた鎖場を上る気にならず、巻き道を戻って鎖場のポイントを見つけた。



07:50、男体山の鎖場に到着。
(08)男体山の鎖場を上る
ここではバックパックは置いて行き、カメラと貴重品だけを持って上ることにする。
ここは上がることに集中しないと危険なので途中の撮影はなし。
鎖を登り切って背を伸ばすと岩上の男体山の山頂表示が見えた。

但し、辿り着いたところから岩上に上がる鎖が見当たらず、鎖がないと思ってしまって、上がったは良いが下りる時の一歩目を思うと怖すぎて上がれなくなってしまった。
別のところに岩上に続く鎖があったようだが見つけられなかった。
一応鎖は全部上がれたから良しとすることにした。

↓ここで5秒間の動画を撮る

(09)男体山の鎖場を下る
鎖はずっと持ち続けていた、とても手放す気にはなれない。
鎖を放さなければ、下りる方が上る時より易しい。
上った時のポイントも随時思い出すので足を掛ける場所に迷うことがない。






08:08、男体山の鎖場に着地した。
時計を見ると、とても短い時間なのに随分長く感じる。
でも男体山の鎖場を無事に下りたら物凄くホッとした。

(10)女体山の鎖場を上がる
鞍部に戻り、今度は女体山の鎖場を上る。
08:11、鎖場スタート。こちらは上部の岩越えだけが思案ポイントでそれ以外は難しくない。



08:14、女体山の岩上に上がる。

女体山と男体山の岩上にはロープが張られている。



(11)女体山岩上
08:17、女体山の山頂標記を確認する。


女体山の山頂の方が広いので色々見て回る。

↓岩上からの眺望







↓動画撮影

↓休憩用のベンチあり

↓方位盤あり



(12)女体山を下る
08:27、反対側から短い鎖で尾根に下りる。

尾根上の道を進む。








08:42、月山と二箭山山頂の分岐に到着。
ここから二箭山山頂へピストンして下山は月山方面に進む。


(13)二箭山山頂IN
08:45、二箭山山頂に到着。確かに何も書くことがない。




(14)二箭山山頂OUT
戻ろうかと思ったところで来た道とは別の道からシニアのソロハイカーが現れた。
その方とは歩きながら短い会話をした。
08:46、二箭山山頂を後にする。滞在時間は1分です。
神奈川から来たというその方は林道の峠に車を停めて来たという、そのコースが最短で二箭山に来ることが出来るそうだ。
(このコースは地理院地図には表記がない、縦走ルートとは別にあるようです)
本日の山行中に遭遇したハイカーはこの方一人だけでした。
(私が早すぎてその後多くのハイカーが到着したようだ)

08:54、月山分岐でお別れして月山を目指す。

(15)月山
09:06、月山山頂に到着。




山頂付近から男体山と女体山が見える。


(16)下山
09:07、下山を開始する。

下り出すと直ぐにもう一度男体山と女体山がよく見える場所に出る。




09:13、分岐道標が現れた。尾根に沿って進むと林道に出るが、右に曲がる。こちらが〆張場方面に続く道。



(17)月山分岐
途中に面白い石があった。
↓この左右の大石に挟まれた真ん中の石は宙に浮いている。
挟まれた状態で固定してしまって下を見ると真ん中の石が接地していなかったのだ。
「珍しい」と思った
↓浮いている


09:32、〆張場分岐に到着。
ここは尾根上を進むと月山分岐に向かい、右に下ると〆張場に出る。

10:14、杉林の道を進み「二ツ箭山登山道入口」に到着。
(19)駐車場に戻る
お地蔵さんに帰還の挨拶をする。

10:21、駐車場に戻り山行を完了。


出発した時とは違って駐車場には車がたくさん停まっていた。
私の車以外は、地元いわきと郡山、福島の福島県と水戸、宇都宮ナンバーの近隣県の車であった。

■感想
本日の感想は?
満足( ̄ー ̄)、満足( ̄ー ̄)、満足( ̄ー
満足2つ半です。
男体山の岩上に立てなかったのが残念です。
でも鎖はほぼ登り切れたので満足です。
私が掴んだ鎖とは別に岩上までの鎖があったようです。気付かなかったよ。残念。
Googleマップを見ると岩上に通じる鎖があるみたいだ。

鎖場は上り方があるので事前にYouTubeなどで学習しておくと随分違うと思います。
鎖が長いのでごぼうスタイルで登るのは止めた方が良い。
標高は低いし、歩く時間も短いけれど沢あり、尾根あり、岩あり、鎖場ありとバラエティに富んだ歩きが楽しめる良い山でした。
ちなみに月山は下山に使いましたが、上りで使うと男体山・女体山を上るよりしんどいと思う。
次は袋田の滝と生瀬富士と月居山のレポートです。
ではでは(⌒O⌒)


























