「空海 生誕1250年記念特別展」で人の多さに疲れ

 

 

外に出ると観光客と鹿がいっぱいで疲れて…

 

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バンビちゃん、かわいかったラブラブ

 

 

人を避けて歩いてたら広い原っぱに出てきました。

ハワイの公園みたくない?

 

 

鹿がいる飛火野です。

 

人がいないぞーと進んでいたら、うっそうとした樹木や苔がきれいなところに出ました。ここはどこ?

 

 

誰もいないのが怖くなり、春日大社の参道に一時合流しました。

 

後で地図を確認すると、目的地までショートカットしようと進んだけれど、道がなかったみたい…無謀だったようですあせる

 

↑地図のオレンジ線のところ

 

気づいたら昔から春日大社の神官が、住まいのある高畑から通った道とされる、中の禰宜道(ねぎみち)を歩いていました。

 

春日大社の神聖な森として、手を加えず自然の状態に近い森の中の道は、今どこの山にいるんだろう?と錯覚するくらいでした。

 

志賀直哉旧居へつづく下の禰宜道は「ささやきの小径」として有名です。

通ったことないから次回は歩いてみよっと。

 

 

あしあと あしあと あしあと

 

 

高畑にある目的地に到着です。

堂内撮影禁止のため、写真はリーフレット、Webサイトよりお借りしました。

 

 

 華厳宗 日輪山 新薬師寺

 

 

 
天平19年(747)、聖武天皇の病気平癒を祈願して、光明皇后によって創建された。悪いことが起こるのは、貪(欲ばり)、瞋(いかり)、痴(愚かさ)の三毒によって生じる罪業が、穢れとなって人々の心に蓄積されるからである。身を清め薬師如来の御前で罪を懺悔すること(薬師悔過 やくしけか)によって、福を招くことができる。
リーフレットより
 
名称の新薬師寺は「新しい」ではなく「あらたかな」という意味でつけられ、薬師寺とは関連がないそうです。
 
柵が閉じられ拝観できないのかと思ったら、鹿よけのためでした。

 

 

正面の本堂は奈良時代に建てられた入母屋造。
ゆるやかなカーブの屋根は、唐招提寺を思いだします。

 

 
本堂  屋根の端が切れたのでリーフレットより
 
 
 
すごい顔の鬼瓦!!
 
 
西側の入口から本堂に入ります。
 

 

外の陽光が遮断された、うす暗い堂内にいらっしゃいました。

 

本尊 薬師如来坐像 奈良~平安時代初期 木造 

 

本堂の中央に築かれた円形の壇上に薬師如来坐像が安置され、周りを十二神将立像が取り囲んでおり、すべて国宝です。

 

リーフレットより

 

木目があり、どっしりと座っておられます。

頭と胴体は一本のカヤの木から彫られ、手や足は寄せ木造り。

坐像で丸彫りは難しかったと思われます。

 

斜めから見ると体躯の厚みが感じられ、堂々と力強いです。

前に立つと、ふくよかなお顔と見開いた目に、凛とした気持ちになりました。

厚みのある右手は、悩みを受けとめてくれそうで頼もしいです。

すこし前に傾いた中指が、動き出しそうに見えました。

 

 

十二神将立像 奈良時代(一躯を除く)塑像

 

薬師如来を守るようにとり囲む、十二神将。

一体、一体、ポーズが違い、手にする武器も違います。

何も持たない像もあります。

 

迷企羅(メイキラ)

 

ものすごい形相で圧倒されます。

木で作った骨組みに、土で形作られた塑像とは!

波夷羅 (ハイラ)像のみ昭和に補作されましたが、今日まで残っていることも驚きです。

それぞれが十二支に対応しているので、自分の守護神と出会えます。

 

下矢印十二体は載せられないので、公式サイトをご覧ください

 

短い動画もありました

 

 

広くはない寺院です。

ですが、創建当初は金堂に七仏薬師がまつられ、東西の塔があり、今の8倍もの敷地を有していたといいます。平家による焼き討ちや自然災害によって荒廃し、鎌倉時代までに再建されたそうです。

 
 

 

本堂を出て庫裏の座敷で、「極彩色の守護神」-新薬師寺・十二神将-という映像を見ました。10年以上前に放送された、NHKの特集番組でした。
 

十二神将立像に残されたわずかな彩色から、当初の像の色を再現する内容でした。

 

 

伐折羅(バザラ)
 
青い顔!
本来の姿は、こんなに極彩色だったのかびっくり
 
十二体がこんな色彩だったら、堂内の雰囲気は今とまったく違うものだったでしょう。
 
 
素晴らしいお寺ですが、訪れる人は少なく、静かに拝観できました。
高畑付近は、あまり来たことがなかったのですが、京都上賀茂の社家界隈を思わせる落ち着いた雰囲気でした。
 

 

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句碑

神将立つ 内陣涼し 薬師窟      月甫

 

 

 

***

 

 

「国宝に会いに行く」 シリーズ化したのかも?

 

これまでの 大阪 金剛寺 と 葛井寺

 

 

 

この2ヵ所は、特定の日しか国宝に会えません。

 

新薬師寺は、いつでも会えるのがうれしいです照れ