豪華絢爛!ロードバイク走行会レポート【第2回】
それは唐突に起こった。
走行会の参加者全員が日野橋野球場を出発してから約5~6kmほど走ったあたりだろうか。
B夫は、信号のタイミングでいくつかにバラけてしまった集団のうちのひとつに混ざって走っていた。
7~8人から成るその小集団は(おそらくショートカットすべく)幹線道路をから外れ、非常に細い脇道へと入る。もはや自動車など通行することが不可能なほど細い道路だ。自転車と歩行者専用と言ってもいいかもしれない。
前方からママチャリ4~5台から成る自転車軍団が来る(もちろん今回の走行会のメンバーではない、あたりまえだが)。非常に珍しい“異種自転車集団”の遭遇だ。
(うまくすれ違えればいいが…)
その集団の6台目あたりを走っていたB夫は、反射的にそんなことを思う。
だが、それは杞憂ではなかった。
B夫の前の前を走っていたロードバイクが、ママチャリとのすれ違いのタイミングがうまくとれず急ブレーキをかける。
そのすぐ後ろを走っていたブルーのロードバイク(B夫のすぐ前だ)が一瞬それに気付くのが遅れたのだろう。
あっ!と思ったときは遅かった。
ガラガラガッシャーン! 金属とカーボンが混じったような衝撃音がする!
B夫の一台前を走っていたブルーのロードバイクは急制動をかけたその前方のロードに突っ込み、そして左側に倒れた!
え、じ、事故だ!
大丈夫か?
幸いB夫は前方の動きを見ていたおかげで対応できた。急制動で止まる。B夫のうしろのロードバイクもなんとか停車できたようだ。
倒れたブルーのロードはすぐさま起き上がる。前方のロード、そしてママチャリ軍団がストップし、状況を確認する。
幸い、大きなケガはないように見える。ブルーのロードバイク乗りはホイールを回転させて自転車のダメージをチェックする。
大丈夫。走れそうだ。急制動をかけたその前のロードバイクもダメージはないようだ。
良かった…
小集団は、再び何事もなかったかのように走り出す。
2007年2月のある日。B夫がはじめて参加したロードバイク走行会は、早くも波乱含みの様相を呈していた。
この走行会、参加者のレベルには当然ばらつきがあるので、3つのグループに別れて第一の目的地である相模湖を目指す。
一番速い人、あるいは一番自信がある人のグループを「鶴」と呼ぶ。このグループは他のグループとは明らかに違うコースを通り目的地へ向かう。どうやら他の厳しい峠を通って相模湖を目指すようだ。
二番目に速いグループは「うさぎ」となる。
そして一番遅い人たちのグループは、それらより遅い動物、「カメ」という名で呼ばれている。それにしても遅そうな名前だ。どうがんばっても時速20km/hがやっとのような響きのグループ名だ。
どのグループに参加するのかは、もちろん自己判断。
B夫は、状況がわからない今回の走行会の場合、やはり「カメ」班に入るのが順当なのだろう…ということで当然他の「カメ」達と走る。
今回のアクシデントはその「カメ」班の中で起きたものだった。
B夫はすこしびっくりした。いきなり落車が起きた。
(これって、普通のことなのだろうか…それとも滅多に起きないことなのだろうか…)
再びB夫の属する小集団は快調なペースで走り出す。
道は基本的にはフラットだが、ときおりアップダウンはある。
ペース的には時速20キロ台の後半から30キロちょっとくらい。「カメ」という名前の割には速いが、それでもそんなにびっくりするようなハイペースではない。
B夫にとってはまだまだ余裕だ。一般的に体重が80キロを超えるような重量級サイクリストは、峠になると自らの体重がオモリとなってスローダウンしてしまうが、細い人より筋肉量が多いケースが多いので、体重があまり影響しない平地では意外に遅くない(というより人によっては結構速い)。
B夫がこのグループの中で速い方なのか遅い方なのかはまだまだわからないが、少なくともこの時点までは全く快調だった。体重別に見るとこの小集団の「カメ」達はきわめて普通な感じ。すぐ前を走る人はかなりの軽量級。その前の人は普通くらい(ということはB夫より軽い)。その前の人はまぁ軽量級だろうか…。
やがてちょっとした登りに入る。といっても峠ではないので傾斜はゆるいし、距離もほんの数百メートルか。「カメ」軍団はペースをそれほど落とさず、快調に登る。
B夫はといえば、まだまだ快調だ。1年前ならこの程度の坂道でもかなり大変だったかもしれないが、なにしろこの1年間で7000キロ近く走っている計算になるので、このくらいはまだ“大変”とは呼ばない。ピナレロ君もご機嫌に走る。
(我ながら進歩したものだ。最初はなんちゃって山岳地帯ですら苦労してたのに…)B夫はちょっと嬉しくなった。
おっと、後ろのサイクリストの呼吸が荒くなってきたゾ!かなり心拍数も上がっているようだ。大丈夫か?
振り返るとちょっと重量級ぎみの彼は少しキツそうだ。
がんばれ!がんばれ!この先がどんな厳しいコースなのかは知らないが、この時点のB夫にはまだまだまわりを気にする余裕があった。これが本物の峠になるとどうなるのだろうか…。
さきほどの落車は確かに驚いたが、実は今回の走行会でB夫がもっと驚いたことがあった。
何だとお思いだろうか?
そう、自転車の値段だ。
この走行会、ハッキリ言って高級ロードバイクだらけだ。
B夫のピナレロ君なんか全くのエントリーレベル。他のローディ達が乗っているバイクに比べたらタダみたいな金額に思えてしまう。(だからさっきの“親切な”常連ローディからしたら、ピナレロ・アングリルごとき、フェラーリから見たカローラに見えてしまったかもしれないのだ!)
ルックやタイムの高級カーボンロードバイクが多い。ラピエールもいるし、コルナゴの高いのも発見した。
ピナレロもいるが、アレは間違いなくパリ・カーボンだ(値段はフレームだけでB夫のピナレロ君の3倍ね)。最新式のオルベア・オルカやジャイアントのTCRアドバンスト(シートポストが上まで伸びたやつ)もいる。
カンパニョーロ・レコード(最高級タイプのイタリア製コンポーネントね)が普通に装着されている感じ。日本の最高級コンポ、デュラエースなんてまさに標準装備の「マックフライポテト」みたいなものだ。
トマト・メガマックセット(フルカーボン高級フレーム)を頼むと当然ポテトとドリンクが付いてくる。そんな感じで普通にデュラエースと高級ホイールが付いてる!という感じ。
こんな集団で走ってたら、どうしたって高級ロードが欲しくなっちまう…。目をつぶって走ろうかな…とB夫は思ったとか思わないとか…
もちろん全員が全員ビトンやエルメスのようなロードバイクに乗っている訳ではない。見たところ35台中30台は結構な一品ばかりだが、5台くらいは、トレック1200やOCR2など、庶民的(!?)なロードバイクも参加している。
だからもちろん、この走行会ではB夫は“庶民派”という分類になるのだ!(2年前のB夫には全く理解のできない世界だ。5万円の自転車が自転車としては結構高い値段に思えたから…ましてや自転車に10万円以上なんて…と思ったものだ。)
ロード走行会恐るべし…
そんな感想をB夫は抱いていた。
そうこうしている間に「カメ」軍団はいよいよ最初の難関、大垂水峠に差し掛かる。
この大垂水峠、この当時のB夫は知らなかったが、実は「初心者向けの峠」と呼ばれているらしい。傾斜はそれほどキツくなく、せいぜい5~6パーセント程度だろうか…、距離にして約4キロほど。ベテランになると“ほとんど峠とは気付かぬまま”登りきれてしまう…という猛者も存在するらしいが、なにしろこのグループは「カメ」だ。果たしてどういうことになるのか…。
いよいよ登り勾配が強く感じられるようになってきた。B夫はこの小集団の真ん中あたりを走る。さらに遠い前方にもうひとつの「カメ」小集団が見えている。
いよいよ最初の振り落としポイントがやってきた。
B夫ははたしてこの“高級ロードバイク軍団”の中で生き残ることができるのか???
ゴメンナサイ!やっぱり次回へ【続く】!
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走行会の参加者全員が日野橋野球場を出発してから約5~6kmほど走ったあたりだろうか。
B夫は、信号のタイミングでいくつかにバラけてしまった集団のうちのひとつに混ざって走っていた。
7~8人から成るその小集団は(おそらくショートカットすべく)幹線道路をから外れ、非常に細い脇道へと入る。もはや自動車など通行することが不可能なほど細い道路だ。自転車と歩行者専用と言ってもいいかもしれない。
前方からママチャリ4~5台から成る自転車軍団が来る(もちろん今回の走行会のメンバーではない、あたりまえだが)。非常に珍しい“異種自転車集団”の遭遇だ。
(うまくすれ違えればいいが…)
その集団の6台目あたりを走っていたB夫は、反射的にそんなことを思う。
だが、それは杞憂ではなかった。
B夫の前の前を走っていたロードバイクが、ママチャリとのすれ違いのタイミングがうまくとれず急ブレーキをかける。
そのすぐ後ろを走っていたブルーのロードバイク(B夫のすぐ前だ)が一瞬それに気付くのが遅れたのだろう。
あっ!と思ったときは遅かった。
ガラガラガッシャーン! 金属とカーボンが混じったような衝撃音がする!
B夫の一台前を走っていたブルーのロードバイクは急制動をかけたその前方のロードに突っ込み、そして左側に倒れた!
え、じ、事故だ!
大丈夫か?
幸いB夫は前方の動きを見ていたおかげで対応できた。急制動で止まる。B夫のうしろのロードバイクもなんとか停車できたようだ。
倒れたブルーのロードはすぐさま起き上がる。前方のロード、そしてママチャリ軍団がストップし、状況を確認する。
幸い、大きなケガはないように見える。ブルーのロードバイク乗りはホイールを回転させて自転車のダメージをチェックする。
大丈夫。走れそうだ。急制動をかけたその前のロードバイクもダメージはないようだ。
良かった…
小集団は、再び何事もなかったかのように走り出す。
2007年2月のある日。B夫がはじめて参加したロードバイク走行会は、早くも波乱含みの様相を呈していた。
この走行会、参加者のレベルには当然ばらつきがあるので、3つのグループに別れて第一の目的地である相模湖を目指す。
一番速い人、あるいは一番自信がある人のグループを「鶴」と呼ぶ。このグループは他のグループとは明らかに違うコースを通り目的地へ向かう。どうやら他の厳しい峠を通って相模湖を目指すようだ。
二番目に速いグループは「うさぎ」となる。
そして一番遅い人たちのグループは、それらより遅い動物、「カメ」という名で呼ばれている。それにしても遅そうな名前だ。どうがんばっても時速20km/hがやっとのような響きのグループ名だ。
どのグループに参加するのかは、もちろん自己判断。
B夫は、状況がわからない今回の走行会の場合、やはり「カメ」班に入るのが順当なのだろう…ということで当然他の「カメ」達と走る。
今回のアクシデントはその「カメ」班の中で起きたものだった。
B夫はすこしびっくりした。いきなり落車が起きた。
(これって、普通のことなのだろうか…それとも滅多に起きないことなのだろうか…)
再びB夫の属する小集団は快調なペースで走り出す。
道は基本的にはフラットだが、ときおりアップダウンはある。
ペース的には時速20キロ台の後半から30キロちょっとくらい。「カメ」という名前の割には速いが、それでもそんなにびっくりするようなハイペースではない。
B夫にとってはまだまだ余裕だ。一般的に体重が80キロを超えるような重量級サイクリストは、峠になると自らの体重がオモリとなってスローダウンしてしまうが、細い人より筋肉量が多いケースが多いので、体重があまり影響しない平地では意外に遅くない(というより人によっては結構速い)。
B夫がこのグループの中で速い方なのか遅い方なのかはまだまだわからないが、少なくともこの時点までは全く快調だった。体重別に見るとこの小集団の「カメ」達はきわめて普通な感じ。すぐ前を走る人はかなりの軽量級。その前の人は普通くらい(ということはB夫より軽い)。その前の人はまぁ軽量級だろうか…。
やがてちょっとした登りに入る。といっても峠ではないので傾斜はゆるいし、距離もほんの数百メートルか。「カメ」軍団はペースをそれほど落とさず、快調に登る。
B夫はといえば、まだまだ快調だ。1年前ならこの程度の坂道でもかなり大変だったかもしれないが、なにしろこの1年間で7000キロ近く走っている計算になるので、このくらいはまだ“大変”とは呼ばない。ピナレロ君もご機嫌に走る。
(我ながら進歩したものだ。最初はなんちゃって山岳地帯ですら苦労してたのに…)B夫はちょっと嬉しくなった。
おっと、後ろのサイクリストの呼吸が荒くなってきたゾ!かなり心拍数も上がっているようだ。大丈夫か?
振り返るとちょっと重量級ぎみの彼は少しキツそうだ。
がんばれ!がんばれ!この先がどんな厳しいコースなのかは知らないが、この時点のB夫にはまだまだまわりを気にする余裕があった。これが本物の峠になるとどうなるのだろうか…。
さきほどの落車は確かに驚いたが、実は今回の走行会でB夫がもっと驚いたことがあった。
何だとお思いだろうか?
そう、自転車の値段だ。
この走行会、ハッキリ言って高級ロードバイクだらけだ。
B夫のピナレロ君なんか全くのエントリーレベル。他のローディ達が乗っているバイクに比べたらタダみたいな金額に思えてしまう。(だからさっきの“親切な”常連ローディからしたら、ピナレロ・アングリルごとき、フェラーリから見たカローラに見えてしまったかもしれないのだ!)
ルックやタイムの高級カーボンロードバイクが多い。ラピエールもいるし、コルナゴの高いのも発見した。
ピナレロもいるが、アレは間違いなくパリ・カーボンだ(値段はフレームだけでB夫のピナレロ君の3倍ね)。最新式のオルベア・オルカやジャイアントのTCRアドバンスト(シートポストが上まで伸びたやつ)もいる。
カンパニョーロ・レコード(最高級タイプのイタリア製コンポーネントね)が普通に装着されている感じ。日本の最高級コンポ、デュラエースなんてまさに標準装備の「マックフライポテト」みたいなものだ。
トマト・メガマックセット(フルカーボン高級フレーム)を頼むと当然ポテトとドリンクが付いてくる。そんな感じで普通にデュラエースと高級ホイールが付いてる!という感じ。
こんな集団で走ってたら、どうしたって高級ロードが欲しくなっちまう…。目をつぶって走ろうかな…とB夫は思ったとか思わないとか…
もちろん全員が全員ビトンやエルメスのようなロードバイクに乗っている訳ではない。見たところ35台中30台は結構な一品ばかりだが、5台くらいは、トレック1200やOCR2など、庶民的(!?)なロードバイクも参加している。
だからもちろん、この走行会ではB夫は“庶民派”という分類になるのだ!(2年前のB夫には全く理解のできない世界だ。5万円の自転車が自転車としては結構高い値段に思えたから…ましてや自転車に10万円以上なんて…と思ったものだ。)
ロード走行会恐るべし…
そんな感想をB夫は抱いていた。
そうこうしている間に「カメ」軍団はいよいよ最初の難関、大垂水峠に差し掛かる。
この大垂水峠、この当時のB夫は知らなかったが、実は「初心者向けの峠」と呼ばれているらしい。傾斜はそれほどキツくなく、せいぜい5~6パーセント程度だろうか…、距離にして約4キロほど。ベテランになると“ほとんど峠とは気付かぬまま”登りきれてしまう…という猛者も存在するらしいが、なにしろこのグループは「カメ」だ。果たしてどういうことになるのか…。
いよいよ登り勾配が強く感じられるようになってきた。B夫はこの小集団の真ん中あたりを走る。さらに遠い前方にもうひとつの「カメ」小集団が見えている。
いよいよ最初の振り落としポイントがやってきた。
B夫ははたしてこの“高級ロードバイク軍団”の中で生き残ることができるのか???
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