坂、坂、坂…大丈夫か?重量級サイクリスト!【走行会レポート その3】 | 自転車で糖尿病を克服した!

坂、坂、坂…大丈夫か?重量級サイクリスト!【走行会レポート その3】


Pinarello Angliru descending
登りは辛いが、下りになれば…。B夫は下りになると俄然元気が出る。この写真は一級山岳の下りを時速80km/hで下るB夫をイメージした“イメージ写真”。(だから実際には平地での撮影。ズボンの裾を見るとわかるように、ジャージすら履いてない。時速は約15km/h。ギアはアウターだけどリアは軽い方から2番目。ティアグラ独特のシフトインジケーターを見ればわかる!)

【前回からの続き】

大垂水峠は実は“初心者用の峠”。これは後に判明することになる“驚愕の事実”なのだが、このとき(2007年2月)のB夫に誰かがそれを説明しても、彼は決して信じなかっただろう。

とあるロードバイク走行会で、「カメ軍団」に混じって峠を登るB夫は、実のところかなり苦戦していた。

いや、決して他の「カメ」達に置いてきぼりを食ってしまったという訳ではない。この峠に差し掛かってから、全体に集団がバラけ出した。かなりのスピードで登れる「カメ」もいるが、その名前通りに失速して後方でもがく「カメ」もいる。

B夫は?といえば、おそらく順位的には、だいたい真ん中あたり…(おそらく)。ただ、ある程度以上の距離を持つ“本物の峠”をほとんど走った事のなかったB夫にとって、そろそろ苦しさが無視できないレベルに到達していた。そう、B夫にとっての課題は“持久力”だったのだ。

峠を登り始めてからもう3kmほどは来たろうか。だがまだまだ登りは続いている。

登りでは自転車への体重のかかり方が平地とは変わる。B夫はここに来てさらにお尻の辛さを感じ始めていた。

正確に言うとお尻ではなく尿道の方だ。この時点でのピナレロ君にはセライタリアのC2という穴あきタイプのサドルが装備されているのだが、その穴はそれほど大きくはない。尿道の痺れ…というより男性の一番大切な部分の“無感覚症状”、これが起き始めたのだ。

信号待ちでの停止やときおりのダンシングなどで、実際にはサドルから腰を浮かして走ることの多い街中での走行とは違い、こうした峠では同じ姿勢でずっとペダルを回し続けなければならない。しかも登りで後ろ下がりになっているため、サドルへの加重が多くなるのだ。

いや、本当はときどきダンシングをすることでその状況を避けることができるはずなのだが、この時のB夫はダンシングがそれほど得意ではなかった。ダンシングを多用すると簡単に足が売り切れになってしまう…そんな心配もあってか、B夫はひたすらシッティングで登り続けていた。

「これはやはり修行が足りないなぁ…もっと登る練習をしないと…」

いつ果てるともしれない上り坂…次のコーナーが終わったら…あ、まだまだ登る…次はどうだ…あ、まだ登ってる…

次のコーナーを終えたらどうだ?……あ、やっと下りだ! 登りが終わったゾ!

B夫はなんとか大垂水峠を登り終えた。たったの4kmしかない登りだが、峠に慣れていないサイクリストには充分に長い。重量級のB夫にとって、初の大垂水峠チャレンジはそんな印象だった。

他の「カメ」軍団たちはどうだろう…やはりかなりバラバラになっている。どうやらB夫が特に遅かった…ということはなさそうだ。

B夫はちょっと安心した。かろうじて“庶民派”サイクリストとしての体裁を保ったことになる。

ここからは下りだ。曲がりくねっているのでそれほどスピードは出せないが、気持ちよく下る。自分の重量がやっと自分の味方をしてくれる…というとても有り難い状況だ。

タバコのことまで心配してくれたあの常連ローディさんはさっきから見当たらないがどこにいるのだろうか…。

B夫にはやっとそんなことまで考える余裕が生まれてきた。

--+---+---+---+---+---+--

相模湖駅付近で第一回目の休憩を取ってからの後半もなかなか侮れないコースだった。

このルートでは「カメ」、「うさぎ」、「鶴」という区別がなくみんなバラバラで走る。

コースを全く知らないB夫は、ひたすら他のサイクリストに付いて行っただけなので、この先どれほどの距離を走るのかもわからず、ただ目の前の道を黙々と走り続ける…そんな感じだった。

登り坂も多い。さきほどの大垂水のような連続した登りこそないものの、場所によっては勾配も結構ある場所がある。登っては下り、また登って、さらに登って、ちょっと下る…そんな印象の道だ。

そしてこんなことがあった。

ちょっとした登りの最中、B夫は、あの“親切な”常連ローディを発見したのだ!見たところちょっと苦しそうに登っている感じだ。

たまたま…そう、本当にたまたまだ。登りなのにどういうわけか加速の付いていたB夫のピナレロ君は、うっかりしている間にその彼を追い越してしまった!

そして追い越し際にちょっと声をかけた。

「いやぁ、なかなかキツいっすねぇ…」


B夫は感じよく言ったつもりだったが、何故かその彼からは返事はなかった……!

やがて30台を超えるロードバイク達は目的地の“峠の茶屋”へと順次到着する。世田谷B地区から計算すると、すでに約70km以上を走ったことになる。(ということは往復150km近い距離を今日1日で走ることになるのだ!すごい距離だ。)

すべては平和だ。すべては順調だ!今日も快晴、やはりサイクリングは楽しい…。

B夫はそんなことを感じながらゆっくり休憩を取る。

だが、この時点のB夫がまだまだ気付いていないことがあった。

そう、後半、そのことが明らかになる!

【次回へ続く!】
(次回は完結編の予定だけど…)

人気ブログランキング にほんブログ村 自転車ブログへ

(人気ブログランキングに参加しています。)


前の記事へ | 次の記事へ ] [ 自転車で糖尿病を克服した!目次