自転車で糖尿病を克服した! -109ページ目

ピナレロ君は風になる!追い風超特急が行く!


ピナレロ君と多摩川沿いの道
今回のブログの舞台となるのはこの道。そう、世田谷B地区付近の多摩川沿いに走る道路だ。時間帯にもよるが交通量はそう多くはなく、条件によってはとても走りやすい道路となる。ちなみに左側の土手の上の細い道が多摩川サイクリングロード。見てわかるように自転車や歩行者もほとんどいない。こんなときのサイクリングロードは理想的なLSDロードともなるのだ。【撮影日(2008.1.7)の天候はご覧のようにあいにくの曇り空。この直後には雨がパラパラと降りはじめた。】

--+---+---+---+---+--

前回の予告では2008新プロジェクト発表!の予定だったが、プロジェクトの優先順位が人生の様々な事情により決まっていないため、ちょっと予定を変更。新たな“風”に関するエピソードをお伝えしたい!

--+---+---+---+---+--

シーン1:多摩川沿いの道[世田谷B地区~大田区]

追い風のときには不思議とあまり風を感じない。

実際には結構な風が吹いていても、それが後ろから自分を追いかけている限り、風のことをあまり意識することはない。追い風の分だけ正面からの風が弱くなるから、風があまりない…と感じることはあっても、特に風の存在を意識したり、ましてやその追い風に感謝することなどそう多くはない。

人間とは身勝手なものだ。

それが証拠に、追い風のときは風の存在にほとんど気付かないくせに、向かい風のときは風を強烈に意識する。

あなたにも身に覚えはないだろうか…。

「なんだ、今日の風は向かい風じゃないか! ちくしょう!」

などと、ちょっとした悪態さえついてしまう——追い風のときは気付かないことさえあるくせに…。

もしかしたら、人生もそんなものかもしれない。

ラッキーにも自分の人生が非常にうまく行っているときほど、自分の力を過信しやすい。本当は“追い風”が吹いているだけなのかもしれないのに…。その反対に物事がうまく行かないときには“向かい風”のせい(まわりのせい)にしてしまう。自分の脚力(実力)が足りないのが本当の理由かもしれないのに……

ちょっと脱線してしまった。話を本題に戻そう。

それはほんの数ヶ月前のこと。

私はピナレロ君ことアングリル07モデルを駆り、世田谷B地区から大田区方面を目指していた。

その日は特に目的地があって走っていたわけではない。

そう、それはある種のトレーニングライド。私は1日にできれば30kmは走りたいと思ってるので、時間ができたときには、ときおり“ロードバイクでの走行”を目的とした走行に出かける。

ただ、内容的にはLSDLong & Slow Distance)、という長い距離をゆっくりと走るというよりは、その真反対、つまり言ってみればSFDShort & Fast Distance ちなみにこんな言葉はない。B夫の造語だ。)のようなもの——短い距離を早く走る——になってしまうことが多い。

トレーニングとしてはどうなのかしら…という意見もあるだろうが、“隠れスピード狂”的な性格傾向が垣間見える私の場合は、よっぽどの自制心を持たないとそういうことになってしまう。

時刻はもう夕方。あたりは薄暗くなりはじめている。

通常このルートを通るときは、多摩川サイクリングロードを通るのだが、暗闇のサイクリングロードは非常に走りづらい。

道の両側に白線が引いてあるわけでもないし、街灯もない。ときには無灯火の自転車が反対側から来ることもあり、光量の少ないLEDライトひとつだけでは、とてもじゃないが怖くてサイクリングロードは走れない。

だから、サイクリングロードすぐ脇の車道を走ることにした(上の写真の車道の部分)。こちらの方が暗くなっても道がよく見えるから安全性が高いと判断したためだ。

ただ、ご覧のように車道とはいえ道幅は狭い。余裕を持って自転車とクルマが並走できるほどの幅員がない。だからスピードが要求される。できるならクルマ達に近いスピードで走った方がいい。

後方から来るトラックをブロックして、ただでさえイライラしていることの多いトラックドライバー達をイラつかせる事は本意ではない。

だからできるだけハイスピードを維持しよう!

そう思ってこの車道を走りはじめた。勢い良くペダルを回す。

ピナレロ君、そして私の足は思いのほか快調だ。

大したウォームアップをしていないのに、足はクルクル回る。スピードもぐんぐん上がる。

すぐ前にはグレーのミニバンが走っている。私の後ろに迫ってくるのは普通のセダンタイプの乗用車。その何台か後ろには4トン前後のトラックがいる。

私は前を走るグレーのミニバンからなるべく離されないよう、足に力を込め、できるだけ速いペースで加速する。

お、今日は調子いいゾ! スピードの乗りがやけにいい。

私は嬉しくなった。

なんだか実力が上がったみたいだ。日頃のトレーニングの成果がやっと出て来たか!

ミニバンから全く遅れをとることなく、自転車とは思えないスピードで付いていくことができる! もちろん下り坂ではない。ここはほぼ完全にフラットな道だ。

さすがはロードバイク! ママチャリやマウンテンバイクとは舗装路での速さが違う!

後ろの乗用車に乗るドライバーもちょっと驚いているかもしれないな…

そんなことを考えながら、ちょっとだけ前傾姿勢を強めると、ギアを一段シフトアップして、さらなる高速走行に対応する。

スピードメーターを見た。

時速40km/hを超えている。だいたい42~43km/h程で巡航している。

この道の普通の乗用車程度のスピードだ。

追い越し車線のない多摩川沿いのこの道では、複数車線のある主要幹線道路と比べて、クルマ達の平均速度はいくらか遅くなる。246や環八では渋滞時を除いてクルマと同じスピードを維持することは非常に困難だが、この道では、調子が良ければクルマ達と同じレベルの速度で走ることができる!

しかも苦しくない!

心拍数もあまり上がってはいないようだ。心拍計がなくともそれはわかる。これならまだまだこの速度を維持できる!

前のミニバンの速度が若干上がる。時速45km/hになる。

だが、ピナレロ君にはまるで80cc程度のエンジンが付いているかのごとく、問題なく付いていく。

ミニバンとの車間距離はだいたい10メートル弱だろうか…。教習所で習う“推奨車間距離”よりは遥かに少ないが、ナナメ後ろに付いて前方を見渡しながら走っているので、万が一緊急回避しなければいけないような事態が発生したとしても、一応の対処はできる…そんな体制で史上最高の調子が出て来たピナレロ君は走り続ける。

後ろのセダンも特に近くまで迫ってくることもなく、おとなしくピナレロ君の後ろを走り続けている。

ピナレロ君はまるで乗用車の一台になったみたいに、まわりの交通と全く同じスピードで走り続けている!

スピード的には完全にツール・ド・フランスの集団走行のレベルに達している。

これは気持ちイイ!

私は、自分が突然変異のように急激に進化して、一流プロ選手並みの脚力になったのだ!と思いたかったが、さすがにそれはあり得ないな…と思って、冷静に状況分析をしてみた。

人生ウン十年も生きていれば、これくらいのことでは騙されない。

実力を勘違いして痛い目を見る…などという経験は、人生ある程度以上長く生きてくればそうは起きないものだ。

こんなに高いスピードで走っているのに、前方からの風を強くは感じない……ということは、追い風か!

この道に入る前にはそれほど風が強いと感じたわけではない。まぁ風で言うとちょっと強めくらいだったかな……だけどこの道は土手沿いをずっと走っている。この構造が風を一方向に強く吹かせるのかもしれない。

なるほど! この道では状況によってはこんなにラクに走れるんだな!土手の上のサイクリングロードよりもずっと走りやすいゾ! しかも速い!

まさに追い風超特急だ!

状況分析が終わった私はそのメリットを享受すべく、さらに走りに集中する。

時速は、たいたい40km/hから45km/hの間を上下している。

ピナレロ君はミニバンとの車間距離を保ったままずっと走り続けている。

途中信号で1~2回停車があったろうか…でも、追い風の力と脚力をミックスしたパワーがあれば、乗用車としては遅めの加速をするミニバンに付いて行くこともそれほど大変なことではない。

私は得意になってクルマ達と同じ速度でずっと走り続けた。

そして、国道一号線との立体交差ポイントに達するまで大した時間はかからなかった。

距離にして約10km弱。追い風超特急となったピナレロ君は、結局後ろのセダンに一度も抜かれることなく、前方のミニバンに遅れをとることもなく、全く快調に走り続けた。

国道一号線付近でこの道を逸れ、別の道へと曲がったのは、別に疲れてしまったり、足が売り切れてしまったからではない。

単純にそろそろ折り返してもいいかな、と思ったからだ。

ここからルートを逸れて大きく回って世田谷B地区へと戻れば大体30kmになる。それがこの超特急走りをやめた唯一の理由だった。体力的にはまだまだ走れた。疲労感は特になかった。

まさに史上空前の追い風超特急だった。

--+---+---+---+---+--

さて、何のどんでん返しもなく無事に終了したシーン1だが、これが伏線となって私は新たなドラマを経験することになる。その激動のシーン2は……次回のお楽しみということで!

人気ブログランキング にほんブログ村 自転車ブログへ

(人気ブログランキングに参加しています。)


前の記事へ | 次の記事へ ] [ 自転車で糖尿病を克服した!目次