味覚がない! & 『物流の世界史』8 | Hiroshiのブログ

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今後不定期投稿となります

『物流の世界史』を読み上げた。間違いなくこれも超お薦めの1冊。

 

著者は第4のグローバル化の戦場となるのはサービス業だという。すぐ頭に浮かぶのが例のクラウドサービスやサブスク。インターネットで瞬時にサービスを受けられるのだから。距離も国籍も関係ない。またChat-GTPなどの進化で日本語という障壁も超えられる。

 

また医療行為をその国の免許を持つ人に限定する法的規制も、その医師が海外のサービスを利用して医療行為を行えば問題はなくなる。規制の壁は超えられる。これは医療に限らない。弁護士や会計士などもそうだ。

 

第3のグローバル化では低賃金労働者の層が鍵だったのに対し、第4のグローバル化では柔軟な技能を持つ高度に訓練された労働者と、彼らを支援し再教育する、最近の流行語で言えばリスキリングを保証する社会システムが鍵となるという。

 

そしてこの第4のグローバル化の時代ではその勝者を決めるのは貿易黒字などでなく、どれだけその国の国民の生活水準が上がったかどうか、そしてそれが国民全員に広く共有されたかどうかで決まるという。実に同感。

 

あと数回、紹介記事は続きます。

 

 

 

 

<味覚がない!>

1日1食に近い。それでは体力回復が遅れるだろうということで、食欲なくても食べれそうな缶詰の果物に手を出す。これはもしもの時の非常食として常時用意しているもの。食べたみたところ、全然味がしない。成る程これがよく言われる味覚消失か?!



因みにシロップ漬け缶詰2個と1L炭酸水2本、1L豆乳2本が最低備えるべき常備非常食、非常飲料の目安にしています。これで数日は食糧確保可能。早速、追加しないと…

 

 


<現状維持派>

今、大前研一氏の『日本の論点 2022〜23』を読んでいる。そこで書かれていたことに、日本の給料の安さ=生産性の低さの原因は《ホワイトカラーの間接業務》にあり、製造業は悪くないという。つまり営業やサービス、会計部門のよう。『物流の世界史』で厳しく指摘されたように、日本がこれまで手を抜いてきた部分だ。

 

「営業」と称して、外で飲み会をするような肥った赤ら顔の中年おじさんがイメージされる。彼らは肥満、糖尿病などの成人病予備軍でもある。また彼らは得てして傲慢でもある。自分が社会の足かせになっていることすら認識していない。そして改革を導入するときに開口一番、口にするのが、

 

『それは如何なものか? ガラ携の人はどうするのか?』 

 

現状維持の言葉ばかり。スマホを使ってもらうようにするシステムの構築など頭に浮かばないのだろう。

 

はい、全て身近な経験からきたもので、具体的中年オジさんの顔すら浮かびます(爆) 

 

著者の大前氏は、彼らアナログで育ったミドル世代を半年や1年で再生させるには無理があるという。数年の大学での学び直しのような仕組み、またそれを支える社会保証制度が必要だという。納得できる事が多い。

 

 


『物流の世界史』8

1980年初頭、ここから中国が新たに舞台に登場する。最初の歩みは鈍かったが、2001年WTO加入で状況が変わった。但し、著者はこの影に「補助金」があるという。中国の工場では輸出を前提とした部品の輸入であれば関税が《後から払い戻される》。つまり国内向けより輸出向けの製品が安上がりの仕組み。これを露骨な補助金と著者は言う。p150

 

また、これはよく知られていることだが、外資の合弁には技術供与を条件とした、また特許やデザインはパクられても長い間罰則がなかった。p152

 

こうした新たな役者の登場とともに80年代後半に新たな変化、著者が第三のグローバル化という変化が起こる。それを分かりやすい概念として、著者は『サプライチェーンからバリューチェーンへの変化』だとする。p156 

 

サプライチェーンでは「投資」と「取引」で国別の仕分けが出来た。後者のバリューチェーンでは複雑な分業体制になり企業は特定な業務に専念する。p157、p158 

 

私の理解が正しければ代表はアップル。工場を持たないファブレス企業でiPhoneやMacを売る。部品は勿論、組み立ても外注。デザインや広告、OSすらも何処で行われているかも不明。世界中に外注されている部分もあるだろう。特許関連の業務は税制上の特典があるアイルランドとか。高らiPhoneが米国で人気になればなるほど勿論、収益はアップルに入るが、米国の貿易赤字は増えることになる。p166

 

これも有名な話だが、このiPhone3Gの製造コスト178.96ドルの中、中国の取り分は6.5ドル、他は部品を供給した日本、ドイツ、韓国、米国に分配されたとか。p164

 

かつてリカードは「比較優位」の理論を立て重商主義を批判したが、この時は国別で議論が進んだ。しかし、バリューチェーンではそこらの仕切りは複雑で不明瞭。著者によれば何処に製造やデザインなどの構成を考えるときには政府の支援=補助金が決め手になるという。労働者でも材料でも位置的優位性でもないのだ。p161