再録4:私に大きな影響を与えた1冊 | Hiroshiのブログ

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今後不定期投稿となります

いずれもblogを書き始める前に読んだ本で記録に残していないが、これも影響を与えた本。これも感想のみ。

 

 

 

『ヨーロッパの知的覚醒』

フィリップ・ヴォルフ著。ロマネスクの3人の思想家、アルクイン、ジェルベールそしてアベラールに焦点を絞り、その足取りを辿りことで西欧精神文化の礎が築かれたと云う時代に迫る。

「アルクインの章」では、当時、文字を書くという行為は、それまで特異な才能を有する者にしかできない、しかも手間のかかることであったことを、書体等の実例を挙げて説明する。その為アルクインはカロリング体に代表される新しい書体を開発していくことでこの問題を解決しようとした。また句読点を打ち、誤訳等を防ぐ改善化の普及も指導したとか。


「ジェルベールの章」では、彼が遠くイベリア半島にイスラームの英知を求め「零」をはじめとする新しい学問を西欧世界にもたらした。 

 

一方パリでは「批判と推論」を書いたアベラールがサント・ジュヌヴィエーヴの丘に集まった学生達に直接講義することによって後の大学と呼ばれるものの原型を築いた。

彼等は『教義』に囚われず自らの理性を信じ真理を探究した知の巨人達である。この最初のミレニアムの始まる頃、人々は西欧精神文化の礎が築かれたと云う。

 

カロリング・ルネッサンスがしばしば指摘されるように、独創性に欠け、真に哲学的、科学的思想を有していなかったとしても、特定のわずかな科学者、哲学者だけのものでなく、広く知識層を広げた。西欧における目立たないが、確かな1歩であること。

 

 

…まさにこの時代が「私のロマネスク時代」。西欧中世史関連の読書とフランスの人との共同研究を進めていた時期。

 

 

 

「脳の中の幽霊」

ラマチャンドラン著
 

「何故、人は失った腕に痛みや痒みを覚えるのか?」

 

との問いに対し著者は『我々の身体感そのものが全くの幻であり、脳が便宜上一時的に構築したものだ』という驚くべき仮説を語る。そして簡単な実験で我々は自分の鼻が数十センチ伸びたような錯覚を容易に得ることができることを示す。もしこれがその体感だけで終わるなら普通の娯楽TV番組の体験物と大差ないだろう。しかし著者はそこから脳の機能に関する興味深い考察を展開し、彼の仮説を検証しようとする。

彼は脳各部の機能分担と、フィードバック機能を用いてこの事例を見事に推理してみせる。その謎解きは科学であると同時に哲学であり、また推理小説でもある。もっとも、上等な研究と云うものは往々にして推理小説的であるものだ。


これらの否認や自己欺瞞は程度の差こそあれ正常な人の日常生活の中にも見え隠れするのではないかと感じた。そうした知識に基づき、より俯瞰的、第三者的に自分を観察できることを知った

 

 

 

<追加の再録シリーズ>

今回は図。ちーさんのところのコメントで書いたのがきっかけ。これも大切な資料。今月一杯でteacupがなくなるので慌てて、重要のだけ再録しています。

 

 

野生イネの北限と栽培イネの進化:

亜熱帯原産で、もともと多年草=栄養繁殖する野生イネの北限は長江の南。河姆渡遺跡も実は北限ギリギリ。だから籾が、しかも沢山取れる品種が生まれた。つまり寒冷期に死滅しそうなので「種」を残すために多年草:株分け繁殖から、タネを沢山作るという変化の生存戦略とそこに食物としての米が欲しいヒトの手が加わったとの仮説がある。

 

野生イネの北限図