<ナッジ報道>
今朝7:30AMからの『日曜報道、ザ・プライム』。
緊急搬送の骨折の患者が9時間も病院が見つからず救急車に留め起こされた映像を最初に流した後でのアンケート。
「コロナか、通常医療を優先すべきか?」
通常医療を優先すべきとの結果が《完全に予想される》もので笑ってしまった、いや笑い事ではないですが… 典型的なナッジ報道。
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こうした報道が何の疑問もなく放映されるところに現在のマスコミの劣化を示している。個人的には「現状(=オミクロン型主流)では通常医療を優先すべき」との意見を持つが、それとこれとは別。非常に問題のある報道姿勢。フジテレビの構造を示すような事例。こうしたことがフジTVには多い。
追伸:
ナッジには正しいナッジと、悪質なナッジがある。
マスコミの使命が「正しく」かつ「公正」な情報を大衆に知らせるものという立場から言えば、後者の点から《悪質なナッジ》と考える。
<Digital divide>
デジタル・ディバイドという言葉が流行ったのは20年以上前のこと。あのゴアさんがそれを防ぐために光ケーブルの敷設を自らしたのは記憶にある。
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ところがその後、これはスマホの普及でなくなると予言した人がいた。『マルチスピード化する世界の中で』という本の中で、著者Michael Spence氏は
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『デジタル・ディバイドという言葉であらわされるような事態が、スマホの発達で起こらなかった』 と述べている。
それに対し、私は『意外だ』とも『異論がある』とも当時述べていた。
私の方が正しかったのか、あるいはそれは著者の住む米国の話で、日本では違ったのか? いずれにせよ、日本では逆に情報格差が広がった。
スマホでこれまで以上にネットをうまく利用する人がいた一方で、スマホを使い切らない人や、それ以上に《スマホすら手にしようとしない人》が出てきた。とりわけ日本ではそうした中高年男性が多い。これを私は「中高年男性症候群」と呼んだ。
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『シン・ニホン』15
トップ学生が所属する大学に対する予算と人件費の比較図はさらに衝撃的だ。結論から言えば、日本の大学には優秀な学生は残らせないようにワザとしているとしか思えない。
ある人が今の文部官僚にはクズばかりが行くようになったといったが、満更間違いではないかもしれない。後の方でこの著者も言っている。
『科学研究のなんたるかをわかっていない人が、表面的なロジックだけで予算を触っている』p288 まさにその通り!!
また、官僚になる人はそれなりの待遇が得られないので下層の人材しか集まらず、不正を生む温床になっているともスバリ語る。p279
これは最近の「忖度」だのと言って、何処かの某AB政治家にゴマをする官僚が多いことと無縁ではないだろう。
それは兎も角、まず数字で見よう。
学生1名あたりの総支出はスタンフォードの330,900ドルに対し、東大、京大がそれぞれ83,700、71,200ドルで1/4以下。さらに総支出に占める人件費はスタンフォードが63%に対し42-1%。
そもそも総額が少ない上に、一番重要な人的資源にも重点配分しない。それで優秀な研究者は生まれるはずはない。p273 図5-6。
著者ははっきりと「これではBクラスの人材ばかりが研究者になる」という。p277 それは肌感覚としてもよく判る(汗)。ちなみに既に論文数ではインドに日本は抜かれている。p276