『骨、岩、星』3 | Hiroshiのブログ

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<連休のお出かけ>
モールにて:週末連日モールに行く。金曜は午後早い時間帯に、人混みがない時間帯にモールのスタバに行くのは予定の行動だったが、土曜は図書館と買い物のついでに何も考えずにふらっと予定外に寄ってしまう。習慣は怖い。

連休ということもありモールには人が戻っていた。経済を回す為には重要なこと。With Coronaの時代にはこれまでと同じというのは捨てないといけない。といいうものの、スタバは座席が半分しか利用されず、導線が決められているので長い列に並ばないといけない。トイレも同様で半分は使用禁止でこれも同様。果たしてこうしたやり方が感染防御に役に立つのか検証する必要がある。

図書館にて:受付の四人の職員に対し、館内の利用者は全部で僅か自分も入れて七人。椅子も机も片付けられて何時もなら沢山いる受験勉強の学生さんも、安楽椅子で居眠りしているご老人の姿もないので純粋に貸し出しのみの利用。公共財の利用効果という意味では、どうかと思うがコロナ対応ということで半ば仕方ないと諦める。幸い、感染リスクは非常に低い状態でゆっくり本を探しだすことができたのでヨシとしよう。

借り出した本の1つに『脱・私有財産の世紀』という、今年2020年に邦訳が出たばかりの本がある。原著名は『Radical Markets 』(2018年) 訳者あとがきを読んだだけだが『これは面白そうだ』との「勘」が働いた。調べてみるとアマゾンの書評でも3.8の高得点、案の定。

図書館の隣を流れる宇美川の水位は現在低く、先日まで水面下に隠れて見えなかった雑草が水没にも耐えて青々元気に繁茂していた。

 




『骨、岩、星』3
以前、酸素の同位体比を調べそれから地球の気温の変化を推察したDansgaard (1993) の仕事の引用が『稲作漁撈文明』の中にあったが、その際、何故酸素の同位体比でそれが判るのかの記載がなく理解が先に進まなかった。ここでその答えを見出した。そこで議論されたグリーンランドでのボーリング調査については純粋に物理的現象の反映のようだ。
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すなわち、水H2Oだと酸素の質量18に対し水素は1+1=2で圧倒的に酸素の質量が水分子の物理的性質を決める。そこに同位体である酸素18になれば質量は合計20となり質量は1割増。さて問題は、氷河期に入るとただでさえ海水からの蒸発は抑えられるが、軽い酸素16からなる水分子が優先的に蒸発し、やがて雪となってグリーンランドに降り積もり、これが永久的に保存される。つまりグリーンランドの氷河には酸素16が閉じ込められることになる。p140  

それだけではない、別の同位体効果が生物を通じて増幅される。現代の浮遊性有孔虫の研究によれば、この生物は海水中の酸素を吸収して炭酸カルシュウムの殻を作るが、この際海水が低いほど重い酸素18を優先的に固定する。逆に暖かくなると軽い酸素16を固定するので化石中の殻の酸素同位体比を調べることで海水温の変化が推測できる。その結果によれば過去30万年の間に海水温度が温冷のサイクルになっていた。このサイクルは地球の軌道理論が予測したとの一致したらしい。勿論これは現代の浮遊性有孔虫のルールが30万年前まで通用する、との前提の上に立つわけだが、進化のルールは簡単には変わらないだろうから、そのような前提をおいても間違いないだろう。

これを読むと地球温暖化というのには地球の軌道や太陽黒点など様々な要因が関係することがわかる。それゆえ、単純に地球温暖化を温暖化ガスの上昇と結びつけることには慎重である必要がある。しかし、現在の地球温暖化は間違いないとするなら温暖化ガスが重要な決定因子の1つとして考えるべきだろうし、それならばリスク管理のうえから無視するわけにはいかない。
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