<結果論だが>
朝からTVでは台風被害について議論されていた。それを聞きながら思ったこと。
北陸新幹線水没について、ハザードマップを見ると数キロ車両基地から架線上に移動させれば水没しなかったみたいだ。大雨時の車の移動は重要。個人レベルの車の移動は簡単でも新幹線7組の移動は難しいだろう。移動させることでのリスクもある。でも今度の災害から学ぶ教訓もあるはず。東京新幹線では過去、車両基地から移動させて水没を免れた成功例があるとか。
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ところでこうした報道で1つ気になることがある。今回の季節外れの大型台風が生まれた原因を番組では当然のことのように<地球温暖化>で片付けていたが、それは事実か? きちんとした説明はなかったように思う。
以下の3つはそれぞれ別々の問題だが、1)の論理が崩壊すれば、すべての議論が壊れる。
1)地球温暖化は事実か? 一時的、周期的変動の可能性もある。
2)今年の海水温の上昇は地球温暖化(もし事実しての)と直接関係あるか?
3)温室効果ガスの上昇が地球温暖化の原因か?
温室効果ガスの上昇>地球温暖化>大災害の多発 というストーリーには慎重であるべき。
<交通事故発生>
今日は金曜でジムがお休みの日なので、日中の外出の予定はこの日にまとめている。そんな日に何と交通事故に遭う。交差点で信号待ちで停車した車が右折する途中で急に方向転換、後ろを直進していた私の車の後部座席部に衝突。クラクションを鳴らす時間的余裕もあったし、クラクションを鳴らして衝突の間にも多少時間があったように記憶する。それ程一瞬のことではなかったので、正直衝突するとは予想していなかった意外な顛末。警察と保険会社に連絡を入れ事情を聞かれるなど、色々時間が費やされ、気分も今ひとつ。結局、勉強する気になれず、そのまま図書館とコーヒータイムになってしまった。
『中東の世界史』
臼杵陽著、作品社、2018年初版。
中東史というのは学校教育の歴史の中で「偏向の大きかった分野」だと理解している。勿論、実質的に何も学ぶことがなかったアフリカ史やカリブ史などに比べればそれなりに勉強できた分野だとは思うが、この歳になってもう一度きちんと学んでみたいと思う不思議な分野。地元の図書館に三国志関連を探しに出かけて、隣の本棚(何しろ田舎の図書館なので、笑)の中にこの表題を見つけ、反射的に手に取った。
冒頭『「中東」の歴史を考えるために』という長い序文?がある。そこでも「中東はなぜ分かりにくいのか」として、『中東域外の国際関係が入れ子状態で展開されていたからだ』と述べられている。p023
これはどの歴史でも同様だが、とりわけ中東史はそれが大きいというのはなんとなくわかる。「キリスト教世界」というとき、それはイスラームの存在なくしてはそのような定義がなりえなかったこともあるし、何より地中海という交通路を挟んで中東はヨーロッパの対岸に位置した。また、そこは陸と海のシルクロードの中継点でもある。今日中国が推し進める『一帯一路』もここ中東を抜きにしては、というよりも、正にこの中東を舞台に繰り広げられる世界戦略だと捉えている。
…実は、これは現代日本を考える上でも同じような状況が見えてくる。日本は東シナ海を挟んで中国に接する、これまでの歴史がそうであったように中国とどのように付き合うかがこれから問題となる。歴史の皮肉さか、中国は近代に「乗り遅れた」、それゆえ自らが植民地化するという悲劇を味わったが21世紀以降は逆の立場になる可能性が高い。お隣のこの国とどのようにお付き合いをするかは日本の大問題。
イスラーム王朝の伝統は間接支配。これはヨーロッパで近代に生まれた国民国家的ものと異なる。著者によれば、これがヨーロッパと近代に遭遇した際、簡単に崩壊した原因だという。即ち、外部勢力がバラバラの一部と手を組むと壊れやすいモザイク国家であったということらしいが、この説明は解りやすい。p029
それでもイランが植民地されなかった理由はイギリスとロシアの狭間にあったためだと言われる。p034 とりわけロシアという国が「国境を信頼しない、それより緩衝地帯を好む」という先の佐藤優氏の見方にも通じる。それでも同様なことはタイがフランスとイギリスの緩衝地帯で植民地されなかったというのにも似ているから、何もロシアだけの特徴というわけにはいかないだろうが?
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<データーベースとして>
オスマン帝国はスンナ派、イランの歴代の王国はシーア派。p028
インドのイスラーム人口は一億六千万、中国は二千万。それぞれ世界第3位、第18位。p46~047。特にインドについては注意すべき。