引きこもり & 『北京烈日』 | Hiroshiのブログ

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今後不定期投稿となります

<引きこもり>
先日九州国立博物館で開催されている「三国志展」に出かけたのですが、知識がないので沢山重要な展示があっただろうに受け入れる器が小さく、得たものは少なかった。それで慌てて日曜図書館で『十八史略で読む 三国志』を入手、俄か勉強。ちょっと遅すぎですね(笑)ま、場合によってはもう一度、観に行くという手もありと思っています。 展示は1月までありますから。

そこそこに面白く、結局どこにもいかず。食事とトイレ以外は何もせず結局1日で読み終わりました。そんなわけで今日も中国語の勉強もジムでの運動もなし、1日引きこもりで今日の歩数は何と58歩。シャワーも今日はいいや~の感じ(汗)



『北京烈日』
副題;中国で考えた国家ビジョン2050。丹羽宇一郎著、2013年初版。文藝春秋。

6年前に書かれた中国についての本。普通これだけ古い(!)中国関連の本は読まないのだが、逆にどれだけ書かれていることが現在当たっているかも知るには適切な期間。← 人が悪いでしょうか?

丹羽氏は右翼には評判が良くない。所謂、「親中派」として断罪されることが多い。しかし私自身は優秀な経済人であり同時に国家ビジョンを考えられる人物だと考えている。その丹羽氏が中国から考える日本という国の国家ビジョン、期待できる。実際、読み始めるととても分かり易く難しい話は何もない。要はそれに同意するか、批判するかだろう。ここでは6年後の現時点での評価を目的として読み始めた。

同氏は長く食料部門で伊藤忠を率いていたので農業分野は確かに他の評論家や政治家と違い見る目が違うと感じた。数字で具体例がサラサラと出てくる。自給率でなく自給力をつけるという表現にもそれが現れる。p56

工場を1つ造ると40年かけて減価償却しないといけない、しかもその間稼働率85%以上でないと意味がないという。p36 

ここでも「ハインリッヒの経験則」が話題になっていたが、
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/981/trackback
この経験則にはもう1つ「重大事故は30年に1回起こる」というものもあるらしい。p42  (ならば、経験則的には原発事故も1回は起こる??)

過去40年間の食料生産の結果は、人口が41億から70億(1.7倍)。対して生産量は11億トンから22億トン(2倍)。ただし、作付け面積は6.2億ヘクタールから6.9億ヘクタール(1.1倍)p47~48  あるいは、大豆の成分が熱帯ではタンパク分が30%だが、温帯では40%、寒冷地だと45%で味噌の原料には寒冷地の方がいいとか。p54 こうした数字に根ざした議論が必要だが、意外とこんな議論ができる人がいない。

著者は95%の収入を農業以外から得ている第二種兼業農家まで税金で保護するのは間違いだという。確かにそれはそうだろう。ちなみに専業=45万戸、第一種=22万戸、第二種=95万戸。p60 その良い例をソビエトのソホーズ、コルホーズに見るという。p62 

農地の大型化についてクロップ・シェアリングを推奨する。これは収穫の一定量を地主に支払うやり方で、凶作でも決まった賃料を払うやり方の欠点を補うもの。p67

2012年段階で原発の廃炉に伴う減価償却費残額は2兆6千億円。p78 それゆえ、著者は一定期間(40年で計算しているから、期間は最大で40年)稼働させて、償却後廃炉すべきというのは理解できる。p81  ただし、管理主体(電力会社)がきちんとリスク管理ができる組織であるべきというのが私の昨日、一昨日の主張。