社長などの取締役は、
株主総会で選任されたり
解任されたりします。
現役の社長が
株主総会で「NO」を
突きつけられることは
滅多にありませんが、
甘く見ていると
足元をすくわれますよ、
というお話しです(^ ^)
＜毎日更新４１７日目＞
１ 創業家社長が株主総会前に敵前逃亡？
エレベーター・エスカレーター大手、
フジテックの創業家社長が、
株主総会の直前に敵前逃亡した
というニュースがありました。
香港の投資ファンドが、
このフジテックの
創業家社長の内山高一氏
の取締役再任議案への
反対運動を展開
していました。
この投資ファンドは、
内山氏が個人の利益
のために会社の権限を
濫用していると指摘。
独自の調査による資料
などを公開し、
他の株主にも再任反対に
賛成するように働きかけて
いたようです。
そうしたところ、
フジテックは、
なんと株主総会当日の
１時間前に、
内山氏の取締役再任の
議案を撤回したそうです。
こうした「敵前逃亡」により、
内山氏は代表取締役を外れ、
取締役でも執行役員でもない
「会長」に退くことに
なったそうです。
社長はなぜ
敵前逃亡したのか？
これは、
株主総会で議論になり、
内山氏の取締役再任議案が
否決されるのを避けるため。
あるいは、
実は内山氏にいろいろと
不祥事があり、
それが明るみに出るのを
避けるためとか、
いろいろ言われていますが、
真相は明らかでは
ありません。
こうした一部の
株主の動きにより、
事実上社長の椅子を
引きずり降ろされる
という異例の事件と
言えるでしょう。
２ 株主総会を甘く見ると怖い？
そういえば、
今年は株主からの
株主提案権の行使が
過去最高になったとの
報道もあり、
いわゆる「モノ言う株主」
が増えているようです。
株主というのは、
株式会社の出資者であり、
会社の実質的な所有者です。
しかし、
株主は出資者では
あっても、
必ずしもその会社の
経営のプロとは
限りません。
そこで、
会社は取締役や
代表取締役などに対して、
実際の会社の経営
（日常的な業務執行）
を任せています。
ただ、
会社の基本的事項については、
必ず株主総会を開いて
所有者である株主の意思を
確認しなければならない、
ということになっています。
そして、
この基本的事項の一つに、
そうした経営（業務執行）
を任せる取締役の選任や
解任というものがあります。
ですから、
建前上は、
その社長（取締役）が
会社の経営者として
ふさわしくないと判断
されたときは、
株主総会で解任されたり、
再任を拒否されたりする
ことがあり得るわけです。
経営者というのは、
その会社経営について
絶大な権力を握ります。
ですから、
時として社長が
会社を私物化し、
会社の利益を犠牲にして
個人の利益をはかる、
ということが起こり得る
わけです。
逆にいえば、
株主総会の役割
というのは、
こうした社長などの
会社の執行機関の
暴走に歯止めを
かけることです。
確かに、
現社長が株主総会で
解任されたり、
再任を拒否されたり
することは実際上は
多くありません。
しかし、
社長が権力の座に
あぐらをかいていると、
足元をすくわれる
ことになりかねません。
株主総会を前に
社長が敵前逃亡するような
みっともない事態は
避けたいところですね。
３ 今日のまとめ
そこで、
今日のポイントは，
ということです。
それにしても、
株主総会の１時間前に
議案を撤回するというのは
異例中の異例ですね。
よほど何か
ヤバいことを
握られていたのか？
とかつい邪推して
しまいます(^ ^)
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