さて、楽しいキャンプ記事が続いていますが、
今回はもみそば・つまさんとの約束を果たすべく、番外編をお届けします。
みんなが楽しんでいるキャンプで、
実はひとりだけちょっとショックな出来事を体験した人がいたのだ
それは・・もみじとハリーがライバルだった頃、
いつもふたりを止めようと奮闘してくれていた名犬
そばさん!!
*あ、人じゃないのはわかってます今まで、もみじの影でイマイチ目立たなかった彼女に
今回意外な形でスポットが・・
なんと
キャンプでもみじそば内乱!!!
えーっ?!まさか!
あの仲良しなふたりがケンカ?!
しかも血を見る抗争?
もみそば本家キャンプ内紛記事はこちら

そう、普段はとってもとっても仲良しな二匹
もみそばつまさんに聞いたところ、実は半年に1度くらいは喧嘩することがあり、
キャンプ前、もみじがリーダーのそばさんを打ち負かしたことが一度だけあったらしい
そして今回はなんとそばさん負傷・・
キャンプ後は変わらず仲良くなっていて
そばさんのリーダーのポジションも健在だというが
同性で年齢も近く、リーダーのそばさんよりもみじの方が気も力も強いので、
もみじが最盛期を迎えた今は下克上の危険もピーク。
キャンプ時、ご存知のように獸木がもみハリ対策で
シーザー・ミラン道、特に犬の喧嘩の回避法を研究
していたこともあって

もみそばおっとさんにちらりと対策をご相談いただいた
犬飼い同士が日常的に怪しい知識を情報交換し、
互いに助け合うのはアリなのだが、やや問題が込み入っており、
トレーナーでもない獸木が長々とレクチャーするのは気が引ける
しかし世界を席巻する犬専門家の
シーザー旋風がなぜか日本に到達していないため
シーザー旋風がなぜか日本に到達していないため
ほとんど英語でしかメソッドに触れる選択肢がなく、
わずかに残っていた日本語版の本も売り切れ状態で「本読んでみて」とも簡単に言えない状態
前に本をお薦めした時のブログ

迷ってキャンプ後、逆にメールでつまさんに相談したところ、
「うちを例に出してくださってもかまいません、犬のしつけ方記事とか、絶対読みたいです~!楽しみにしていますね!(メール原文)」と、奨励していただき、
熟慮の末、もみそば家ご了承の上で、ここで極力おもしろおかしく、
シーザー流ベース下克上回避対策のサワリ部分を紹介することにした。
「おいおい、またシーザーかよ?そもそもそいつは誰なんじゃい!?」と思った方、
またどっちにしても獸木は、さわりを紹介して詳しいことはシーザーの本や番組(または他の専門書など)で研究していただくのをおすすめするだけなので、
このあと本格的にシーザーに興味を持った人は
「お願い、シーザー!日本に来て!!!」
または
「いっぺん日本に来て
日本犬を躾けてみろや、コラァ!*」
日本犬を躾けてみろや、コラァ!*」
と、海の向こうに向かって叫ぼう
*獸木はハリーの訓練に苦心惨憺するあまり、テレビのシーザーに向かって時折このように理不尽に息巻いていた。ごめんね、シーザー、本気じゃないの。心から尊敬してます。ゼッタイ日本に来てね。まさか避けてないよね?
ちなみにこのブログではシーザーを、わかりやすいように
天才ドッグトレーナーと紹介しているのだが
彼の番組で使われているテクニカルな彼の肩書きはDog behavior expert
そして一般的に彼は
Dog whisperer ドッグ・ウィスパラー
と呼ばれている
彼がドッグ・ウィスパラーと呼ばれるのは、犬と魔法のように意思疎通して、
あっという間に問題を可決したり、コントロールできるからだが、
彼が尊敬されているのは、そのためだけでなく、高い志と哲学を持って一貫したスタイルを貫き、犬の問題行動に悩む飼い主と犬を救い、また問題行動で処分される犬を減らすべく、非営利の犬リハビリや啓蒙のための施設を作り、シェルター(日本で言う里親会)支援などを行っている等々からなのだ。
本ブログでは英語の訳は全部、日本の人がすんなりイメージを掴めるよう
獸木流に噛み砕いて直訳から心置きなく離れる予定
シーザーの肩書きも、日本で正式なものが普及するまで
天才ドッグトレーナーで行くと思うので、そこのところご了承ください
さて、本題のもみそば下克上に関するおっとさんの質問だが
「こういう場合、もみそばどちらを(集中的に)立てたり躾けたりすればいいでしょう?」というものだった
おおざっぱに言うと答えは
「何よりまず自分たち(人間)を立てましょう」
になる

おっとさんというパック・リーダー(群れのリーダー)がすでにいるではないか!
という話になるが、ここで特記しなければならないのは、AIDの読者がおそらくご存じないこと・・・
おっとさんつまさんが、ここ一年ほどとてもとてもたいへんな状況にあったと言うことだ。

ご自身のブログにもカテゴリーが設置されてるように、
一年ほど前、つまさんがメラノーマという命の危険が高い癌にかかり、
無事克服したものの、その直後からおっとさんが
長時間残業でほとんどおうちに帰れなくなってしまったのだ。
しかもこの、おっとさんの長時間残業、リーダー不在の状況は、数週間とか1.2ヶ月でなく、半年近く、実は今回のキャンプの前日くらいまで続いていたのだ。

誰でも一度は聞いたことのある、パック・リーダーの意味についておさらいをしておこう
シーザーが出現するずっと前から、
「飼い主が犬のリーダーになること」は犬飼いの基本としてずっと言われ続けて来た。
犬が法的に世帯主なら別だが、飼い主は犬の保護者なので、
誰でも多かれ少なかれ自動的にリーダーのポジションを与えられているとも言える
が、獸木を含め100%のリーダーを目指している人はほとんどいないのではないだろうか?
もちろん犬には100%リーダーか、
100%フォロアー(追従者)の感覚しかないのはわかっている。
つまり人間が100%リーダーでないということは、
犬にとっては自分がリーダーで飼い主は下僕になってしまうのもわかっているが
多少犬がわがままで手に余っても、対等な家族として楽しくやっていければそれでいいのではないか?
基本犬と飼い主がどちらも幸せで、人に迷惑がかからなければ、もちろんそれですべてOKなわけだ
ただここにひとつ問題が・・・
人間界でリーダーになることは、犬にとってたいへんなプレッシャーなのである



散歩ひとつ例に挙げても、人間のリーダーとなった犬は、
目の前に次々現れる人や車や犬や建物を、
その都度危険かそうでないか判断せねばならず、
その都度危険かそうでないか判断せねばならず、
場合によっては散歩コースも決めなくてはならず、
とてもとても神経が疲れるのである。
その結果、犬は常に不安定な状態となり、
これが常習的な吠え、攻撃性、恐怖、固執などの問題行動として現れる。
これが常習的な吠え、攻撃性、恐怖、固執などの問題行動として現れる。
しかしこれだって、よくある問題である。吠えない犬や、怖がらない犬はいない。
もしかなり吠えたり怖がったりしても、そういう犬はあちこちで見かけるし、
飼い主や周囲が許容出来る範囲なら、笑って過ごせるし、
ブログのネタとしても、マジメな犬より、ちょっと「しょうがないなあ~」というキャラのほうが、ずっと楽しくて親しみやすい。
そう問題はその先、「崩壊の分岐点」とも呼べるポイントの向こうにあるのである
あるポイントを堺に、そうした笑える欠点が、
手の付けられない大問題に発展することが、往々にしてあるのだ。
もし飼い犬が人を噛むようになったら?
同居犬が互いに殺し合うようになったら?
普通に生活できないほど何かを恐れ、あるいは固執するようになったら?
生活に支障が出るほど深刻化した問題は、
解決に専門家の助けやリハビリや長い時間が必要となり
実際に世界中で多くの犬が「手の付けられない問題」で処分されているのは周知の通り
では、もし仮に犬が崩壊して、あるいはする前に
「よし、じゃあ本腰入れてリーダーをやるぞ!」と
飼い主が一大決心したとして、とりあえずどうすればいいのか?
それが人間の世界なら、
「やあ君たち、わたしがきょうから部長に就任した獸木だ。よろしく頼むよ。」と自己紹介すれば、大体リーダーとして認識してもらえる*が、
相手が犬だとイマイチ勝手が違う。
*してもらえない場合もあります「犬に自分をリーダーと思わせる方法」は大体どの犬の飼い方本にも書いてあると思うが、
シーザー流は今まで見たことも聞いたこともないボディ・ランゲージや、ツボや、気やタイミングを使ったアプローチをし、ここからが今までのメソッドと全然違うところなのだ。
一例を挙げると、シーザーはコマンドをほとんど使わない。
犬はもちろんコマンドを覚えるが、
犬の知覚は「嗅覚、ボディ・ランゲージ、気(エナジー)、聴覚」の順(大体)で、
コマンド(聴覚)の認識順位が意外に低いためなのだ。
飼い主が「ノー!」
「ノーと言っとるだろうが~!」と叫んでも
犬が言うことを聞かないことがあるが、この場合、口でノーと言っていても、ボディ・ランゲージや飼い主の気が、「まあいいかな」とか「どうせ言うこと聞いてくれないでしょうね?」とか、別のメッセージを伝えていると言う。
さて、ではこれが獸木が予想した、通常の、
つまりおっとさんがおうちに帰って来られなくなる前のもみそば家勢力図である
図解をわかりやすくする便宜上と、つまさんが病気と闘っていた時期である(犬は人間の非常時を察知、影響を受ける)ことから、つまさんをあえて一番下に書いてあるが、のちほどの記事で暴露させていただく予定のおふたりのラブラブぶりから察すると・・・
こうである可能性も実は高い。
が、まあこのへんは犬も食わないということで、深く追求しないでおこう。
そして、これがおっとさん不在時期の仮定勢力図
まだそばさんががんばっている。
ところが、そばさんがトップの勢力図は、実は家の中限定になってしまう。
家の中ではそばさんは慎重に立てられているので君臨出来るのだが、
そもそも、もみじがそばさんより資質的に強い上、そばさんは他の犬と比べ、
それほど大きくも強くもないため、一歩家の外に出ると権威が下がり
こうなってしまう。
例えば今回のキャンプでも、ユウ君やりっかちゃんなど大きな犬に囲まれ、子犬のパロちゃんさえそばさんより大きいくらいだったから、そばさんの権威がもみじから見てどれほど弱まったかは想像に難くない。
「なんや姉ちゃん弱いやんけ」
と思われてしまうわけである。
と思われてしまうわけである。
外出するたび権威が弱まっていると、
当然最後には家の中でもナメられてしまい立場が維持出来なくなる。
そこで鉄壁の理想勢力図はこうなる。
おっとさんとつまさんが同位トップで、同じ一貫した態度で犬に接することで、
家の外でも、またおっとさんに再び残業時期が訪れても勢力変動しなくなるわけだ。
もちろんそばさんは「立て」なくてはならないが、もみじとモメた時にそばさんを慌てて抱き上げたり、急いで慰めたりすると「もみじそのものが大問題」という認識や不安を定着させてしまうので、まずふたりを止めて、完全に落ち着いてリラックスしたのを確認してから、なでたり、かわいがってあげるとよいという。
リーダーシップの点では、飼い主は終始なにもなかったような冷静な気持ちと態度でいることが、どんな場合も大切だそうだ。
よくある誤解で、
犬のリーダーになる=「犬をかわいがったらいかんのか?!」と思ってしまうが
犬がリーダーを持つことができて安定したら、
思いっきりチヤホヤすることもOKだという。
思いっきりチヤホヤすることもOKだという。
リーダー不在の群れは、犬にとって「情勢不安定な国」のようなものだと考えるとわかりやすい。
そんな国には常に戦争やクーデター勃発の危険があり、
不安定な政権下で犬を甘やかすと、
不安定な政権下で犬を甘やかすと、
人間の世界でもたまに出現するような独裁者を作り出してしまうが、
平和で安定した国では、誰でも安心して娯楽や贅沢を楽しめるというわけだ。
最後の理想図に一言付け加えると、
つまさんは獸木にすすめられてシーザーの番組を見てるし、
上の図よりポジションが高くなる可能性もあると思う・・・
がんばれおっと!つまに負けるな!
ぱぱもままも、ほんとに偉かったんですの・・
わたくし、とっても誇りに思ってますの。(そばさん)
うん、もみそば家も、りっちゃん一家も、
ほんとに素敵なご家族だね。
ままの病気が治って、
ぱぱがおうちに帰って来られるようになって
ほんとによかったね。
もみそば夫妻も、りっちゃん夫妻も、ユウママも
保護犬を引き取って、楽しくいっしょに暮らしてる素敵なひとたちです。
何かいいことをしてるからいい人、というのはずいぶん単純に聞こえますが、
人間はいい人にも悪い人にも生まれて来ず、その行いでその都度善し悪しが決まるもの
いつも志の高い人に囲まれて、信じ合い、助け合って生きたい、と願っていましたが
人生の半分以上過ぎるまで、簡単にそういう人たちに出会ったり、お付き合いを続けることはできませんでした。
今犬友やボラ友に囲まれて生きている獸木は
今までの人生にご褒美をもらっているような気持ちです。
ほんとうにありがとう、みんな。
獸木も少しでもみんなの役に立てるようになりたいです。
これからも、どうぞよろしくお願いします。



