音楽とアナログの魅力を掘り下げながら満喫しましょう -26ページ目

第1室 第6話 ジャズは失敗を許してくれる。

第6話「ジャズは失敗を許してくれる。」

 ~人生もまた、アドリブでできている~

 

若い頃の私は、失敗が嫌いでした。

間違えること。

人に笑われること。

恥をかくこと。

 

できることなら、失敗のない人生を送りたいと思っていました。

 

しかし長く生きてきて分かったことがあります。

 「失敗のない人生など、一度も存在したことがない。」ということです。

 

 

ジャズの演奏を聴いていると、不思議なことがあります。

 

時々、明らかに音を外す人がいます。

 

リズムがずれることもあります。

 

予定していたフレーズと違う音が飛び出すこともあります。

 

しかしジャズマンたちは慌てません。

なぜならその瞬間から。

 

「では、この音をどう生かそうか。」と考えるからです。

 

 

マイルスは言いました。

 

「間違った音なんてない。」

「その次に何を弾くかだ。」と。

 

これほど人生を表した言葉があるでしょうか。

 

人生も同じです。

就職に失敗した。

事業に失敗した。

人間関係を失った。

大切な人を傷つけた。

 

「あの時、違う選択をしていれば。」誰もが、そんな夜を持っています。

 

しかし人生は、不思議です。

 

その失敗があったからこそ。

今の出会いがあり。

今の学びがあり。

今の自分があります。

 

私は最近、こう思います。

 

人生とは、「失敗の連続でできた、一度きりのセッション。」

 

なのではないか、と。

 

もし、若い頃の私に一つだけ言葉をかけられるなら、こう言うでしょう。

「大丈夫。」

「その失敗は、後でちゃんと伏線になる。」

 

とあの時の遠回り。

 

あの時の涙。

あの時の挫折。

全部。

 

今の人生という曲を、美しくするための音だったのです。

 

ジャズマンは、演奏中に転んでも立ち止まりません、演奏を続けます。

 

なぜなら音楽は、まだ終わっていないからです。

 

人生も同じではないでしょうか。

失敗したから終わりではない。

 

「まだ演奏が続いている。」それだけなのです。

 

私は70年近く生きてきて、ようやく分かりました。

人生に必要なのは。

完璧であることではありません。

続けることです

音を出し続けることです。

 

時には外してもいい。

リズムを崩してもいい。

また、次の小節で戻ってくればいい。

 

ジャズが教えてくれた七つのこと

 

1. 人生に、完璧な演奏はない。

2. 失敗は、次の音への入り口である。

3. 間違った音は存在しない。

4. 大切なのは、次に何をするかである。

5. 人生は、何度でも弾き直せる。

6. 演奏が続く限り、人は終わらない。

7. 最後まで、自分の音を奏で続ければいい。

 

 

もし今。

 

「あの失敗さえなければ。」と思っている方がいるなら。

ぜひ、ジャズを聴いてください

 

そしてこう思ってください。

「まだ曲は終わっていない。」と。

 

 最後の一文

「ジャズは、失敗を許してくれる。」

「そして人生もまた、最後の音が鳴り終わるまで、何度でもやり直すことができるのである。」

 

次回予告

 第7 「人生は、一度きりのセッション。

~最後まで、自分の音を奏でなさい~

 

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第1室 第5話 「深夜2時のジャズ喫茶。」

第5話「深夜2時のジャズ喫茶。」

 ~なぜ、人は夜にジャズを求めるのか~

 

時計を見ると、午前2時街は静かです。

家族は眠り。

テレビも消え。

聞こえるのは、時計の針の音だけ。

 

そんな夜なぜか、人はジャズを聴きたくなります。

 

 

 

若い頃の私は、夜が嫌いでした。

明日が不安でした。

仕事のこと。

お金のこと。

家族のこと。

 

考え始めると、眠れなくなる。

そんな夜が何度もありました。

 

しかしある日、一軒のジャズ喫茶に入りました。

薄暗い店内。

木の香り。

壁一面のレコード。

静かに灯る真空管アンプ。

そしてスピーカーから流れてきたのは、ビル・エヴァンスでした。

 

その時不思議なことが起きたのです。

 

何も解決していないのに。

なぜか。

「まあ、なんとかなるか。」と思えたのです。

 

ジャズは、答えをくれる音楽ではありません。

 

励ましてくれるわけでもない。

頑張れとも言わない。

 

しかし隣に座って、黙って話を聞いてくれる。

そんな音楽です

 

私は思うのですが、人は、昼間は「社会人」を演じています。

 

父親。

母親。

社長。

部長。

夫。

妻。

 

それぞれの役割を背負って生きています。

しかし、深夜2時だけは違う。

 

ただの、一人の人間に戻れる時間です。

 

だから人は夜にジャズを求めるのでしょう。

 

ジャズは、肩書きを知りません。

年齢も知りません。

成功したかどうかも知りません。

 

ただ。

 

「今日は、疲れましたか。」

と、静かに問いかけてくるだけです。

 

 

最近、私は思います、人生には。

誰にも見せない時間が必要なのだと。

 

好きな音楽を流し。

コーヒーを飲み。

今日一日を振り返る。

その静かな時間があるから。

また明日を生きられる。

 

深夜2時のジャズ喫茶には、いろいろな人がいます。

 

仕事に疲れた人。

失恋した人。

夢を諦めきれない人。

大切な人を想っている人。

 

しかし誰も余計なことは聞きません。

ただ同じ音楽を聴いている。

 

それだけで、十分なのです。

 

 

もしかするとジャズ喫茶とは、「孤独な人たちの避難所」なのかもしれません。

 

そして人は一生のうちに、一度くらいは、そんな場所が必要なのです。

 

 深夜2時が教えてくれた七つのこと

 

1. 人は、時々一人になる必要がある。

2. 夜は、本当の自分に戻る時間である。

3. 音楽は、答えではなく寄り添いである。

4. 孤独は、決して恥ずかしいことではない。

5. 静かな時間が、人を癒してくれる。

6. 「まあ、なんとかなる」と思えることは大切である。

7. 人生には、帰ってこられる場所が必要である。

 

 

もし今夜、眠れない夜があるなら。

無理に答えを探さなくていいのです。

 

部屋を少し暗くして。

 

一枚のレコードに針を落としてみてください。

 

きっと50年前の誰かが、あなたの隣に座ってくれます。

 

最後の一文

「人は、夜にジャズを聴くのではない。」「深夜2時、自分自身に会いに行くために、ジャズを必要としているのである。」

 

次回予告 第6話 「ジャズは失敗を許してくれる。」

~人生もまた、アドリブでできている~

 

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第2室 第1話 「ロックとは何か。」

第1話「ロックとは何か。」

 ~なぜ、この音楽は若者たちの魂を震わせたのか~

 

 

もし「ロックとは何ですか。」と聞かれたら、何と答えるでしょうか。

 

音楽でしょうか。

ギターでしょうか。

それとも。

大音量で叫ぶ若者たちの姿でしょうか。

 

私は若い頃。ロックとは、「うるさい音楽」だと思っていました。

しかし歳を重ねた今なら、こう答えます。

 

「ロックとは、生きることを諦めない人間の叫びである。」と。

 

1950年代。

戦争が終わり。

世界は豊かになり始めていました。

 

しかし若者たちの心は、どこか窮屈でした。

大人たちは言いました。

 

「真面目に生きなさい。」

「言われた通りにしなさい。」

「常識を守りなさい。」

そんな時。

 

一人の青年が現れますギターを持ち。

腰を振り大人たちを驚かせました。

 

エルヴィス・プレスリーです。

 

そして、その炎はやがてイギリスへ渡り。

 

四人の若者たちによって世界を変えることになります。

 

ロックは、最初から音楽ではありませんでした。

 

ロックは「私は、私らしく生きたい。」という宣言だったのです。

 

だからロックは、時に大人たちに嫌われました。

 

うるさい。

不良の音楽だ。

社会を乱す。

 

しかし面白いことがあります。

 

あれほど反対していた大人たちが70歳になった今でも、ビートルズを口ずさんでいるのです。

 

人は皆、人生のどこかでロックを必要とするのではないか、と

初めて恋をした日。

夢を語り合った夜。

友人と朝まで語り明かした時間。

「絶対に負けたくない。」

そう思った瞬間そこには、いつもロックがありました。

 

ロックは、完璧ではありません。

ギターの音は歪み。

声は叫び。時には、音程さえ外れます。

 

しかしだからこそ。

人の心を震わせるのでしょう。

人生も同じです。

完璧な人生などありません。

 

転び。

迷い。

傷つき。

 

それでも前を向く。

ロックとは。

 

そんな人間の姿を、そのまま音にしたものなのです。

 

私は最近、こう思います。

ジャズが人生の「静けさ」を教えてくれるなら。

 

ロックは、人生の「情熱」を思い出させてくれる。

 

そして人は何歳になっても。

 

心のどこかに、20歳の自分を住まわせているのです。

 

ロックが教えてくれた七つのこと

 

1. 自分らしく生きていい。

2. 常識は、時に乗り越えるためにある。

3. 若さは、年齢ではなく情熱である。

4. 人生には、叫びたい夜がある。

5. 夢は、笑われるくらいがちょうどいい。

6. 人は何歳になっても変われる。

7. 心の中のギターは、一生鳴り続ける。

 

もし今人生に少し疲れているなら。

 

昔好きだった一曲を聴いてみてください。

ビートルズでも。

クイーンでも。

エルヴィスでも構いません。

 

きっとスピーカーの向こうから、若き日の自分がこう言うはずです。

 「まだ終わってないだろ?」と。

 

最後の一文

 

「ロックとは、音楽ではない。」「人生を、自分らしく生きたいと願った人々の叫びなのである。」

 

次回予告  第2話「ビートルズという奇跡。」

 ~なぜ、四人の若者は世界を変えたのか~

 

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