マイン川の川くだりと関西のおばちゃん集団
ホワイトソーセージを満喫した私たちはレーマー広場に向かって歩き出した。広場は朝の静けさとは一変。沢山の人たちで賑わっている。 店の前にはビア樽が並べられており、その樽の前で思い思いの格好でビールを飲む人たち。
午後2時。サッカー応援の一行が大声で何か叫びながら広場を横切る。ちょっと怖い。そのまま広場を突き抜けて歩くと、マイン川に突き当たった。
大きな鉄橋を渡るとマイン川周辺が一望できる。左手には大聖堂、カルメル派修道院、ニコライ教会、右手にもドライケーニヒ教会や博物館。ヨーロッパに来たなぁと実感するような風景が広がる。鉄橋で音楽を奏でるおじさん。おじさんの曲がBGMとして風景にすごくマッチする。
橋の傍で川くだりをやっていたので、チケットを買って船の到着を待つ。船が到着。乗っていた人たちが降りると、一斉に乗り込んでデッキを目指す。甲板の、景色が良く見えるテーブルは既に埋め尽くされていた。とりあえず、空いているテーブルに座ってビールを注文する。
昼間から3杯目のビールを飲み、船に揺られている。なんだかとても優雅な気分。
と、ここで優雅な気分を一変に吹き飛ばす出来事があった。 ・・・関西のおばちゃん集団登場!
「うわぁ、ここええわぁ。トイレ近いからこの席にしよう。ワハハ・・・。」「あっちに行くのかしら?こっちかしら?」「こっちじゃない?」かなり声がでかい一行。優雅な気分もぶち壊し。マイン川の船上からいきなり日本へ連れ戻された。
思い思いに会話を愉しんでいた甲板の乗客は一斉に関西のおばちゃん集団に注目。おばちゃんたちは全く気づいていない。もっと最悪だったのは、おばちゃん集団の中にいたおじちゃん二人。一眼レフ片手に写真を撮りまくる。写真を撮るのは自由だが、こちらも傍若無人。 見詰め合って会話している外国人夫婦の、見詰め合っている顔と顔の間に割り込んで、そこから教会の写真を撮る。夫婦もとても迷惑そう。ご主人が、テーブルにあったメニューをとって、メニューでカメラのレンズを「撮るな!」というパフォーマンスで塞いでいるのに、それにも気づかない。 ちょっと閉口する出来事だった。私たちの優雅な時間を返してぇ!
船はコースを一周して、岸に到着。もう一周乗ってもいいのだが、おばちゃん集団はここで降りた。ようやく静かになる。半分の人が降りたので、景色がよく見える場所へ移動した。
朝はダウンジャケットを着ていたのに、日差しが照りつけてとても暑い。半袖で充分な陽気。マイン川の両岸には散歩やジョギングを愉しむ人たち。日本ではあまり見かけない、三輪のベビーカーを押している人も多い。
川に沿って置いてあるベンチに腰かけて本を読んだり、昼寝をしている人。船が通ると手を振っている子どもたち。
抜けるような青空。川岸の緑。
太陽の光がきらきら水面に反射して、景色をさらに光らせる。
鉄橋で音楽を奏でるおじさんのBGMが遠くに聞こえた。
「パウラーナー」との出会い
取引所を制覇した後は、再びレーマー広場の方へ向かう。 観光名所の一つ、大聖堂は改装中のようで、裏からはきれいな写真が撮れなかった。表に回って圧巻。中に入ってまた圧巻。
目に飛び込んでくる広い中央祭壇。
壁面のステンドグラス。
大きなパイプオルガン。
ヨーロッパが初めてだからかも知れないけど、教会のパイプオルガンがこんなに大きいとは知らなかった。教会のつくりも音を響かせるような形になっている。 なんだか厳粛な気持ちになる。張り詰めた空気が違う気がする。しばらく佇んでいた。
大聖堂をゆっくり見た後、すぐ裏のカフェらしき建物へ入った。ドイツ初めての生ビール。中に入るとウエイトレスさんが、民族衣装のようなものを着ている。アルプスの少女ハイジのような。どうやらこれが、今から向かおうとしているオクトーバーフェスタの格好らしい。
お店のビールブランドを見ると「パウラーナー」だった。オクトーバーフェストでビールを出すことの出来る公式ブルワリーのうちのひとつ。こんなところでミュンヘンのビールが飲めるとは思わなかった。飲んだのは多分ピルスナー。 あまり苦味もなく、甘い中にもふわっと広がる感じがある。味は薄くはない。濃い。これがドイツで始めて飲んだ「パウラーナー」となった。
一緒にミュンヘンの名物料理のひとつ「ホワイトソーセージ」も食べる。壷のようなものに入ってお湯に浮かんで出てきた。朝作ったものをその日の午前中に食べるのだそう。 なめらかで、ぷにっとして、ふわっとした食感。 甘い「スイートマスタードソース」を付けて食べる。以外にもスイートマスタードとよく合う。 とても“はまる味”で、旅行中何回も食べることになった。
フランクフルト証券取引所
地下鉄に乗り込むと、目の前に大きな自転車があった。自転車持込み??よく見ると、他の車両にも自転車が乗っている。「自転車専用」のようなマークも貼ってあった。 自転車で地下鉄に乗れるなんてすごい。カルチャーショックを受けている間にレーマー地区に着く。
ドイツの商業、金融の中心地フランクフルトは、ライン川の支流「マイン川」が流れるので、マンハッタンをもじって「マインハッタン」とも呼ばれるらしい。ドイツ連邦銀行、ユーロを統括する欧州中央銀行、それからフランクフルト証券取引所もあってまさに金融の中心地。 そんなフランクフルト観光の中心地・レーマー地区には、大聖堂、旧市庁舎、ゲーテの生家などがある。
レーマー広場は、朝早く着きすぎたせいで、まだオープンテラスなどは開いていなかった。人気のない広場をゆっくりと歩く。 しばらくすると、観光客の団体がちらほら見えてきた。中国語に韓国語。台湾や中国本土からの団体が多い。
レーマー広場を一周して、そのままゲーテハウス、それから Hauptwache(ハウプトヴァッヘ)の駅を目指す。 店の前にオープンテラス用のイスを出しているおじさん。街はようやく動き始めた感じ。
ハウプトヴァッヘの駅前にオープンカフェ発見。雰囲気もいいのでテラスでコーヒーをオーダー。このカフェは以前は監獄だったらしい。今は市民のくつろぎの場所となっている。
観光!観光!って気張らずにのんびりコーヒーを飲んで、慌しい日常を離れ、優雅に会話する贅沢。日差しも強く、とても気持ちがいい。
一時間ぐらいぼーっとして、それから証券取引所を目指す。ロンドン証券取引所についで世界第4位の取引高を誇るフランクフルト証券取引所にどうしても行っておきたかったのだ。道に迷いながらようやく辿り着いた。
取引所前には、雄牛(ブル)と熊(ベア)の像。相場の先行きを強気にみることを表す「ブル」と弱気の「ベア」。「うわー、ブルベアだー!」興味のない旦那さんをよそに一人で大興奮。
これで世界主要証券取引所のうち、ニューヨーク、東京、フランクフルトを制覇。来年は強気になりますように、雄牛を念入りに撫でた。