皆さん
こんにちは!
ALEXです
以前、OLMOのブログを書いたのが記憶に新しいかと思いますが、
ヴェラーティがまたまたOLMOを組み始めました。
これもブログに挙げてもいいかな、なんて思っていると。
「部分的にならあげてもいいよ、全体を見せるのはまたのお楽しみ。」
なんていうのでほんの一部分ですが覗き見してみましょう!
そしてせっかくなので前回紹介した
70年代と今回の80年代を比べてみましょう!
当店で扱うヴィンテージロードは70年代、80年代が多いですが、『違いがイマイチ分からず、選びにくい』というお客さまの声も多く。
今回の記事を読めば70年代と80年代の違いがよく分かってもらえるのではないかと。
歴史や知識を辿っていくと、自分の欲しいヴィンテージバイクを見つけるのが格段に楽しくなります!
最初はヴィンテージのフレームってどれも同じように見えて違いがよくわからないと思いますが
見るポイントがわかればしっかりと歴史の変化があって面白い。
今回は年代によってどういう場所に違いが出てくるのかも解説いたします。
さて、最初はフレームの顔。
《シートエンド》です。
シートチューブ、トップチューブ、シートステー、シートポストの交わり。
その中心にはラグがありフレームで一番目立つ場所です。
この部分に命を懸けてないビルダーはいない!
というぐらい重要な場所でフレームの【顔】がここ1つですべてが変わります。
70年代のラグは時間をかけて削っているような、
手作業の後がしっかりと残ってます。
対する80年代はラグ自体の作りが綺麗になり、
ビルダーがさほど削る必要がなくなりました。
シャープで綺麗になりましたね。
続いて第2のポイント。
顔の次に目立つ《ヘッド》です。
70年代はいたってシンプルだったヘッドですが、
OLMOは80年代になるとラグに丸穴を開けました。
ビルダーの多くは他ブランドと差をつける為、
このように個性=オリジナルディテールを表現し始めました。
アイデンティティーの明確さが一目瞭然となり、
一目でどこの誰のブランドかが分かる年代になってきました。
フォークはなで肩に代わり、
フォークの内側に★がついていて可愛らしいですね。
70年代OLMOは丸みの帯びたラグが多いですが、
80年代になるとシャープな部分が多いです。
ハンガーの.上を通っていたワイヤーも
80年代は下を通ることが多くなりました。
トップチューブのワイヤーはパイプの上を通っていましたが、
中通しに変わりました。
フロントディレイラーは直付けが主流になってきました。
エンドはOLMOオリジナルに変わって細部にまで刻印が施されています。
上の写真で見比べて分かること。
70年代、80年代での大きな違いのひとつに
《お金のかけかた》が挙げられます。
ラグの加工や、オリジナルのエンドを作る等の豪華な仕様は
それまでは、大手ブランドのみが行っていましたが、
裕福になってきた時代の移り変わりとともに、小さな工房にも広く採用されてきました。
70年代は小さな工房にはそのような余裕がなく、美しく見せる為に、ビルダーさんの手間と苦労がびっしり詰まっていますね。
70年代はラグを美しく見せる為に苦労して削るひつようがあった時代ですが、
80年代のイタリアはいわゆる自転車バブル。
イタリアの自転車ブランドは世界をまたぐようになりました。
注文が大幅に増え、それまでのようにひとつひとつに手間をかけられなくなりました。
例えばCOLNAGOでは、年間約1万2千個程生産していた時代です。
職人たちは大忙し、1万2千個をせっせと磨いている暇なんてなかったわけです。
その為、さほど削らなくても、元からキレイな形の「ロストワックスラグ」等が主流になり、
手間をかけずに美しくみせる。そのような時代となりました。
この2つの年代を言葉にすると
80年代は着飾り、派手やか。 艶やかでいてセクシー。
70年代は上品で澄んだ美しさ、神秘的で神々しい。
といった感じでしょうか。
どちらも年代特有の美しさがあり、選ぶのは好み次第。
ヴィンテージバイクを初めて購入したいというお客様にお伝えするのが
自分が見て気に入った物を選ぶことが大切。
自転車も女性も一目ぼれが一番!
今回のOLMOは部分的な紹介でしたが、
近いうちに全てお見せできると思います。
お楽しみに!
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