思うように資金調達ができない方へ -2476ページ目

ご質問ありがとうございます。

ご質問のコメントをいただいたのですが(お恥ずかしいのですが、ブログの超初心者なものですから・・・)、コメントを頂いた方のURLが書かれていなかったので、返信の方法が分からず、このような場合どうすれば良いかどなたか教えていただけないでしょうか?

そこで今回は、苦肉の策で、この場を借りてお答えをさせていただきたいと思います。


(Q)私はお店をやっていて1年経ちます。
そこである中小企業の社長様が保証人になり、信金と国金から500万ずつ借り入れを申し込もうと思っております。
昨年度の年収は500万ほどです。
今年2月に法人にしました。
やはり銀行だと、保証人がしっかりしていても難しいでしょうか?
お願い致します。

(A)信金の場合、プロパー融資でも創業者に貸付ける制度を持っているところがあるようですが、通常は保証協会の創業者への制度を使用するのだと思います。国金も創業者への貸付制度がありますので、金額があまり大きくなければ可能です。

ただ、銀行のプロパー融資に比べて非常に時間がかかるのと、制度的に使いにくいのは事実ですが、保証人がしっかりした保証人がいらっしゃれば可能性は高いと思います。

※でも保証協会に保証人が必要って、何かおかしいと思われませんか?でも保証協会も代位弁済が多いため、保証人や担保を取りたがる傾向にあります。

また、このあたりは公的資金の分野になりますので、私の2月19日の「直接金融に対する考え方」をご参考なさってください。この中にご紹介した公的資金の専門家のURLをご紹介しておりますので、ぜひご覧下さい。
このコンサルタントは全国の信用金庫向けの小冊子も執筆していますので、ぜひ一度ご覧いただければと思います。

融資を受けるために

2月28日




今日からは、融資を受ける時に注意したほうが良いことを、少し細かく、ノウハウ的に書いていきたいと思います。
部分的には以前書いた内容と重複する部分もあると思いますが、重複する部分は重要なポイントでもありますのでご了解下さい。

また、これから書くことは金融機関の公式な見解でも、全て発表されたことでもありません。
資金調達をお手伝いする中で、私が日常的感じたり確信した私見ですので、あくまでもご参考程度にお読み下さい。
ただ現場での感想ですから、それなりの説得性はあるのではないかと、私は勝手に自負はしています。(笑)


【銀行から融資を受けることができる最低条件】
今日はまず、多くの方々にとって一番融資の中でもなじみの深い、銀行からの融資を受けることができる最低条件についてお話をいたします。
この最低条件をご存知ないばかりに、自分の会社は融資は未来永劫受けることができないと勘違いをしている方もけっこう多いので、ご存知のことだとは思いますが、まず押さえて置いていただきたいポイントです。

銀行から融資を受けるのに必要な最低条件は次の3つを上げることができます。
①3期以上の決算を終えていること
②納税を完納していること
③直前期の決算書で債務超過でないこと
この3つの条件について順番にご案内いたします。

  
①3期以上の決算を終えていること
3期分の決算書を提出できることが条件ではありますが、厳密には2期分経過していると、状況によっては可能になることもあります。
ですから言い換えれば、最低2期経過していない会社には、保証協会の保証(創業保証など)がある場合は別として、銀行から融資を受けることはできないというのが現実です。
このことは金利水準の低い金融機関は、ほぼ同じ条件を持っていますので、起業してから最低2年間は、公的資金の開業資金以外の融資はほぼ難しいので、この意味でも直接金融がとても大切になってきます。

②納税を完納していること
納税の完納は、過去の実績で与信を審査する銀行などの融資はもちろんのこと、担保に重点を置いて審査をする不動産担保ローン専門のファイナンス会社においても、納税の完納は融資を受ける必須条件になっていますので、資金繰り上納税が遅れることも理解はできますが、融資の計画がある場合は絶対に押さえておいていただきたいポイントです。
特に消費税の未納は融資を受ける場合の致命的要因となりますのでご注意下さい。
所得税については財務内容や事業の状況によって、また銀行によっては納税資金として融資されることもありますが、融資の審査に時間がかかったり、可能性もかなり低くなりますので、なんとかやりくりをしてでも完納に努めていただきたいと思います。

③直前期の決算書で債務超過でないこと
債務超過とは資本の部がマイナスになっている状態を言います。社長からの長期借入金を資本として考慮する場合もありますが、財務諸表の印象が非常に悪くなるので、できるだけ借入金を資本金化してもらうように弊社ではアドバイスをしています。ただ納税が新規に発生することにもなりますので、このあたりは顧問の公認会計士や税理士の先生とご相談をなさって下さい。
ただ最近一部銀行を含む金融機関では、債務超過であっても顧問税理士の先生のチェックシートを添付することで、融資が可能となることもありますので、決して粉飾的な措置はしないでいだくようお願いをしています。

また債務超過でなくても、融資を申し込む直前期の赤字決算は、融資の可能性を著しく落とし、また融資の条件も悪くなりますので、できるだけ避けたほうが懸命です。銀行によってはプロパー融資(保証協会の保証制度を使わない融資)を受けることができなくなりますので、融資のスピードが遅くなったり、融資額が小さくなったり、保証協会への保証料を含めるとコスト負担が増えることになる場合もありますので、お気を付け下さい。

次回は、更に融資を受ける時にご注意していただきたいポイントをご案内いたします。

成功した経営者の実例 2

2月27日

昨日に続いて成功された経営者の中で、昨日のX氏と並んで印象深いS氏のことを書いていきたいと思います。

残念なのですが、S氏の会社は上場直前期である上、事業内容が特殊で唯一なため、詳細をほとんどかけないことをご了解下さい。

S氏は大手出版社のご出身で、10年ほど前に起業された方です。
3年前にお目にかかりましたが、X氏の場合とは違い、当時既に売上も10億円以上計上されていましたし、社員数も30名弱いらっしゃったので、ゼロから劇的に成長された過程を見たわけではありません。

しかし、お目にかかる少し前に、法律が変わったため、売上の40%を占めていた商材を扱えなくなったり、出資者の履歴のために、ある都市銀行から取引を断わられたり、上場準備の一環で受けた監査法人の指摘での経理処理基準の変化で、一時期債務超過になったり、会社存亡の危機とまではいかないかも知れませんが、大きな苦難を見事に超えられたことで、S氏は非常に印象深い経営者です。

この3回のハードルを越えられたのは、S氏の直接金融への取り組みだったと断言して良いと思います。

もちろん事業内容も、他社の追従を許さないオンリーワンであることと、体力に合った事業を運営されていることはもちろんですが、顧客を含めた主要取引先などご自身と会社の人脈から、くまなく出資の形で、資本政策上も巧みに(経営権の問題をクリア)資金調達をされているのには驚かされます。

もしS氏が同じ出資でもVCからの調達や銀行などからの融資に頼っていらっしゃったら、今の姿はなかったと思います。
S氏の凄さは、不可能だったり、予定の立たない資金調達を止めて、ご自分が主体的になれる直接金融による資金調達を、事業成功のために躊躇なくされたことだと思います。

X氏、S氏のお二人の経営者に共通するのは主なポイントは、いろいろあるように思いますが、次の3つが主なポイントです。
① 金融機関からできない資金調達は直接金融で調達することに徹し、不可能な資金調達を決して追及しないばかりか、支払計画も現実に即した内容に変更することに徹した。
② その時々の会社の力に応じた事業計画と運営に徹した。
③ とにかく熱心で、事業成功のために自分が信じてやることには、恥じも外聞もない。

ここ何回にわたって書いてきました失敗した経営者とお比べいただくと、成功する経営者と失敗する経営者の違いのアウトラインはご理解いただけたと思いますが、いかがでしょうか?