JAL問題の日経の社説から
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10月30日
JAL問題もいよいよ大詰めになって来ましたが、企業再生支援機構を活用する方針が決まったようです。
そもそも企業再生支援機構とは何か?ですが、正式名称を株式会社企業再生支援機構と言い、さまざまな企業の事業再生・活性化のための支援組織として,政府が100億円、金融機関が100億円の計200億円を出資し、今月業務を開始した組織です。機構の事業資金は市中から政府保証付きで借り入れを行うことにより調達することになっています(保証上限 1.6兆円)。そして、その事業資金から支援する会社に出資したり融資をするわけで、政府保証がついているから、言い変えると税金が投入されることになるわけです。だから、万一支援対象の会社が再建できず破綻した場合は、当然ながら投入された税金が焦げ付くことになるから、現在は一民間企業であるJALに投入する以上、国民が納得する根拠が必要ですし、社員や株主、債権者を含めたJALの関係者が相応の痛みを分かち合うことが前提でなければなりません。
いつもはイチャモンばかり付けている日経ですが、そのJAL問題を書いた社説が非常に分かりやすく内容も真っ当だと思ったので紹介します。ぜひご一読いただきたいと思います。
(社説1 日航再建は経営と航空政策の両面から(10/30) )
日本航空(JAL)の再建問題が新局面を迎えた。前原誠司国土交通相は29日、JAL再建に政府の企業再生支援機構を活用する方針を表明した。
政府は再建をなめらかに進めるために特別立法も検討しているが、一民間企業の再生を公的に支援するのは異例の事態である。納税者が納得できる再建方針や支援の根拠を示す必要がある。
JAL再生には3つ重要な点がある。第一に、過去にも何度か公的支援を受けてきたJALに経営改革を促し、「親方日の丸体質」を改めることだ。
いくら金融支援をしても、JALの体質が変わらなければ、抜本的な再生にはつながらない。いずれ問題はぶり返すだろう。
英ブリティッシュ・エアウェイズがアイルランドの航空会社から経営トップを登用したように、しがらみのない人材の起用で企業体質を抜本的に変える必要がある。官僚OBを送り込む案も一部にあるが、政府依存を強める最悪の選択だ。
第二に、関係者が痛みを分かちあう公平な再建案が要る。公的資金でJALの資本を増強するのなら、一企業の再建への税金投入となる。その前提として、社員や株主、債権者を含めたJALの関係者が相応の痛みを引き受けるのは当然だろう。
負債の削減などを強力に進めるために、再建型の倒産法制を適用する可能性も除外すべきではない。旧産業再生機構でも、法的整理と機構の支援を併せて企業を再建した事例はある。
焦点となっている年金についても、旧再生機構傘下で再建したカネボウのように、年金の積立金を払い戻したうえで解散する道もある。一時的にかなりの現金が必要になるが、負の遺産を将来に引きずらないための一つの方策だろう。
第三に、航空行政の見直しも欠かせない。日本の航空会社は着陸料や航空燃油税など国際的にみて割高な公的負担を課され、政府はそれらを原資に利用客の少ない地方空港を整備してきた。
いったん空港ができれば、採算度外視で路線開設を求める圧力がJALなどにかかり、経営基盤はさらに弱まる。この悪循環を断ち切るのは、政治の役割である。
JAL再建に残された時間は多くない。羽田、成田の両空港の発着枠の拡大で、今後空の競争は一段と激しくなるだろう。小手先の延命策を繰り返すのであれば、自民党政権時代の対応と変わりない。
いつもは新聞の社説にイチャモンばかり付ける私ですが、この社説の内容はまったくその通りだと思います。
記事の中のアンダーラインのところについて少し書きますと、まずは負債の削減の問題点、金融機関の債務もそうですが、一番難しいとこれまでされてきたのは企業年金の積立不足です。同業のANAと比較しても、比較にならないほど社員を厚遇してきたのはJALで、いくら公共的な事業であっても、官主導のインチキ航空行政の犠牲になったと言っても、税金を投入される以上、社員の相応の痛みは不可欠です。
確か昨日のフジのニュース番組だったと思いますが、目が泳ぐOBが企業年金削減は困ると言っていましたが、このオッサン、何らかの意図がなければ、大馬鹿者だと思いましたね。今はそれでなくても生活が苦しい人が多い中、税金で救われるだけでも助かる話なのに、何を贅沢言ってるんだと率直に思いました。でも、家内が元JAL出身だから情報がけっこう入るのですが、先鋭な組合関係者以外のまともな社員はOBも含めて潰れるよりはマシ、企業年金が減っても止むなしが大勢で、こんな腑抜けみたいなオッサンの取材をなぜテレビ局がしたのか、穿った見方をすれば、これまた民主党の失敗を喜ぶ一味の世論操作なのかとも思いました。でなきゃ、あんな頼りなさそうな人物をわざわざJALの社員、OB代表で選ばないと思いますね。
民主党の今の政治には概ね支持している私ですが、JAL問題については少し意見が違っていて、私はアメリカのGMや航空会社がやったような法的整理を一旦スピーディーにやり、新会社ですばやく再建するほうが良いと思います。なぜなら、今、この瞬間も、JALの飛行機は運航されているわけで、再建への道筋を早急に決めないと、安全にも影響が出る懸念があるからです。
多分、当初新政権で再建の計画を委ねた再生チーム主導による再建を止めて企業再生支援機構に委ねることにした理由は、私見ですが、対金融機関よりも企業年金の問題が非常に取り扱いが難しかったからではないかと思います。となれば、この社説が言うように法的処理の可能性を全くなくした前提でやることには疑問を感じます。
そして、一番重要なのは、三番目の問題点として書かれている、航空行政の見直しです。これは、この社説に書いてある通りで、必要性の低い地方空港整備のための特別会計の財源になっている負担がなければ何と年間1700億円がJAL1社で浮くそうです。これはJALだけではなくANAにも同じように負担になっていて、こんな馬鹿げた官僚行政のおかげで日本の航空会社は著しく競争力を弱められていたことが分かります。ニーズの少ない空港の整備は、高い着陸料などで充当されていたわけで、こんな不要に近い空港を作るために巨額の開発費が無駄に使われ、その上きっと関係者の懐に不法な資金が流れていたことは十分推測できます。
JALの問題から航空行政の見直しまで話ができるようになったのは、政権交代ができたからこそであり、新政権の揚げ足を取るようなくだらない記事や番組で敲き捲くるマスメディアに、今まで売国奴的な行政を何ら改革しようとしなかった自民党の害虫政治家こそ、自己反省をしないのだから敲き捲くれば良いのにと提言したいと思います。森、伊吹、町村、青木・・・・・数えればターゲットは多く、けっこう新聞も売れ視聴率も取れると思いますよ。![]()
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